パンタローネ様のクランクケース分解
1992/10 ケース刻印のパンタローネ様のクランク
ケースを開けさせて頂くことにしました。

分解 調整の方法とは別に部品構成と構造を
中心に見てゆきたいと思います。


突然 この写真からです。

三本見えるシャフトは、真ん中がクランクシャフト
右側が、タイミングベルトを駆動するシャフト
左側が、ミッションインプットシャフトです
プライマリードライブギア

クランクの回転を最初に伝達する、プライマリー
ドライブギアです。

緩み止めのロックワッシャーが折り曲げられて
います。

シャフトの中心の穴は、クランク潤滑の為のオイル
ラインです。
690gの鉄の塊です
シャフトとは、キーNO10で位置決めされて、ロック
ワッシャNO12とロックナットNO13により、107,9〜117,7
Nmの締め付けトルクでテーパー部にて固定される。

NO11のワッシャーはベアリングの内側のシムです。

ドライブギアは31歯で、内側の34歯のギアにより
オイルボンプが駆動されます。
当たり面には異常は見られない。
ケース内部なので目立たないが、平歯車ではノイズが
相当大きいはずです。

はすば歯車はなぜ使われないのでしょうか?
発生するスラスト力を嫌っているのでしょうか?
キー溝とテーパー結合部分です。
半分程の位置まで接触の跡が見られます。
このプライマリードライブギアを抜くのが、一番危険な
作業となります。

浅いテーパーにより強固に固着しているケースが多い
ようです。

左から 専用工具 No 88713.1502
30mmセミディープインパクト
2爪プーラー

専用工具は大きくて重たい物です、このギアが硬く固着
しているかが計り知れます。

30mmのソケットは深さが必要です。

3爪プーラーは使用できません。
写真はKOYOの製品で頑健な物です。
1000円〜2000円の一発プラーでは、このキアは引き抜け
ないと思います。

本当はNo6のツールでギアを抑えなければなりませんが、
パキューンと外してしまいました。
110Nmなら 恐怖の電動インパクトで楽勝。
危険なので外での作業です。
専用プーラーを使いました。プーラー本体の回り止めを
行わなければいけませんが、対辺46mm(だったかな?)を
くわえる事の出来る工具なんて持っていません。
ケースとの間にアルミ板を挟むことで許してもらいます。

今回は簡単に外れましたが、プーラーごとぶっ飛ぶ可能性
があります。

2爪プーラーを使うときは、ロックナットを外さずに
プーラーを掛けると安全でしょう。
ドリブンギア

クランクの回転は次にこの大きなキアNO17に伝えられます

このギアは、ミッションシャフトに刺さっていますが、
空転しています。
このギアに、クラッチハオジングNO13が8本のボルトNO11
によって固定されます。

オイルシールNO16のインナーNO31の中にOリングNO15
(緑色)が見えます。

下のワッシャーはNO21の位置の物です。


クラッチハウジングを固定するボルト穴は、裏まで貫通
しています。 このギアは当然クランクケース内ですから
強力なネジロック剤はケースの中に落ちてしまいます。
軸受け部分は、オイルシールNO16 ベアリングNO20
クリップとワッシャーNO19 ベアリングNO18で構成されて
います。
重なっている二つのベアリングの内、裏側のベアリングを
抜いてみます。

格安ベアリングプーラー
もう少し足が長いと使いやすいのですが・・・
ベアリングを抜くと、C型止め輪がスリットに装着され
ワッシャーが一枚入っています。

この状態では、私の持っているスナップリングプライヤー
では、力不足で外すことが出来ませんでした。
反対のベアリングを抜いてやっと外せました。

ちゃんとしたスナップリングプライヤー欲しい・・
アッセンブリで1360g ギアのみで1130g 64歯

手前から
オイルシール BAU3SL(スタイル?) 25X47X7mm
ベアリング SKF 16005
C型止め輪 ワッシャー  1.5mm
ベアリング SKF 6005

肉抜き候補NO2です。

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