取り留め無き雑談集
No.011(12/24):使い易いバンブーロッド?

仕事の環境が変化したりとかで何かと忙しく、FFレポも含めHPの更新がかなり滞っています。UPしたいことは山ほど有るのですが、やり始めたら一気にと言う性分ですので、画像が絡む件はつい「もうちょっと時間が出来たら」と先送りばかりでした。しかしとりあえず、合間合間に書いておいたテキストが纏まったので、何とかこちらの2003年度版として載せる事ができました。しかしこのコーナーも本当に久しぶりの更新だなぁ〜早くも2年近く経っていますが・・・それはともかく、今回はバンブーロッドについて書きます。とっても軽くって使い易くを誇り、何だかグラファイトをも凌いじゃうぞって感じの勢い、そんなバンブーについてです。しかしそれって拘りなの?だとしたらマジ?なーんて感じたので。

過去に今に、しばしば上記のような謳いを聞くに付け、あにはからんや猫も杓子もそんな方向に右習えしたら、バンブーの行く末危うし、と感じる今日この頃であります!って、チョッと大袈裟ですが、しかしロッドビルダー(自称肩書)さんなんかがもっともらしく語ると、一見理に適っているかのような見解に感じちゃう事もあり、納得させられかねないので杞憂してしまうんですよ。でもね、よーく考えると「じゃあグラファイトにすればいいじゃん」と思うんですね。私はこれまで数々のFF関連MLに登録し、そしてそれらから開催されるオフ会に多々参加してきました。そんな場では必ずと言って良いほど、皆が持参してきたロッドの試し振りが自然的に始まります。その中には有名無名のバンブーも沢山ありまして、時に疑問符が限りなく連なるロッドも存在しました。何でそんなにグラファイトを意識するの?バンブーはバンブーじゃあいけないの?って・・・

グラファイトに比べたらバンブーなんて「重いし、振りづらいし、扱いに神経使う」と言えば(別に私は「だからバンブーは悪い」なんて一言も言ってないんですがねぇ)、何をムキになってか「私の作るバンブーは軽いし、振りやすいし、ラフに使ってOK」と食い下がってくるビルダーさんが居ます。ほほー、それはたいしたもんだ、相当な手練をお持ちなんでしょうな。でも私ってそんな人の作るバンブーは、絶対に欲しくならないですね。「重いし、振りづらいし、扱いに神経を使う」からバンブーだし、そこがグラファイトにはない良い所、私の好きな所です。

何故?じゃあチョッと例え話をしながら検証してみましょう。

ここに旅行好きなAさんとBさんが居ます。二人はそれぞれある一定の休暇が取れたので、東京から青森の奥入瀬渓谷を訪ねようと考えます。Aさんは多くの人がそうであるように、新幹線を利用し、終点八戸まで3時間の快適な移動後、観光バスに乗り換えて奥入瀬渓谷に着きました。しかしBさん、八戸まで行ってバスに乗り換えるのは同じですが、八戸までは在来線を乗り継ぐ事にします。Bさんの場合は目的地までの道程までもが旅の一環であり、結果、奥入瀬で過ごす時間が少なくなると分かっていても、なんです。在来線の場合利用の仕方如何で、目的地までの時間が大幅に変わってきますね。しかしどんなに頑張っても、時間の事を含め、物理的には新幹線に敵いません。「遅いし、揺れるし、乗換えに気をつかう」在来線ですが、「早いし、快適だし、寝ていたら何時の間にか終点」の新幹線ですね。在来線の場合でも、直行特急のグリーン車を選択すれば、色んな意味でかなり新幹線に迫るとは思いますが、それでも限度があるし、はたまた新幹線開業に伴い、廃止されてしまう事もあるのが在来特急です。
何よりBさんの主義からして、有ったとしても直行特急になんか乗りません。まるっきり無意味ですからね、じゃなかったら新幹線に乗ってます。のんびりと過程を楽しむのがBさんのスタイルですから、新幹線に比べて煩わしいと思える事こそが逆に醍醐味と感じている訳です。そもそもレールからして在来線とは別物の新幹線だし、そんな基本的設計が全然違う両者のスペック比較なんか、Bさんには興味さえない事かも知れません。

さて、この先は、今までの話とフライロッドをダブらせて進めます。

在来線(バンブー)の歴史は、「早いし、快適だし、寝ていたら何時の間にか終点」(「軽いし、振りやすいし、ラフに使ってOK」)を目指してきました。動力源を蒸気→ディーゼル→電気にしたり、車両の懸架方法や材質(加工法や工程)を変えたり・・・それはそれなりに改良され、しかし狭軌の在来線(バンブー)を使う限りやはり限界がありました。そして更なる進歩をと考えた時、既設の技術を引き摺っていてはどうしても無理、と言う結論に達します。時代背景もあって、それじゃあ広軌の幹線(シンセティック素材)を新たに使ったらどうか。結果、瞬く間に在来線(バンブー)を凌駕した新幹線(グラファイト)は、現在の移動道具(フライロッド)として代表格になりました。しかしその一方、移動(フライフィッシング)する事に、より趣味性を持たせたい人にとって、相変わらず根強く支持されているのが在来線(バンブー)です。これもアリですよね。

勿論在来線(バンブー)を使う人にもそれぞれ好みがありますので、出来るだけ早くて(軽くて)快適な(振りやすい)方が良いと言う方も居ます。しかし在来線(バンブー)は新幹線(グラファイト)と基本的部分からして違うので、幾ら早くて(軽くて)快適な(振りやすい)が実現出来ようと、それは飽くまでも「在来線(バンブー)の中で」が付き纏います。良いとか悪いとかのレベルでなく、バンブーはグラファイトを超えることは出来ませんし、逆にグラファイトもバンブーを超えることは出来ません。ヘンな背伸びをすれば、単に「似て非なるもの」に終始しかねないのではと感じます。しかし誤解無きよう願いたい、私は決して進歩を否定している訳ではなく、それどころかまだまだ発展の余地がある両者に期待して止みません。ただそれぞれの素材特性を鑑みないで、妄想に近い理想ばかりを先走らせたビルダーは、根本的に出来もしないことをさも達成できたかのように振舞いかねません。そして・・・それを不幸にも鵜呑みにしてしまった人は、薄らいでしまったそのロッド本来の”旨味”に接する事無く、自分なりの価値観を確立してしまう危険性があり、それは余りにも残念と感じるのです。だから繰り返しますよ!グラファイトに比べたらバンブーなんて「重いし、振りづらいし、扱いに神経使う」、と。


「グラファイトの事は勿論分かっている、魚を釣る為には本当に良い道具だね」、と話す御仁。それでもあえてバンブーを選ぶその人は、いったい何をそこに求めているのでしょう。「釣るまでの過程をもっと楽しみたい」、「グラファイトに無い個性を感じたい」、「道具を所有する喜びを得たい」、そして「多少の扱い難さ?逆にそれが良いの」こんな所でしょうか、あっ、「別に効率よく沢山釣りたい訳じゃないし」と付け加えるかも知れません。「軽いし、振りやすいし、ラフに使ってOK」だからバンブー、そんなのはあまり聞いたこと無いですね〜

私は重さ故のアクションに何度となく新鮮さを覚え、ある程度のコツを要求される、振っていて楽しいバンブーロッドが好きです。そして仕事が忙しく、長いこと釣りに行けなかった真夏のとある日。何ヶ月も車の中で吊るしっ放しだったバンブーの、ヘソを曲げたか反ってしまった姿に、隣で平然としているグラファイトより愛着を感じました。最近忙しない釣行が多く、また藪沢でパシッとピンポイントに決め易いグラファイトばかり持ち歩くので、バンブーを携行する機会が少なくなりました。が、しかし、例えグラファイトを振っていても、ふと蘇るバンブーの妙味と比べてしまうことがあり、そんな意味では何時もバンブーロッドを共にしているのかも知れません。
↑2003年
No.010(2/8):バスorフライフィッシング

