11月5日 子育て奮戦記(その1)

 お久しぶりです。3ヶ月ぶりの更新です。
 本題の前に一言。

 カヤマップの募集開始から2ヶ月、たくさんの情報・お問い合わせをいただきました。厚く御礼申し上げます。
 現在作者がやや過労気味で、全ての方にはお返事が書けていない状況です。申し訳ありません。いただいたメールには全て目を通しており、とても励みになっています。

 情報は11月30日まで募集していますので、カヤネズミ及び巣を発見されましたら、是非お知らせ下さい。
 引き続き、宜しくお願い申し上げます。

 先月から、母親業をしている。といっても、ホモサピエンスではなく(笑)、カヤネズミ属カヤネズミの子どもの代理母だ。

 調査地に向かう車の中で、携帯が鳴った。仕事仲間のKさんからだった。
 「淀川河川敷でカヤネズミの赤ん坊を保護したので、もしよかったら育てて欲しい」という話だった。草刈りで刈られたオギの穂先に巣が付いていたのを発見して、「まさか子どもはいないだろう」とのぞき込んだら、もぞもぞと動いていた、親はいないし、周辺の草は既に刈られていたので、放置しておいてもダメだと思い、持ち帰った、とのこと。

 正直なところ、持ち帰る前に相談して欲しかったが、今更元の場所に戻す訳にもいかない。取りあえず、Kさんと落ち合って、子カヤを見せて貰うことにした。

 小さいプラスチックケージの中に、青々とした球状巣が2つ。そっとケージのフタを開け、子カヤがいる巣穴を覗く。巣内が暗くてよく分からないが、3匹はいるようだ。毛は生えているが、まだ開眼していないので、恐らく生後7〜8日齢だろう。しかし、眠っているのか、それとも弱っているのか、余り動かない。親がケアしなくなってから、どのくらい時間が経っているのか判らないが、離れている時間が長くなれば、それだけ生存の可能性は低くなる。一刻も早くケアしてやらなければいけない。 

 取り急ぎ、Kさんと他数名とともに、自宅へ。巣の中から子カヤを1匹ずつ取り出し、保温用のティッシュを敷いた空き箱の中に移していく。
 「1匹、2匹、・・・・・・まだおるわ・・・5匹?6匹?!7匹!!!」
 うわ〜、お母さん、よう産んで育てたなぁー、と一同感心。

 それにしても小さい。一番大きい個体で小指の第2関節までくらい。寒いのか、不安なのか、7匹は団子状に寄せ集まってもぞもぞと動いている。こんなに小さくては、上手く育たないかも知れない。しかも、代理母ネズミ無しで、完全に人間の手だけで育てることになる。難問は山積みだが、やるしかない。


 考えた末、子カヤは7匹とも引き取ることにした。Kさんは半分育てたかったようだが、巣立ち前の兄弟を分けると保温などの面で心配なので、了解して貰った。

 子育ての詳細については、次回。