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The TOA Large School

芸術学部

なかよしまんがスクール学科


選択科目『転落の歴史・I』


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第一週 彼が@CCSに転んだ訳

第二週は休講です。

第三週 彼のかばんのファスナーが壊れた訳

第四週 そして彼自身も壊れた

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第一週

はじめまして皆様。今日から本講義を担当させていただく土居と申します。よろしくお願いいたします。

さて、皆様は「なかよし」という漫画雑誌があるのをご存知でしょうか。これは、だいたい小学生女子を対象とした、いわゆる少女漫画です。

ところが、まことに由々しきことに、成人男子でありながら、「なかよし」などの少女漫画を主食とする者(いわゆる、「おおきなおともだち」)が世の中には少なくありません。今回取り上げるDOIMOIという男子学生(22)もその一人です。

彼は、はじめからそういう嗜好を持っていたわけではありません(そういうことにしておいてください)。少なくとも21歳の春までは・・・彼はあふたぬーんという青年誌を常食する、ごく普通の学生でした。


DOIMOIのビグッバンは、徳島文理高校卒、当時大学2年生(現在大学1年生・ごめんなさいこんなこと書いて)のAAH氏(仮称)によってもたらされました。

AAH氏は当時、既にかなり老練な「おおきなおともだち」でありました。そのおともだちぶりは、公の場に某レイアースのTシャツを着てきてしまうあたりからも窺い知ることができましょう。


新緑が目に眩しい5月のある日、DOIMOIがいつものようにサークル部屋にやってきます。運命の出会いです。

AAH氏が、「こーれ、たまんねーっすよー、ぜーったいねらってるとしかおもえないってー」と言ったかどうかは定かではありませんが、DOIMOIにある雑誌のあるページを見せたのです。それこそ、なかよし1996年6月号、「カードキャプターさくら」連載第一回の扉絵であります。




!

( この髪型・・・)

( この帽子・・・)

( この漆黒のセーラー服・・・)

( このおてて・・・)

( このおみあし・・・)

( このぴんくのぼう・・・)

( この・・・)

この時のDOIMOIに、果たして欲望に抗う術があったでしょうか。彼はその日の帰り、さっそく吉祥寺東急百貨店9階の紀伊国屋書店へ直行し、「なかよし」をgetしたのでありました。

この吉祥寺の紀伊国屋はその立地ゆえ、夕刻過ぎると客足がぱたりと止むので、その後のItem-gettingの定位置となったようです。


・・・おっと、もうこんな時間ですか。うーん、第一週目にしてこの進み具合だとちょっとレジュメ通りにはできそうにありませんね。まあ、今後の進め方については再考してみます。では今日はここまでです。ご静聴ありがとうございました。


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第二週

休講のお知らせ :

土居助教授は、なかよしのテレカの全プレの応募封筒の中に、80円切手を入れ忘れていたこと(しかも2通出したうちの2通とも)に気づいて、精神を病んでしまったので今週は休講となります。


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第三週

みなさん、こんにちは。前回はこちらの都合で休講にしてしまってすみませんでした。では、さっそく始めましょう。

さて、DOIMOIは、なかよしを買いはじめて以来ただひと月を除いて、毎月2冊ずつなかよしを買っています。これは、講談社の巧みな経営戦略に見事にはまってしまったためでして・・・それは全プレというものです。正式名称は「全員大サービス」です。これは、なかよし1冊につき応募券が1枚ついておりまして、この応募券と定額小為替を送ると、もれなくキャラクターグッズがもらえるという制度です。

ここで注意したいのは、「おおきなおともだち」はまた「コレクター」である確率が大変高いということです。コレクターは、使用用と保存用として、同じ物を最低2つは獲得しないと気が済まないものであります。いきおい、読むのは1冊で十分と分かっていながら2冊買ってしまうことになります。DOIMOIも例外ではありませんでした。

しかしです、ご存知の通り、なかよしは本体の厚さもさることながら、そこにふろくがはさまるとその厚さは極悪です(特に、別冊ふろくの厚さといったら…)。それが2冊です。想像を絶します。

かといって、本屋の薄いビニル袋のままで持ち帰るのは、中身が透けてしまってかなり危険です。そうなると、いきおいバッグの中にしまうことになります。DOIMOIも、そうして毎月バッグにしまって持ち帰っていました。もちろん、バッグははちきれんばかりにパンパンになります。

ある日、DOIMOIはいつものように紀伊国屋吉祥寺店にてなかよしを2冊購入し、バッグに詰めようとします。

「うーん、今月はやたら分厚いなぁ」

などと思いつつ無理矢理押し込んで、ジッパーを閉めようとグイグイ引っ張ると、

バリバリッ

なんと、バッグのジッパーが壊れてしまったではあーりませんか。

しかも、取り出し口と、マチ調整用の両方のジッパーが同時にお亡くなりになったのです。

「うわー、閉まらねーっ!(ガッ、ガッ)」

なかよしの袋と壊れたバッグを手に呆然とたたずむDOIMOIの惨めさといったらもう、涙なしには語れません・・・ちょっと、すみません(ぐすっ)。

(ズズッ)ふぅ、落ち着きました。失礼しました。まぁその日以来DOIMOIは、なかよしの発売日には極力バッグの中身を空にして出かけるようにしたそうです。


むむむ、今回はタイトルから容易にオチが想像できてしまう講義でしたね。次回からはもうすこしひねってみます。


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第四週

みなさん、こんばんは。今日は初めてのナイター講義ということで、いささか興奮しております。

今週から、ちょっとなかよしを離れて、DOIMOIがいかにして「描く」ことに引きずり込まれていったかをお話ししていきたいと思います。

話はDOIMOIの浪人時代にさかのぼります。無論彼は、次こそは進学できるようにと予備学校に通っていましたが、その一方で、他の進路、というのも考えずにはいられなかったようです。実際、お勉強の方は思うようにいかず、どうせ自分は、と投げやりにもなっていましたし。