暫く”やめ塚”に精力を注いでいたため、こちらのコーナーが疎かになってました。ネタは色々と溜め込んで有りますが、今年1回目には何が相応しいか、結論は今回のお題目です。ダムや堰等公共工事が自然に及ぼす影響・弊害、最近注目を集め更にそれが生態系にも波及し、外来魚であるバスは違法放流問題も含め、何かと肩身の狭い昨今です。バスに限れば問題は今に始まった訳でなく、大正時代わが国への導入時点で憂慮されていました。その憂慮を押してまで放たれたバス、ここではその経緯や理由については触れません。釣り、ゲーム、としてみた場合の、両者比較検討について話を進めます。

私は父親の影響で子供の頃より色々なジャンルの釣りに親しみましたが、主に自分が置かれた地理的環境からバスフィッシング(以後BF)を長年楽しんでいました。それが結婚して家族を持つようになると、キャンプを通じ渓流と渓魚を知り、フライフィッシング(以後FF*渓流が主とお考え下さい)の世界へ足を踏み入れます。それまでもFFについて存在自体は勿論知ってましたが、渓流とはかけ離れた地で生まれ育ち、また難解で大変・釣れない若しくは釣り難い釣法と捕らえていた事もあり、トライしてみようと言う気にもならずにいました。ですから、イワナやヤマメなんぞ実際に目にしたことも無く、逆に餌釣りで初めて釣ったヤマメの美しさに瞬時にほれ込み、以来FFの魔力から逃れる術を見出せないで居ます。

そんな私が自己流で始めたFFですが、ある程度自分でもそれに自信を持ち、ネットを通じ知り合ったフライマンに釣り場を案内を願った際、BFに対する信じられない認識に驚きました。その方は長年渓流をFFを経験された様で、それについては技術的にも知識的にも豊富で信頼が置けました。一通りご案内いただき移動の車中、話題がBFに至った時です。「BFなんて簡単な釣りですから」と。理由を聞くと子供とキャンプに行った湖で、遊び半分何気なく浮かべておいたルアーに、勝手にバスが食いつき釣れてしまった、から、だと。どうやらその方にとってFFは気高く品位を備えた釣法であり、同時に技術的にもトップレベルの高等さを要求する、選ばれた人の釣りと言っても過言ではない、そんな感じを受けました。ですから「BFなんて下品な釣りには戻らない方が良いですよ。実際BFからFFは沢山の例があるけど、FFからBFへなんて人は居ないですから」とこんな言葉も出てくるのでしょう。その頃はまだFFに関して解らない事も多く、やや疑問を感じながらもただ話を聞くのみでした。しかしこの出来事が確実に私のフライマンに対する認識を変え、その後もBFに無知なフライマン程の驕り振りを何度も見聞きしました。私は別にどちらか側に立った視点ではなく、飽くまでも両方を等しく楽しむ者として、特に感情は交えず事実中心にお話しています。

所が逆は殆ど無いのです、FFに対するバサーの言動に。有っても「気取りすぎ」程度で、どちらかと言うと引け目の表れかもしれません。確かにイギリス貴族発祥のFFは、イメージ的にも実際のスタイルにも、BF側からはその未知ゆえ一段高く見る向きもあります。内心憧れに近いものを抱いていて、BF卒業後はFFといった風潮も存在します。勿論全てのバサーがそうだと言うつもりはありませんし、BF以外は考えられない人、FFからBFに転向した人等も知っています。FFに比べ技術的にも場所的にもとっつき易いBFですが、果たして純粋に釣りとしてゲームとして鑑みた場合、どちらが興かと問われれば即座に私はBFと答えます。

では何故{以来FFの魔力から云々}なのかは後述しますが、まず何故即座にBFなのかをお話します。勿論この先は好みを含んだ独断的、私的な理由の列挙でしかないのでしょうが、とっつき易い故軽んじられる事の多いBFへの誤解を 解きたいともは根底にあります。難しく奥が広く深いほど、趣味としての探求には興味が尽きません。

1.キャスティング
ラインを巻き取る事から始まったリールですが、逆にそこから引き出そうとした場合。言い換えると、遠くへ飛ばすルアーにラインを追従させたい場合、従来型のラインと平行に巻き取るタイプは、非常に難しい技術を要しました。ラインスピードの低下にリールの回転低下が追いつかず、そのバックラッシュ現象を制するため、高度なサミング技術を会得しなければなりませんでした。そこで登場したのがライン直交巻き取りのスピニングリールで、一気にバックラッシュゼロを実現させます。細かな問題もありますがこのリールの登場で、ルアーフィッシングの第一関門をあっさりとクリアできるようになりました。しかしこの世に万能な物など存在しないのと同様、パワーフィッシングをも身上とするBFには、スピニングにとって荷が重過ぎる場面も多々有ります。そこで操作・巻き取りパワーに有利なライン並行タイプ、ベイトキャスティングリールは改良を重ね存在しつづけました。バックラッシュを避けるための様々な機構を取り入れ、最近の機種では単純な使用においてサミング要らずを実現しています。所がこれも万能でなく、ピンスポットキャストや障害物回避等のためには、相変わらず高度な技術を要求します。一度でも有名バスプロのベイトキャスト光景を見れば、人間業離れとしか思えない程その卓越したキャスティング、自分にも出来るかなどころではなく、挑戦する気にさえならないかもしれません。またスピニングリールにしても、繊細(軽量)なルアーフィッシングには必要不可欠で、元々ライン放出コントロールを省くためのそれですから、逆にコントロールが必要(に迫られる)な場合、正確さを期するのは至難の業です。これも達人の手にかかると、まるで魔法を見ているかのごとく、どう考えても無理なピンスポットに呆気無いほど次々と、ルアーを打ち込んで行きます。ですからBFにおけるキャスティングは、とりあえず広く優しい門で受け入れられますが、先へ進むほど頂上の霞む世界が展開しています。

2.ポイント
「バスはストラクチャー(障害物)を釣れ」は基本です。獲物を追って回遊するのでは無く、何かに身を隠し餌の通過を待つ場合が多いからです。水面上に顔を出す場合のそれらは容易に解りますが、現実的には殆どの濁った水域で、隠れた障害物を探し当てるために魚群探知機を使用します。ここでこの探知機ですが、日本では職漁のためのそれからの延長で、”魚群”を当てていますが、実際のBFでは単独で潜むバスを”魚群”と捕らえられる訳が無く、あくまでも水中の障害物を含めた変化を読むものです。ですから”デプス・ファインダー”の方が、実際にそぐっているかも知れません。障害物が解るのなら釣れたも同然、至極簡単、では有りません。趣味レベルの探知機ですから、名前から想像出来るほどの威力は持ち合わせていません。水中の変化を読み切るためには、それ相応の経験が必要ですし、更に肝心な魚の居場所を突き止めるとなると、センスを含めた試行錯誤の連続が待ち受けてます。超音波診断を受けられた事のある方なら、モニターに映し出された映像をご覧になった事があるでしょう。業務レベルのそれでさえ、オペレターの解説無しで、何が何だか解りますか。同様のエコーを読み取る”魚探”も、最初は訳が解らないほどです。更なる魚探しの要因である、季節的・天候的・時間的等々の条件が存在しますから、魚探のこれらはほんの一例に過ぎません。ちなみに国産最上級クラスの自動車が、買えてしまうほどの高価なバスボート、これも単なるポイント探し道具の一つ、と言っても過言では有りません。

3.ルアーセレクト
基本的には実際食している餌に合わせます。非常に単純明快ですが、よく考えるとほぼ全てが水中での出来事ですから、その時の餌を判断するのは至難の技です。まあ、同じフィールドに通えば、徐々に想像がついてきますし、また悪食・貪欲とも言われるバスですから、針金細工のようなルアーにもアタックしてきます。所が昨今のブームでバスは学習を重ね、一筋縄では行かない状況に直面することが多くなりました。またそうでなくても、水域の食物連鎖トップに位置するバスなのに、意外なほど貪欲さとは裏腹のナイーブさをも持ち合わせていて、確実に居る事が解っていても(解るに到達した人も居ます)、理解に苦しむほど口を使わない場面に遭遇します。これら一般のバサーがさじを投げるような状況下でも、適切なルアーセレクト及び操作で、確実に釣り上げる人も居るのですから、悔しさと探究心は尽きません。釣具店に並んだ膨大な種類のバスルアー、全てが釣れますし存在理由があります。

