円弧歯ベルト交換 それに伴うプーリー改造
そろそろ ベルト交換したいなーー

交換して 距離10000km走ったしなーー
もう3年かな??

交換するのなら 2000M400からのカマボコベルトにしたいなーー
シリンダーの高さ一緒だから使えると思うしーー

となると プーリーも交換だねーー
アルミプーリー買っちゃおうかなーー

カムタイミングもきちんと整備したいなー
調整プーリーにしようかなーー

社外製のプーリー高価だねーー
純正の調整プーリーも高いねーー

プーリー作れないかな??
インデクスロータリーテーブルとボールエンドミルが必要だねーー
欲しいけど買えないねーー

もしかして 純正のプーリーを改造して作れないかな??



何時もこんな感じで始まるわけで
 
こんなこと考えている時間が 一番楽しかったりするわけです
タイミングベルトの歯型

歯付ベルトです 下が400SS 上が2000M400
400SSに使われている物は 歯の形状が台形の物で 
70'ごろのレーサーから使用され 市販車ではSL
F1 750SS 400SS 99'Mまでスーモールケースの
エンジンに使用されてきました


しかし 70'中期には 高い歯飛びトルク性能を
持った円弧歯形のベルトが開発されていて
当然 新設計の851系 900SS ラージクランクケース
エンジンには円弧歯形ベルトが採用されています

そして 2000年スモールケースの設計変更に伴い
750 600 400エンジンも円弧歯形ベルトを手に入れることができました

私の94'400SSも2000年エンジンの恩恵に預かろうと言う目論みです
当然 旧750 600 620 400と新750 600 620 400のシリンダーの高さは同じなので
現物を比較しても 長さ 歯数ともに同じ物でした

台形歯形から円弧歯形に変わる為 プーリーも交換が必要です
更に欲をだしてアジャスタブルプーリーを使いたいのです
選択としては 2000以降のエンジンに使われている 純正部品を使う
アフターパーツメーカー VEETOWやSTMのアルミブーリーを使うかです

 
900のノーマル鉄プーリーを改造できないかと思って見ていると
特殊工具が入る4っの穴の内 二箇所にタップが立ってて有るのを発見
キーが噛んでプーリーが抜けない時にここで引っ張れるようになっていると判断
この穴を利用して 分割したインナーを固定できないかな?
手前に厚みが増えると 固定ナットがカムシャフトにとどかないな!
裏をみると 少し深いぞ!!
プーリーを裏返して使って 深さの厚みの差で挟み代が取れるかも?

問題点
鋳物のプリーの真中が上手く切削できるのか?
インナーパーツはアルミで作ることになるが 強度は?
キー溝はどんな方法で削るのか?
とりあえず 削ってみた
膨大な時間が掛かったが 削れた
裏表 逆さまに使うので 手前に来るフランジは削り落とした
フランジが無くなって ベルトの迫り出しの危険性はあるが
近年のプリーには 手前のフランジが付いていないことを支えにしよう
インナーを削りだしてみた
素材はS7075を使用 精度は納得の行くレベルに仕上がった
カムを差し込んでも ガタは無い


組み合わせると こんな感じです
楕円穴を開けて プリーにボルト固定します
楕円穴は±5°から7°可変できれば良いので大きな穴にはなりません
ベルトの歯の間隔が20°です

残された問題
これにキー溝を掘らなければいけません 未解決
強度はどうでしょう? 解りません
デスモはバルブスプリングが無いので 
カムを回すドルクが小さい⇒強度を必要としない?
プーリーロックナットは70Nmの固定トルクが指定されていて
キーに掛かる負担は小さい?

これが形になったとして リスクをどのように考えるかです
自分で背負うか メーカーに託すか・・・・

  
可変プーリーを作ると言いながら VEETOWの
プーリーを買ってしまいました。
事情はあるのですが、かっこ悪いですね。


   
構造は三分割で、 ベルトを受ける外輪部
キー溝が掘られた内輪にはベルト山一つ分
20度に対応する 長穴が開けられていて
ワッシャーで押さえつけられて固定されます。
気がつきませんでしたが、専用ナットでした。
オリジナルナットが入るスペースはありますが
工具が入りません。
空転するプリーを押さえる為の、固定穴も
ありません。
専用ナットを使うしかないわけです。
ドライブ側に使うプーリーと比べてみました
取り付け面や幅は同じ規格です。
重量は
アルミ可変プーリー 82g
オリジナルプーリー 159g
差が77gですから ほぼ半分です
調整機能がないアルミプーリーはさらに軽いはず
これだけ変えてもエンジン特性は何も換わらない
はずです。

膨張率のちがいから、ベルトの張りに注意が
必要かもしれません。
楽しい取り付けですが、プーリーがカムシャフト
に入りません。   
キー溝加工のバリが残っているのが原因です。
アフターパーツなんてのはこんな物でしょう。

軽く面取りを重ねながらシャフトに入れて、
使っていた角ベルトを張り、ドライブプーリーを
固定してナットを装着しました。
2000年400モンスターの初期ロットで、
ベルトがプーリーから迫り出す障害がありました
回転しているベルトが、プラのベルトカバーを
切り抜く勢いでした。

気休めに ドライブプーリーにスケールを当てて
平行度を確かめましたが、大きな問題は
無いように思えます。
少し走ってみて問題が無いことが確認できました
これも、カバーに隠れて見えなくなって
しまいます。

バルタイ調整は次の宿題で。

ベルトは角でも丸でも、新品が気持ちいい。

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