そんなある日のことです。彼はFRという雑誌に毎月のように見開きで広告を出していた「代々木アニメーション学院」に興味を持ちます。学校案内無料進呈中の言葉に引き付けられ、冗談半分で資料請求はがきを出しました。

1週間ほど経ったころでしょうか。代アニから「箱」、そう、まさに「箱」が彼のもとへ送られてきたのです。その中には、各学科ごとの案内パンフ、講義概要、そしてビデオまで入っていました。彼はマジで泣きたくなったそうです(理由は…)。

しかし、もらってはみたものの所詮は浪人の身。それ以後、たびたび代アニから頻繁に無料一日体験入学の案内状が送られてくるようになったこと以外には、特にことの進展はなかったようです。


まあ、その後なんとか進学も果たし、何事もなく大学2年生になりました。そんな彼に転機をもたらしたものは、さくらとの出会いだったようです。

「漫画が描きたい」

どうしてそういう結論に至ったのかは全くの謎です。そして、漫画が描きたいと思った彼の頭に、続いてよぎったのは、なぜか代アニのことでした。

「体験入学に行ってみよう」

もちろん、体験だけで、本気で入学しようなどとは思っていませんでした。理系の大学生の身で、代アニに通えるわけがありません。

さて、さっそく無料一日体験入学を申し込もうと専用はがきを見ると、お友達も連れていってOKということが書いてありました。確かに、ひとりで行ってもさみしいしなあ、と思ったDOIMOIは次の日サークル部屋に行くと、Kappa女教授に一緒に行く約束を無理矢理させました。


さて、約2ヶ月後の平成8年8月1日、ついにその日がやってまいりました。ふたりは代々木駅改札で待ち合わせをして、いよいよ代アニに乗り込みます。建物の中に入ると、「学校案内はお持ちですか」と聞かれ、昨年、一昨年ともらっていたDOIMOIは、今年はいいやと思い「はい」と答えました。Kappa女教授は素直に「いいえ」と答えました。すると、例のでかい箱を手渡されて面食らいました。

ふたりは教室へと通されると、驚愕をあらわにしました。

「わ、若い!」

そこには、中学生・高校生の初々しいエネルギーが充満していました。当時すでに19歳のKappa氏と、21歳のDOIMOIは、自分たちがいかに場違いであるかを瞬時に察知しました。しかし時既に遅し。体験入学は始まってしまいました。

まず参加者に弁当とお茶が振る舞われました。けっこう立派な弁当だったので、「どこからこんな金が」といぶかしがったようです。

昼食後は、のちにKappa氏が「あれじゃ体験入学じゃなくて学校説明会っすよー」とぼやくほど長々と、学校の説明を聞かされました。Kappa氏は、一食300円の学食の安さにばかり心を奪われておりました。

織田無道のmac教室も終わって、やっと実習に移りました。

指導に当たったのは尾形 琳(しまった、字を忘れた)先生でした。まぶしすぎるデコが印象的でした。

実習内容は「カケアミを取り入れて自己紹介イラストを描く」でした。ふたりは当時一部ではやっていたMortal Kombat2ねたを取り入れて、それぞれにへんちくりんなイラストを描いたのでした。

みんなが描き終わると、次は尾形先生による批評です。TVに参加者の作品を映し出し、先生がコメントをします。中にはすばらしくうまい方もいました。それでも先生はなんとか批評しようと「カケアミが直角でないところがあるのが惜しいですね」などと言っているのを聞いて、DOIMOIは(どうでもいいじゃんそんなこと…)とやきもきしていたようです。

体験入学の予定がすべて終わると更にお土産が配られました。DOIMOIはいよいよ金のでどころを怪しまずにはいられなくなったみたいです。

DOIMOIは、「毎日カケアミをすれば絵が上達します」という先生の言葉を真に受けて、それ以後ほとんど毎日カケアミをするようになりました。そのことをAAH氏に話すと「そーれぜってーインチキっすよー。だいたいカケアミなんて今時手抜きトーンで一発…」と、たいそう馬鹿にされたとか…。


…えーっと、こんなところで『転落の歴史・I』の講義はすべて終了しました。なんか竜頭蛇尾ならぬ蛇頭蛇尾になってしまった気もいたしますが…。

この続きは来学期以降に開講予定の講義を聞いてください…と言いたいところですが、なにせDOIMOIがなかよしまんがスクールに投稿しないことには、話のねたができませんので、しばらくはお休みということにいたします。

では、長い間御聴講くださいましてありがとうございました。


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