4.ルアー操作
上項とラップする場合も多く、関連性も高いですが、あえて単独項としてみました。適切なポイントに適切なルアーを送り込めれば(ここまでも当然簡単では有りませんが)、そしてそのルアー持ち味を生かす(バスに食いつかせるに適当な)操作が出来れば、ほぼ確実に釣れるのは明白です。しかしその確実性を高めるためのルアーを生かす操作は、これもまた複雑にして雑多な条件の上に位置します。これまでの項同様の自然(バス自身も含めた)変化に沿わせ、対応できる技量を多く備えそこから適切な選択をする。備えるのも選択するのも、思い悩みながら多くの経験を積み重ねるしかありません。一例ですが「デッド・ベイト」と言って、ただそこにルアー沈めて置く方法、一見テクでもなんでもないようですが、このルアー操作に至るまでの技術が有って、更にその操作を極めた場合にのみ、バリエーションの一つとなり得ます。ただ単純に引けば釣れるのもルアー、何をしてもだめで置いておくだけで釣れるのも、ルアーです。


これら1〜4をFFに当てはめれば1・2はそのまま、3はフライセレクト4はフライ操作、これで対比が出来ますし、両者においてほぼ釣るための基本的項目と思われます。以上を踏まえた上で私は、純粋に釣りとしてゲームとして両者を比べた場合、バスフッシングに面白さの軍配を上げます。

ただ釣りと言うのは、特に最近の私にとって、年齢的・社会的なことも強く関与し、釣る事だけが全てでなく、逆に釣りそのものには、然程ウエイトを置かなくなりました。釣るに至るまで、釣っている最中、釣りの合間の休憩、釣った後の過ごし方。これら全てがセットとなり、トータルで判断するようになりました。ですから最近釣りは渓流においてが根底にあり、そこにふさわしい渓魚、ヤマメやイワナに出会うことを目的とし、出会えた環境に身をゆだね喜び感謝し、そして何より寛げる事を大切にしています。そのための手段としてフライフィッシングが最適と感じ、年々その度合いは増す一方です。

ただ私の子供たちもそろそろ釣りが出来る年頃となり、彼らにゲームとしての釣りを教えようと思ったとき、垣根の低いバスフィッシングをまずは伝えられればと感じます。私もBFによってゲームフィッシングの楽しさを身体に染み込ませられたし、キャッチアンドリリースも然りです。その先、そのままBFを極めるのか、それともFFの楽しさも知るのか、勿論門戸を開けるのに必要とあらば私も手助けしますが、基本的には彼らの判断に任せるつもりです。全てを鑑みれば全く同列、と言うか、優劣のつけ様の無いこの2者ですから。

PS
当siteではバスフィッシングも取り上げてますが、上記の理由で開設時点からフライフィッシングへのウエイトが高まり、既にBFコーナーの更新が2年ほど停止した有様です。勿論バスフィッシングも細々ながら未だに楽しんでますが、渓流の禁漁期に少々と言った程度で、レポ出来るほどの内容ではありません。BFに対しても敬意を保ってますので、この事態は心苦しくもBFに失礼と感じ、近々にでも閉鎖を考えております。このコーナーを頼りご意見を下さった方々に、この場を借りてお礼申し上げると供に、ご理解を賜れれば幸いです。
↑2002年
No.009(12/25):”さいたま”はカンベン!

今年5月1日の朝のこと、何時ものように日テレの[ズームイン]を これもまた何時も通り寝起きの悪いボーっとした頭で「やっぱ福沢より留さんの方が・・・」、なんて未だに思いながら見てたら、[今日”さいたま”市が誕生しました]とやってるではありませんか。
「うわぁ〜〜〜ついに、か」と朝っぱらから虚脱感に襲われました。「だから福沢より留さん・・・」、あっ、これは関係ないですね(^^;

何年か前より、大宮・浦和・与野の3市が中心となり、政令指定都市化を目指し合併の協議が行われていました。東京都圏3県の中で、それが無いのは我が埼玉だけだったから、生まれも育ちも埼玉県(川口市)人の私にとっても好ましいことでした。やはり”100万人都市・埼玉県○○市”は欲しいところでありますです。
その過程に於いては、上記3市に隣接する市町も敏感な反応を示し、やはり仲間に加わりたいのが当然ですが、それぞれの希望を叶えてたら、巨大都市になってしまいそうでした。いっそのこと埼玉の全市町村を纏めちゃえば、いきなり日本一の政令指定都市だっ!って無理・無理(^^;
この3市だけで100万人を超えるので、その後の経緯は良く判りませんが、混乱を防ぐ意味で?順当に当初よりの合併となったようです。ただ川口市民としてはちょっと寂しいですね、浦和や大宮と人口のトップを競ってたのですから。
だけど人口の事で色々と調べていたら、政令指定都市の基準って意外とあやふやなんですね。先輩格の千葉市が実は人口80万人台と判って、今までの”政令指定都市=100万人都市”と言う先入観が覆されましたから。

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【コーヒーブレイク】
政令指定都市とは地方自治法によれば、「大都市行政の効率化と市民の利便の向上のため、政令で指定する人口50万人以上の市」とありますが、実際の所100万人以上の一定要件をクリアした市が現状のようです。

所が最近
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人口70万人で政令指定都市に。2001.08.31
市町村合併支援本部は、合併で人口規模が拡大した都市に対し、政令指定都市への昇格要件を緩和することを決めた。
静岡・清水市合併のほか、新潟市、堺市、川口市なども周辺の自治体と合併すれば政令指定都市への移行が可能となる。

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これも”小泉効果”なんでしょうか、やっと歯切れがよくなりましたね。ただこの70万と言う数字は、やはり千葉市の既成事実を考慮してなのかなぁ。それはそうと我が川口市も例に上ってますが、個人的には今のところ複雑な心境です。
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ここまでは別にそれほど問題無いのですが、どうしても嫌なのが”ひらがな”の[さいたま]市なんです。てっきり当該住民投票なんかで決まったのかと思ってましたら、全国的に新名称を公募してたんですね。知りませんでしたよ、まさかWebででまで公募してたなんて。
知らなかったこちらがイケナイんでしょうかねぇ〜。毎日のようにWebを彷徨ってる私が知らないほどだから、PRに問題あり!って今更遅いですけど。それにしても全国規模の割に、応募総数6万8千弱ですよ、少ないと思いませんか、100万人都市になろうかと言うのに。
まぁこれらは良しとして、その公募結果から何故”ひらがな”化したのか、いくら調べてもこれまたあやふやです。
ちなみに集計結果は、

1位:埼玉市・7177票
2位:さいたま市・3821票
3位:大宮市・3008票
      ↓
6位:浦和市・1821票

やはり全国的な公募では、浦和市が県庁所在地と言うことを知ってか知らずか、交通の要所・地理的な問題・自動車のナンバー等、知名度で大宮市が上位に食い込みますね。私も大宮市が適当かと思ってましたし。しかし県庁所在地浦和のプライドも予想されましたので、埼玉県”埼玉”市でも良いかなとも。
それがなんと調べを進めるうち突然、


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3)新市の名称
 第3回合併推進協議会(議案第8号)において第2小委員会へ付託され、第21回合併推進協議会(議案第38号)において議決される。
*協議結果*
 新市の名称は、さいたま市とする。
注:「ようこそ!さいたま市Webサイトへ」 http://www.city.saitama.saitama.jp/index.html より抜粋。
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なんでやねん!何のために公募までしたの?理解に苦しみますよ、ホント。
大体私の知る限りの旧浦和や大宮の人も「カッコ悪くってヤダ!」、って言ってますけど。県名と市名が同一のところも結構有りますが、”ひらがな”なんて無いぞ!最近の流行に流されるな!

