10月20日 鵜殿のカヤネズミ
淀川の鵜殿(ヨシ原で有名なところ)でTKK自然観察会が主催するカヤネズミ観察会に講師役で参加した。最近、他の自然保護団体などから、私や他のカヤネット会員に、カヤネズミ観察の講師としてお呼びがかかることが多い。それだけ、人々のカヤネズミへの関心が高まりつつあるということだろう、と励みに思っている。
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鵜殿は大工事中だった。阪神大震災の時に国道が使えなくなった経緯から、河川敷に緊急避難道路を建設することになったらしい。TKK自然観察会代表のTさんによれば、工事の影響で、一年前と比べて、20m程草地が後退したとのこと。
それでもなお、堤防から望む河川敷は広大だった。オギの穂が白く波打ち、ヨシが褐色に実った穂を振り立ててさわさわと風にゆらいでいる。その隙間を埋め尽くすようにセイタカアワダチソウが黄色い群落を作っていた。しかし、考えてみたらここはもともと全てヨシ原だったのだ。道路建設工事で川を奥に移動させてしまったために、湿地の乾燥化が進んでヨシ原が衰退してしまった、とTさんは残念そうに話していた。
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鵜殿の一部には、ヨシ原保全のための実験区が設けられている。ヨシ群落の内部に設けられた幅2m程の通路沿いにロープが張られ、ロープの奥のヨシに番号付きの札がかけられていた。TKK自然観察会のメンバーから、ヨシの太さを計っている、と教えて貰った。
実験区のロープをくぐって中に入る。数m進むと、背丈を遙かに越すオギやヨシの中に、直径2mほどの空間が出来ていた。カヤネズミはその小さな空間に生えた、背丈の低いスゲ類にぽつんと営巣していた。カヤにとってはあんまり快適ではなさそうで、既に巣は朽ちていた。
一旦群落の外へ出る。観察路に沿ってしばらく歩くと、周辺に比べてオギの背丈が一段低い一角が出現。むむ、カヤ臭い(笑)。果たして中に入ると、数mも進まないうちにカヤの巣を発見!ありましたよーと叫んで、みんなを集める。周りの草を踏み荒らさないように、一人ずつ巣を見て貰う。小学生の男の子が、こんなに高いところに作るんだー、と感心していた。
その後、みんなで手分けして次々に巣を発見し、午前中の観察で合計8個の巣を見つけた。「あんまり見つけるな、ありがたみが減る!」という声が上がったくらい(笑)。生まれたばかりの子どもが入っていた巣もあったが、子育てに影響するので、中を見ることは遠慮して貰った。これから寒さが厳しくなるが、何とか元気に育って欲しい。
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後日、Tさんからいただいた御礼のメールには「いろいろカヤネズミの話を聞けて良かった、次回は本物を見てみたい」という参加者の声が添えられていた。
機会があれば、また是非鵜殿のカヤネズミに会いに行きたいと思う。