とりあえずこの問題は小休止。

それと最近困るのが住所の事。先日運送会社から我が家に不在者票が入っていて、それがどうしても早く欲しい物だったので、配送所まで取りに行こうと、電話で問い合わせました。すると「さいたま市の○○町です」と言われましたが解りません、広すぎて。「あっ、旧大宮市のです」、で解りましたがね。
上記のWebサイトを見ると、地域によっては[さいたま市大宮○○町]とか[さいたま市浦和○○町]、と郵便物の宛名書き方法が解説してあります。うーん・・・
さらにここの所相次いで道路案内標識が”さいたま”化してますが、とりあえず政令指定都市になって”区”分けしてからで良いんじゃない?車で”さいたま”市に近づくと、ヘタすれば3方向共”さいたま”ですから。笑わせると言うか泣かせると言うか、新標識にはオマケが付属してまして、[旧大宮市方面]って表記してあるんです。マジでトホホ(^^;
こうやって県民や市民に報いるため、税金は使われる訳なんですね。

”ひらがな”問題復活。

あんたは川口市民なんだから、あまり関係ないんじゃないの?って言われるかもですが、所が大有りなんです。県庁所在地は我等が埼玉家にとって親のような感じですから、例えば勝手に人名を変えられるとして母親が、何を血迷ったか[デベソ]と改名したとします。すると息子である我々は学校で、正に「オマエのかーちゃんデベソ」とイジメられる訳ですね(^^;
更に最も恐れているのが車のナンバープレートで、”さいたま”000・し・4242、なんてなった日にゃあ目も当てられません。学生時代にバイクで日本各地を巡った際ですら、「大宮ってダサ○タマじゃん」と言われたモンです。それも○○県のヤツらにまで!
お願い、せめてナンバープレートに”ひらがな”は止めて下さいまし。もしも大宮から変えるのなら、もう一度公募してよ!Webサイトのご意見ボックスに投稿したって、あまり効果があると思えないし。

絶対に”ひらがな”化は阻止するゾッ!・・・何故か漂う無力感(_"_)
No.008(12/20):ロッドとガイド

暫く釣りとはあまり関係の無い話題が続いたので、ここらで何かをと思っていたら、以前ロッド関係で色んな実験を行った際の事を 最近あるきっかけで思い出しました。

普段使い慣れたロッドで釣り始めたのですが、何だかどーも何時もと感じが違うな・・・で、ふと見たら、ラインを通し忘れたガイド発見、なんてこと無いでしょうか。その個所がティップに近いほど解り難いですが、バット付近だと結構違和感を感じますね。
それでこの違和感を逆手にとって、ロッドのアクションを変えてみようと、ルアーロッドで実験をしたことがあります。勿論その後フライロッドでも試しましたが、当初はルアーのそれでした。何故そんな事?なのかは当siteの「フライロッド&リール」コーナーをご覧願いたし。
ルアーロッドはフライで言うところの、出来るだけナローループを求めるが為、出来るだけ高(速)反発な、ファストアクションが多いですね。ルアーと言うオモリを 正確に遠くへ飛ばす為の常套手段です。
所がこんなロッドにドライフライを運ばせるため、フライラインを乗せると都合の悪い場合があります(何故そんな事?なのかは・・・)。それで少しでもスローアクションにしたく、バット付近のガイドを飛ばしてラインを通し、振ってみると「いとおかし」・やっぱ変わりました。大体テコの原理で、ラインがロッドを曲げている訳ですから、支点(ガイド)の位置を変えてやったり、数を増減させたりすれば、変化するのは当然ですね。
極端にトップガイドへのみラインを通しても、振り辛いのは当然ですが、ちゃーんとループします。この場合「ホントにこれがルアーロッド?」と思うほど、スローでニコニコしちゃいますが、現実的でないのも当然です(^^;
こういった変化を楽しむためには、やはりロッドが長ければ長いほど解りやすいですから、使わなくなった9ftのロッド(実は2.7mの投げ竿)のガイドを一旦全て外し、針金(^^;;;を捩じって作ったガイドを幾つか用意の上、とある小春日和も穏やかな昼下がり、近所の公園に立つ私でした。この簡易スネークガイド?をタイラップとビニールテープでロッドに仮固定し、数や位置をあれこれ変えては試し振り。こうしてヒマな半日を有効に潰した事があります。
思ったより多彩に変化するので面白いですよ。

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【コーヒーブレイク】
以前スネークガイドに疑問を抱いたことがあります。「何でこんなに高いフライロッドに、針金細工のようなガイドなんだろう」と。見た目にも安っぽいし、大体ルアーロッドじゃ、sicやゴールドサーメットを ガイドに使ってる時代なのに・・・変!と。
ガイドの重量がフライロッドに与える影響(ワタシャ鈍感なのであまり解りませんが)、それを回避しつつ自身の強度を得るため、しかもロッドアクションを崩さず。こんな要求に対する答えが、あのスネークガイドなんですね。
細身でしなやかなガイドさんは、ビンビンと元気なロッド君の負担にならぬよう、バネ状の身体もクネクネと寄り添う良妻なのです。
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先の暇潰しロッド(一応グラファイト)に、もう一度暇潰し相手を願った事があります。それは題して「グラファイトのバンブー化」です。要はロッドの反発スピードを弱らせ、バンブーのようなスロー緩慢な「ビヨヨ〜ン」アクションを実現させると言う、壮大なテーマ・・・暇潰しでしたね。
ガイドの重量程度じゃ違いの判らない男ですから、プレートシンカー(板オモリ)をロッドに巻きつけ、ビニールテープで補強と言う荒業が必要でした。この場合はティップに近い場所ほど効果的で、面白いように「ビヨヨ〜ン」を味わえましたね、ハイ。
それでは次に・・・えっ?それだけかって?
あまりにもむなしい実験だったので、流石の私も、速やかな中止を余儀なくされましたっ!

ですから例えば、非常に気に入って愛着のあるロッドだけど、どうも最近アクションが気になる、場合(グラファイトでも経年変化しますし)。
#2指定を買ってきたけど#3の方がしっくりくるな・・・でもやっぱ#2で使いたい、場合、等々。
極端な変化を求めては無理ですが、試しに何処かのガイドを飛ばしてラインを通せば、アクションは微妙に変化しますので、意外な発見をする事も考えられます。
もしアクションが原因で使わないくらいなら、ガイド位置(数)変更ってそれ程難しい作業じゃないですので、やってみる価値はあるかも、ですね。

また新たにブランクから組む場合でも、試してみると面白いかもしれません。ブランクには大体ガイド位置を示すチャートが付いてきますし、またそれが無くても、ロッドエンドよりのストリッピングガイド位置は、全長に対する一般的な寸法ってのが有ります。後はその中間や1/3割り振りと言う、メーカーも実際に使っている方法でもOKですね。
それに関する書籍も結構有るし、Website上で色んな工夫を披露したりも見受けます。なかにはギャリソンテーパー理論に基づいたテーパー計算と同時に、ガイド位置も計算するPCソフト(確かWin95用)が有るくらいです。
以前上記のような、実験を繰り返していたときに知ったのですが、ホント楽な世の中になったモンだと感心しきりでした。
しかし逆を反すと、ガイドの位置の決定には、多種多様な方法が存在する、と言うことも出来ます。言い方を変えると「最後は好み」かも知れませんね。段々と最近に至り、こんな感じを深めています。
ロッドが理想的なベンディングカーブを描くガイドの位置・数は、例え”ベスト”が存在しても、それが使い手の好みに”ベスト”マッチとは限りません。
有名ロッドにしたって、結局はテスターの好みも色濃く残る可能性が有る訳だし、それに多少なりとも不満を感じるのなら、ガイドに関しての試行はお手軽故オススメ、と思う次第です。
No.007(12/18):理想のデジカメ

これを語りたいが為にズイブン前置きが長くなりましたが、非常に切なる願いが有る故です。

所で。
まずは現在私のデジカメの主な使い方ですが、130万画素機OLYMPUS CAMEDIA C-960ZOOMを SQ標準モード(640x480・約60KB)に設定しています。年賀状等の為年に数度はSHQ(1280x960・450KB)モードも使いますが、殆どがWebに用いる画像ですので、何時もSQ標準にセットしてあります。No.005でサクッと説明しましたが、どうせ大きなサイズで撮っても、大体400x280・30KB以下に落としますので、主に手間を出来るだけ省く意味で、です。
正し画質に関してSQ標準は、シャッターを切った直後カメラ側で約1/14に圧縮しますので、例え上記のサイズでしか結果的に使わずとも、SHQで撮った画像をPCで圧縮した方が有利です。でしょうね、PCに比べあんなに小さな筐体内で”瞬時”に圧縮するのですから。それ程大きな差は感じませんが、並べて比べると明らかにPC圧縮の方が綺麗です。
出来るだけ美しい画像に拘る私ですが、それでもSQ標準設定を続けるのは、手間だけの問題ではなく、様々な理由があるからなんです。大きなサイズで撮ってPCに取り込み、一発で使用サイズに圧縮すれば問題無いのですが、あれこれ用途を考えながら圧縮を繰り返していると、JPEGの特性上非常に荒れた画像となってしまいます。まぁこんなことは、慣れた最近殆どやりませんが、ファイルサイズの問題は全てに関わってきます。
1枚あたり450KBと60KBと言う7〜8倍の違いですから、カメラへの記録時間・での再生時間、PCに取り込む際にもまた各処理時にも、それらを積み重ねると差は大きくなるばかりです。釣行の際は1日に100枚程度は撮り、その中から実際に使う数〜10枚程をピックアップしますので、この差は非常な負担と感じます。
それと一番気になる画質の問題も、満足はしてませんがほぼ私なりに許せる範囲です。SQ標準で撮った画像を 単に大きさを整え圧縮してsiteにUPと言うことは無く、画像処理ソフトで様々な加工を施しますから。この画像処理は時に写真を別物に変えてしまう程で、正にデジタル画像の有効なる活用法と自負しております(^^;

それで現在ほぼ唯一、妥協している問題と感じるのは、カメラ側で画像が圧縮されてしまう件。それを解決させるには30万画素クラスデジカメの、640x480・60KB・無圧縮そのままのデータを使うこと、です。
所が現在このクラスを求めると、いわゆるトイカメラばかりで、見た目にも本当にオモチャですし、レンズはもとよりCCDも”非常に”疑わしい限りのシロモノばかりです。そんな思いで居たところカシオより、LV-10と言う”多少”疑わしいけど、何とか画像処理でイケるだろう30万画素が登場しました。
しかし”多少”なりとも疑わしきはダメでした。レンズのキレが悪いのは、ある程度後加工で凌げますが、その暗さは如何ともし難く、更に発色も感度も想像以上に酷いCCDにはお手上げでした。値段を考えれば当然かもですが、一応「ネットやメールに最適な30万画素機!」なんて謳ってたもので・・・
いやマジに使える30万画素機が欲しい一心で、ダメモトですが望みを託したLV-10だったのです。

ですからメーカーさんお願い、”ちゃんとした”30万画素機を造ってください。多少割高でもOKですから。要のCCDは画素数こそ30万と少なくても受光面積を広く取り、発色・感度・ノイズリダクション等に最新の技術を用いて欲しい。またそのCCDを生かすためにオーバーな程の大口径で、抜けが良くクリアで高い解像度を実現するレンズも同様に欲しい(ズームは光学3倍程度でOK)。
以上の基本をシッカと押さえてくれれば、後の機能はレガシースタイルで十分。余計な操作ボタンを省けるのだから、液晶モニターも可能な限り大きなものを搭載願いたい。間違っても動画機能なんか付けないで下さいまし。
これらを収めるボディーは無理に小型化を計らず、無骨なほどの丈夫でタフさを優先させ、可能であればバリア式が望ましいな。イメージとして現在市場に出回っているレギュラーサイズ、この程度の筐体の方が小さすぎるそれより、かえって操作しやすい事もありますからね。

Webを取り巻く様々な要因を考慮すれば、例えこの先通信スピードが劇的な変化を遂げても、Websiteに求められる画像のサイズや容量は、現在のスタイルが主流で有り続けると感じます。5年10年先でも。そんなに大きな画像が、必要になると思えないし。
勿論通信スピードが上がれば、更に複雑で大容量のストリーミングや、若しくは新技術による別次元の映像・画像配信も考えられます。そうなると限りなく商用放送局に近づき、供給ソフトがより一層重要化し、個人レベルでは賄いきれなくなるでしょう(最近でもそうなって来てますが)。
それでも現在同様の個人Websiteが淘汰されるとは考えられず、このほぼ確固されたと思えるスタイルにあって画像は、既に必要にして十分なレベルと言えないでしょうか。

そこで声を大にして言いたい!(やっとNo.004の前フリが生きてきた)
多少古くなっても”普通”に使えるデジカメが欲しい!
それと低画素機は、エントリーモデルと決め付けないでくれ!
銀塩カメラの世界には存在するじゃないですか、何十年も愛用されるいわゆる”名機”が。
機械と電子回路で構成されるデジカメに、全く同様など求めもしませんが、そろそろ悪戯に目立つスペックをウリにした、使わない(使えない)機能満載機は止めませんか。
基本に忠実、質実剛健・・・なんだかドイツ人がやりそうだなぁ・・・
No.006(12/17):デジカメは過渡期か

似たようなテーマが続きますが、あえてPert3を附するのは避けました。気分の問題も大きいのですが・・・

では様々な事情を解っていながら、高画素コンパクト機を買うでしょうか。多少程度は解っていると思い込んでいる?私は、この中途半端さを最大のネックと考えて、少々の躊躇後”パス”の結論を出すと思います。
ここでデジカメの大先輩である銀塩(通常のフィルム式)カメラに登場願い、高画素コンパクト機の問題点を明確に検証してみます。百年以上の歴史を持つ銀塩カメラと、それに比べれば誕生して間もないデジカメですが、その最大の違いをあえて乱暴に言えば、感光に用いるのがフィルムかCCDかだけです。

銀塩の分野で最も普及し豊富なバリエーションの35mmタイプ、プラスチックレンズの数千円超お手軽機からプロユース然の一眼レフまで、同じサイズのフィルムを使ってます。正しサイズが同じと言うだけでその種類は沢山あり、ISO(写真感度)にしても100〜1600と幅広く、更に高画質微粒子タイプ等の選択肢を備えてます。
ここで最も一般的なISO100フィルムを使い、超お手軽機と高級一眼レフ機で可能な限り条件を等しくし、同じ被写体を撮影してみます。プリントした結果は当然の如く一眼レフ機の圧勝ですが、お手軽機も勿論それなりに撮れてるし、そしてこんな事は承知の上でユーザーは機種を選定してる訳ですね。
ですから間違ってもお手軽機ユーザーは、高価な高性能フィルムなんか使いませんし、また主にフィルムを購入するホームセンターや家電量販店等では、高性能フィルムを扱っていませんので間違い様もないでしょう。
高級機ユーザーは相応しいフィルムを求めそれなりのお店に行く、銀塩の世界では歴史を経てこんな当然のシステムが確立しているのです。

片やデジタルの方は・・・銀塩で例えると、ホームセンターなんかで売っているコンパクトお手軽機に、普通の人がまずお目にかかれない?ような、現在の最高級クラスフィルム(CCD)をセット販売してるようなモンです。
このセット品は悪いことにフィルム(CCD)を交換できず、釣り合いの取れないプアなレンズに、折角のフィルムは甘んじ続けるばかりですね。銀塩もデジタルも同じ光学機器ですから、肝心のレンズが小さくては無理が生じます(特にデジタルはその名の通り、”絶対的”な情報で捉えますし)。どう頑張ってもあんなに小さなボディーに、フィルム(CCD)が求める大きなレンズは装着出来ませんから。
姿勢として動画(マイクは勿論、再生用のスピーカーまで付いてる!)を初めとする、あまり必要性を感じない機能を省き、レンズに力を注いで欲しかった・・・えっ?そしたら買うかって?
買いません(^^;
あっ、そうか、だからオマケを色々付けて・・・なんて勘ぐる私は捻くれ者かも。

分野は違いますがバイクや車も過渡期において、完全に車体(レンズ)が負けるほどのエンジン(CCD)を搭載した、今思うと危険な組み合わせをも”ウリ”にしていた時期があります。バランスは取れてきますが更にステータス時代が続き、高級=大きくて立派に見える+高出力エンジン、こんな図式に疑いを持ちませんでした。
所が最近は意識改革が進み、悪戯にエンジンパワーを追わず、扱い易くコンパクトな高級車や、用途に応じた適切なスペックの車も、続々と登場してますね。ユーザーとメーカーによる市場の熟成は、やはり三桁年程の歳月を要するのでしょうか。

しかしデジカメは銀塩で培った歴史を糧に出来る訳ですし、また老舗クラスの銀塩メーカーも多数参入していますので、三桁年等もかからず・・・かかってもらっては困るんですね、ハイ。
ただこんな事も言えます、過渡期の製品って歴史に名を残す場合が多い、と。
要は後から思うと「よくもまあこんなもの造ってたな」ってトコでしょうか。
正し相当”トン”がってなければなりませんが。


次回は本当に、ほんとーに核心へと迫ります。
No.005(12/11):最近のデジカメ(Pert2)*No.004を先にお読みになる事をオススメします。

何故一見エントリークラスのコンパクト機に疑問を感じるのか、ですが、ここでも最近発表され、盛んにTVCMを流している、OLYMPUS CAMEDIA C-40ZOOMを例にウンチクもどきしちゃいます。
カタログを開くとキャッチコピーは「なんてキュートなデジタルカメラ」、そして4メガピクセルや2.8倍ズームなんかの文字が躍ってます。確かにこの大きさで400万画素は凄いですが、とりあえずオマケ?の多彩な撮影プログラムや動画云々については置いときましょう。
問題は初心者をもターゲットにしたこの”キュート”機を CMで煽られ店頭でA4のサンプルを見て購入した、かなりの数に上ると思われる方々に杞憂さえもしている訳です!・・・ちょと大袈裟・・・
ここで初心者の代表として、例えばOLのP子さんの顛末記と言うスタイルで、話を進めてみます。
ボーナスでこの話題のC-40ZOOMを買ったP子さんは、早速最高画質(TIFF)の2272x1074なんかで撮ってみます。なんたって4メガピクセル機の威力を 試してみたいのが人情ですから、はい。すると何故か1枚撮ったところで、次のシャッターが切れずに悩むでしょう、「ええっ、もう故障?」なんて。ここで細かい字で書いてあるマニュアルを読み直すと、付属の16MBスマートメディアでは1枚しか撮れなくて正常と解ります。と同時に最高画質1枚のサイズが”11.6MB”って書いてあるけど、「何これ?」状態に陥るかも知れません。そー言えば店員さんが、「本格的に活用するなら、大容量のなんたらを どうのこうの言ってたな」と思い出しますが、”キュート”に楽しみたいだけなので殆ど聞いてませんし、また何を言っているか解らなかったのが本音かもしれません。
そんな小難しい?事は「どーでもいいじゃん、[買ったその日から全てが出来る<オールインワン>セット]なんだしぃ〜、本格的って何それ?ウザイしぃ〜キュートでいいっす」、と、こんなお客様は正に神様でしょう、メーカーにとっては。
次に大きなサイズでのプリントの際、差がつくと謳われている、画像の補間を使い実現したプリント拡大モード、何と770万画素!してそのサイズ3200x2400!で撮ってみるでしょう。とーぜんです、高いカメラ買ったんですから。この場合メーカーの良心なのか、単に大きなスマートメディアを付属させたくなかったのか(1枚も撮れないんじゃ、ね)、画質モードはSHQになりますので1枚あたりたったの5.5MB、2枚も撮れる訳です。あー良かった。
そして大きなサイズで印刷したいのですから、とりあえずPCに取り込み画像を見てみたのですが、やたら長いスクロールバーを動かしても、全体像が良く解らなくって悩むんですね。たぶん。大体PCのディスプレイは1024x768ですから、130万画素クラスで撮った1280x960画像でもチョッと大きいくらいです。
めでたく縮小表示って方法が解り、ようやく全体像が見えたので印刷します。所が・・・今度は印刷プレビューを見ると、用紙から画像が大きくはみ出してるんです。またまたマニュアルを読み返すと、A3の紙へ印刷する際に有効な機能と書いてあります。をいをい・ウチのプリンターはA4までだぞっ!使えない機能に気づき、お怒りなのはごもっともですが、用紙に画像を合わせる方法が解っても納得しませんよね。
A4サイズに印刷するのでも、大体300万画素クラスの2048x1536でほぼ十分なんです(300dpi以上に拘るなら別ですが)。しかしせっかく高画素機を買った訳ですから、なんとか高性能を味わってみたいものです。そうだーっとばかりに、購入する時見た比較用サンプルの様に、PM写真用紙なんかに最高画質で撮った画像を 今度はピッシっとサイズを合わせ印刷してみます。「ワーイ素晴らしい(^^)」、良かったじゃありませんか、流石4メガピクセル機ですね。

所が。
メデタシメデタシの筈なのに何故か一週間もしないうち、P子さんはふさぎ込んでしまってます。どうしたのか理由を聞くと「だって、印刷するとメチャお金がかかるんだもん」、そりゃそうですよ、写真用紙にはフォトインクって、贅沢な組み合わせしないとならないんですから。
「それにね、PCに取り込んだり画像をいじったり、そして印刷するにもエラク時間がかかるの」、うんうん、けっこう新しいPC使っているようだけど、なんたって1枚11.6MBですからね。しょーがありません。
「あとね、チョー綺麗に撮れたから○美にも見てもらいたくって、画像をメールで送ったの。そしたらね、怒られちゃったの、グスン」、えー!ISDN同士でですかー!そりゃアナタ無謀ですよ。11.6MBなんかだと、送る方だって30分くらいかかったでしょ。「だってさ、たった1枚だから良いかなと思って」、枚数の問題じゃないんですけど・・・(TIFFも止めて欲しいな)
「まだ有るの」、えっ・今度は何です?
「お気に入りのHPに画像つき掲示板があって、デジカメ買ったらそこに載せようと思ってたけど、”サイズ(容量)がオーバーしてます”って拒否されちゃうのぉー!」、でしょうね、大体その手の掲示板も含め、ネット上じゃあせいぜい1枚のサイズは、50KBが常識ですから。

斯くして、P子さんはその後、殆どSQ2モードの640x480で撮り、PCへ軽快に取り込んだり処理したりして、友達に画像をメールでサクサク送り喜ばれています。印刷もせいぜい年賀状程度なので、そんな時だけSQ1の1600×1200モードに切り替えと言う、何時しか賢く使いこなすようになりました(勿論JPEGね)。「そ-言えば動画機能なんてあったわネ。最初は面白がって撮ってたけど、最近は使い方も忘れちゃった」

そして更に数ヵ月後、「もしかして200万画素クラスで十分だったのかも」、と気づく訳ですね、ハイ。

まーたまた長くなってしまいました。
トイカメラや核心は、次回のココロだぁ〜
No.004(12/10):最近のデジカメ(Part1)

デジタル関連機器の様変わりって正に「生き馬の目を抜く」素早さで、購入を迷いに迷った挙句、折角清水の舞台から飛び降りたのに、半年もしないうちに安くってより良い製品が、情け容赦なく登場しちゃうことも珍しくないですね。
一番良い例がPC本体でしょうか。CPUのクロックなんて、まるでバブル時の株価を髣髴させる、凄まじい跳ね上がり方ですから。メールやネットサーフィン(死語?)、あとはワープロやチョッとした画像を扱う程度、こんな特に”重い”作業をしなくても、だいたい購入後2・3年で不満が出始めますし、4・5年でほぼ皆さん買い換えちゃわないですか。もう6・7年も経ったマシーンなんか化石同然ですから(私は化石好きです、実際使ってるし)。
普通の家電ってこんなに短命でしたっけ。えっ?PCは家電じゃない!って?そ−でしょうか。昔と違い家電メーカーが業界に沢山参入しているし、SO○Yを筆頭とするそれら大手各社が、家電化に躍起になってるよう思えるんですが。
PCがどのジャンルに当てはまるのか、この先の動向次第かも知れませんが、私は良い意味で立派な家電になって欲しいと願います。冷蔵庫や洗濯機並とまでは言いませんが、せめてテレビやビデオ程度の耐用を期待して止みません。多少古くても”普通”に使えて当然と思うのですが。
本体だけでなくOSやそれに追従したアプリも、鶏と卵論的な側面を持ちますが、間違いなくPC化石化促進の要因と思われます。それにはやはりOSがほぼマイクロソフト社だけの現状を 打破しなければならないのでしょうか。以前は雑誌のオマケに新しいIEが付属していると、単純に嬉しい私でしたが、最近はチョッと複雑な心境です。

何だか今回のテーマになかなか言及しませんが、やや脱線気味の前置きがこれから生きてくる訳です(ホンマかいな)。
所で数あるデジタル機器の中で、それ程最新型に拘らなくても良いと、思えるジャンルが幾つか有りますが、デジカメはその中に十分含まれると感じています。メーカーとしては販促のために、次々と目新しい機種を誕生させていますが、冷静にスペックを検討すると、変更回数の割にそれ程劇的な変化は無く思います。
性能をアピールする一番明快なスペックとして、よく謳われるのは画素数ですが、私が思う実用に十分と感じる100万画素クラスは、97年頃に一般的な機種として登場し始めました。
その後画素数UP競争が激化し、CPU並みの上昇を呈するのかと思いましたが、あに図らんや満4年以上経った現在でも、500〜600万画素クラスが最高機種であります。何故でしょう。はい、必要ないからです。
言い切りますよ、この際。
それとデジカメで撮影した画像をA4サイズに印刷した場合、人間の目で判別できる上限とされる600万画素程度に、達しちゃいましたしね。
しかし、最新鋭機なのにそれでもまだ、不可思議なモードを持つデジカメとはいったい・・・
分かりやすいように先日発売された最型機種、OLYMPUS CAMEDIA E-20のスペックを見れば一目瞭然です。何故ゆえに500万画素・2,560×1,920ピクセルを高らかに誇りながら、 640×480ピクセル(VGA)モードが有るのでしょう。別にこの機種だけでなく、現在市場に出回っているほぼ全てのデジカメに、いにしえの30万画素クラス機のモードが設定されてます。(最近の30万画素専用機、所謂トイカメラは除く。別の機会に!)。
メーカーWebsiteの製品Q&A(よくあるご質問)コーナーなんかを見ますと、良くこんな質問と回答が載ってます。

Q:なぜ、640×480モードがあるのですか?

640×480モードでは1280×960モードに比べ、画像のデータ容量が小さくなりますので、インターネット等での使用やデータ伝送、ビジネス文書への画像の挿入等に便利です。
(注:200万画素機からの引用))
賢い消費者はこんな疑問を持つのが当然で、メーカーも誠実さをもって現実に沿った回答をしてますから、後は買う側の判断であります。しかし・・・一般消費者の大多数はこんな所まで確認し、実際の選択時に参考としてるかは非常に疑問です。TVや雑誌・新聞の広告は「○メガピクセル」や「○倍ズーム」、「スタイリッシュ」や「コンパクト」等ばかりで、間違ってもこんな事は謳いません。そして店頭に行けばA4で印刷した比較サンプルが並んでますから、店員の「どうです!やはり400万画素は綺麗でしょ!」にコロッとなりますね。
前出のCAMEDIA E-20などはまだ”分かっている”人が購入するでしょうから、それほど問題なく思いますが、最近続々と出る一見エントリークラスの、コンパクトで扱いやすさを前面に出した300〜400万画素デジカメは、非常な懐疑的策略を感じてしまいます。

いやしかし、長くなってきました。
いわゆるトイカメラにも言及したいので、とりあえずパート1は終わりにします。
No.003(12/06):仁義無き釣り師

そろそろ良いかなと思ったのが、今年も7月下旬でした。大好きな福島県の檜枝岐地方への釣行は、雪代の情報収集も大切で、よって今年も前年同様の豪雪を鑑み、やや遅めの初乗り込みとなりました。
目指すは檜枝岐川支流の実川、例によって車中泊ですから、林道入り口の空き地で爽やかな朝を迎えます。そして先行者の気配が無い中流域のとある入渓点より、なおも続く爽快さと軽い足取りで流れに降り立ちました。ここは本当に雄大かつワイルドな風情の渓なんですが、間違っても爆釣の期待や予感を託してはイケマセン。あくまでも大自然の懐で遊ばせて頂く、と言った謙虚さで臨まないと、手痛いしっぺ返しを喰らい「こんな筈じゃ」で焦り、何時しか目が三角になりますから(なった人を見た事無いですが)。
そうです、爽やかに軽やかに釣っていると、殆どチビばかりですが、イワナが時々と言うか忘れた頃に、フライを咥えに現れます。この日も正に実川らしい状況で、「やはりイワナは広葉樹の森が似合うな」なんて爽やかしてましたら、突然後方より「こんちわ」と声をかけられました。テンカラ師に。

彼はお盆休みに、新潟の超山岳渓流を詰めるのが恒例らしく、毎年この時期にここ実川で、沢歩きの感触を取り戻すのだ、と言ってました。この日が丁度それらしく、”まだ出してない”テンカラ竿を携えて、最下流から上がってきたらしいのです。驚くのはそのスタート時間を聞いた時、現在地と照らし合わせると驚異的な脚力で、ここまで遡行してきた事を易想できました。
そして「釣りはするとしても小場所にしますから、私を先に行かせてくれませんか」、こう彼がのたまい更に、「出来るだけ端を歩きます、なんたってトレーニングしたいのが目的ですから」。爽やかな私は快諾するのが当然です。まるで獣のように、岩間を飛び歩く彼が視界から消えると、再び渓のざわめきと、豊かな広葉樹の香りに囲まれ幸せでした。

しかしただでさえ寡黙な流れは完全に沈黙してまして、行っても行ってもなーんにも起こりません。「ダメダメ疑心暗鬼に陥っては、彼を信じなくっちゃ」、爽やかさんとしては直ぐ、発想を次のように切り替えます。
なんて事無い、今の状況は単なる偶然で、この区間はたまたま魚が居ないか、活性が下がっただけなんだ。こう考えて退渓を決心し、川通しに入渓点へと戻ります。そして車で林道を下り始めて程なく、何と先ほどのテンカラ師が、前をテクテク歩いているじゃありませんか。どこまで遡ってから下り始めたのか解りませんが、計り知れない体力の持ち主なのか、もしかしてエスパーなの?、いずれにしろ尋常なヤツで無い事は確かです。
その彼の横を通り過ぎようとした時、こちらに向かい何だか拝んでいる様子なので、窓を開け話を聞いてやりました。「あのー、乗せて行ってもらえませんか。まだ林道入り口まで1時間ほどかかるので」。をいをい、トレーニングはどうした!と心で思っても、さわやかな私は決して態度に出しません。それにしても普通の人だったら、倍の2時間はかかるよな、なんて思いつつ結局彼を乗せたのですが・・・

車内では、釣り人同士の他愛ない会話が続きますが、しきりに彼は膝の上に置いた魚篭を 私の視界に入れようとします。「???」と思いつつも車は林道入り口に到着、彼はまたしても魚篭をこれ見よがしに掲げながら、御礼を繰り返します。もしかしてあの後チョッと竿を出し、チッコいのでも釣ったのかなと思い、爽やかな私は気を利かせ、何か釣れたのか聞いてやりました。だって釣り人って現物にしろ写真にしろ、釣れた魚を誰かに見せたいものですからね。
ここぞとばかりに魚篭のふたを開け、「えーえー、こんなのが釣れました」と彼。えっ?何それ?でかいじゃん!哀れ頭部を岩で一撃されてシメられたイワナが、窮屈そうに横たわってました。「ここにしては大きいかな、まっ、一応{尺}ですから」。
怒っキューん!!!爽やかさんをナメんなよ!
No.002(12/04):管理釣り場にて

ホント渓流ファンにとって禁漁期は悩ましい時期ですね。逆にこの時期が有るから夢と希望が膨らみ、解禁日の楽しさもひとしおなのかもしれませんが。
じゃあ来たるべき日に備え充電あるのみ、ってワケに行かないのが釣り人の性であります。やはり水辺と魚が恋しくって、管理釣り場にいそいそと出かけます。
ただ渓流FFマンにとって管釣りは、必ずしも毎回禁断症状を癒してくれはしません。特に関東地方の管釣りは顕著で、その癒しを阻害する御仁が誠に多く感じます。それは所謂「加賀プロ」や「朝霞プロ」等の各管釣り所属プロ(勿論ギャランティーは無し)で、所属プロとは言ってもゴルフのそれと違い、キャスティングや釣りのアドバイス等は全くしません・あくまでも”自称”プロですから。
このギャラ無しどころか遊漁料を支払う”プロ”の見分け方ですが、沢山居る釣り客の中でも一際釣りまくっているので直ぐに解ります。
彼らは管釣りの受け付けに置いて有るような「おすすめフライ」若しくは同パターンは、あまり釣れない事が解っているので決して使いません。
一年中同じ管釣りに通う”プロ”としてのプライドも有るのでしょう、自分で開発したスペシャルパターンを小難しい命名までして使っているようです。しかし流石に良く釣りますから、何を使っているのか知りたくなるのが人情です。

それではチョッと教えてもらいましょうか。この場合2タイプの”プロ”が存在することに気づきます。怪訝な顔をされ相手にさえしてもらえなかったり、まずは「皿洗いからだ!」的態度を示す職人系”プロ”(彼らは我々にとって無害)。
逆にビジュアル系”プロ”(困ったちゃん)はとても親切で、事細かにアドバイスしてくれます。えっ?さっきアドバイスしないって言ったじゃん!って?失礼しました、本当に親切丁寧なアドバイスをしてくれる”プロ”もいらっしゃいます。
まずはここ○○管理釣り場に通い始めた経緯、時期や曜日によっての難しさ、それを克服すべくオリジナルパターンの「開発」を決意、マテリアルはこれでパターンはあーでフックはこーで、延々・・・単なる自慢話かと気づいた時、何時の間にか営業終了時刻と言う事態に陥っても、当siteの責はご容赦ください。

これらを踏まえて冒頭の癒しを阻害する御仁に話は戻ります。我々渓流派は水辺と魚に癒されたい訳ですから、特に沢山釣りたいとも思わず、手持ちの渓流用ニンフやウエットが主で、せいぜいお決まりのマラブーかはたまた大きなドライまで使っちゃいます。おまけにチョッと飽きてくるとビール片手ですから、スレスレのニジマスなんかたまーにしか釣れません。良いんです、別にこれで。

そんなノホホンな我々の横に不幸にも、大きなマイ・フラシ(水中用網生簀)を持った2・3人の”プロ”が、ワイワイ言いながらお越しになると状況は一変します。えーえーそうなんですよ、この「ワイワイ」で直ぐにビジュアル系”プロ”と解りますね。
所で。
我々はただ管釣り用を別に揃えるのが面倒なだけで、小物や用具がパンパンに詰まった、何時も渓流で使うベスト着ているのですが。
しかし何故かそれを”プロ”がお気づきになると気に触るらしく、猛烈なライバル心を掻き立てられるのか、それとも管釣り”プロ”の実力を見せつけるためか、とにかく普段に増して釣りまくります。もしかして「ビールなんか飲んで、余裕ぶっこきやがって」とも思っているのかも、さっぱり解りませんが。

別に我々にとっては彼らが何匹釣ろうと、どーでもいい事なんですが、それでも飽き足らないのか大声で「やっぱこの○○スペシャルスティルボーンは釣れるな」とか、インジケーターがピクッとした瞬間「うおりゃー!」と雄叫びになり(お願い、驚くから止めてね)、まるでバスフィッシングのようなアワセを食らわせます。
そしてフッキングしなかった場合でもいささかの慌て無く、決まったように”プロ”ご同士で高度な判定を交わされます。「今のは間違いなくヤマメだぞ」・「おー、あの素早さはな」とか、大声で・高笑いしながら・・・
それでもまだ更なる実力を示そうと、更なるご尽力を惜しまないのは流石”プロ”。今度はかけた魚を華麗なロッドワークでいなしながらも、何故か私の目の前で暴れさせ、あわやラインが絡まる寸前でターン!と言う荒業を披露して下さいますのよ。をいをい

いいかげん嫌になり場所を移動しようかと思いましても、休日の関東の管理釣り場は甘くはありません。既に立錐の余地も無く、今回も癒されなかった事に気づくワケですね、やっぱ渓流じゃなきゃダメだって。
管理釣り場よ禁断症状・・・いや、解禁の期待感を高めてくれてありがとう!
No.001(12/03):ロングリーダー・ティペットって

一時期のブームより下火かもの感はありますが、未だにこのシステムを信仰して止まないフライマンも多いのではと感じます。ドライフライを魚に食い付かせる事が目的の場合、それに対する障害の最たるものがドラグであるのは、実際釣りをすると誰もが体験する事と思います。
魚にとって流下して来る浮いた餌と、本物に映った場合の疑似餌(ドライフライ)は、不自然な流れ方でなければ区別無く捕食します。この不自然さを生むのがフライに繋がれたティペットですから、魚を釣る以上結ばなければならないこの邪魔者に、出来るだけご遠慮頂きたい訳ですね。
邪魔者君が走り出しフライを引っ張ろうとしたら、「チョッとあっちに行っててね」がメンディング。足が速そうヤツだなと思った場合、逆にトロくってフライに負けそうだと感じた時、予め彼に色々なハンデを与えるのがトリック(バリエーション)キャスト。そしてテンカラ釣りを見て?ひらめいたオジサンが居ました。「邪魔者君が直ぐ走れないように座らせちゃおう!」、で長糸使いのプロが現れました。
グチャグチャと座らせたり、身体を「曲げて固め」させるには、邪魔者族の中でもひょろ長いモヤシ君に、お手伝いしてもらうのが得策です。ついには8Xとかの細身でありながら、身長20ft以上のモヤシ君を自由自在に操るオジサン。そんな彼を駆使しバンバン魚を釣る訳ですから、一般フライマンはこのオジサンに次々と傾倒して行きました。

斯く言う私も一時期は魚を釣りたい一心で、このシステムに頼り活路を見出そうと悪戦苦闘しました。
が、楽しくないんですよ、確かにドラグフリーには有効でも。また疲れますね、あんな長いシステムは。やはりクルッとターンオーバーして、シュッパっと目的のポイントにフライを送るのが良いな。それと魚を寄せるときティペットまで手繰るのはどーも・・・
じゃあどうすれば良いか、ヘタな私は単純に短くしました。私の良く行く流れが比較的狭い渓流であり、また瀬等の活性が高い魚が潜むポイントを中心に釣るので、最近では長くても全長9ft程度のリーダー・ティペットです。出来るだけポイントに近づき、ドラグフリーが可能な範囲を読み、幾つかに区間分けしてフライを流してます。視力の怪しい私にもフライが良く見えるし、何より魚の反応が手に取るように解るし、そしてラクチン(^^)v
不沈フライしか使わない不精な私ですから、特に何か無い限りティペットも交換しないので、一日の釣りを終えると全長6ftになってた事もしばしば。ですから平均7〜8ftと言ったところ、これでも一応釣れてますからね。ただし遡行中に必ずと言って良いほど出会う、恐ろしく穏やかに見え実は複雑な流れのプールは、例えライズが有っても釣りはしません。だって瀬と違い魚達の憩いの場ですから(^^;

お断りしておきますが私はロング云々を否定している訳では有りません。むしろあれだけのシステムを使いこなし、結果を出す達人には敬意を表したいくらいです。ただ闇雲に真似をしてFFを難解な釣りと感じたり、沢山魚を釣るためにはこのシステムが最適と匂わせる、こんな風潮は如何なものかと思うだけです。

それとこう考えるのはどうでしょ。
結果として同じように釣っても「ごく当たり前の9〜12ftを使った」と、「今回の状況を分析し24ftがベストな選択と判断した」、どちらがプロフェッショナルらしいでしょうか・ね。
↑2001年
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