●施工不具合と対処法●

6.下地からのアク


以下の4つについて説明します。

1.クロスを剥がしたプラスターボード面からのアク

2.合板や木部からのアク

3.下塗り前にアクを止めておく方法

4.鉄サビ


1. クロスを剥がしたプラスターボード面からのアク

新築間もないお宅の場合は、クロスを剥がしたプラスターボード面からアクが出ることはありませんが、古いお宅の場合は、下の写真のように、黄色いアクが出ることがあります。

▲クロスとクロスの下紙を剥がしたプラスターボード面に下塗りして9割がた乾燥したときの状態。下塗り前に、ボードジョイント部(クロス用のパテが塗られている箇所)にファイバーテープを貼り、全面に水性シーラーを塗っています。
●アク止め方法

このまま仕上げ塗りをすると、仕上げ面にアクが出てきますので、再度、エコ・クィーン専用下塗材〈NGU〉で下塗りをしてアクを止めます。アク止めのための下塗りは、練り水の量を少し多めにすると施工しやすいです(下塗り面が水を吸いますので)。

ペーストタイプで仕上げる場合は、このまま仕上げ塗りをしてもアクはきれいに消えるはずです。なお、鉄サビなどのシミの場合は消えません(無機物は分解できません)。


2.

合板や木部からのアク

シナベニヤはアクが出ませんが、その他の合板からは茶色いアクが出ます。
無垢の木からもアクが出る場合があります。
下の写真は、合板下地に水性シーラーを塗り、シーラー乾燥後に下塗りをした壁。

※シーラーにアク止め効果はありません(と思います。が、アクリル系の水性シーラーを使ってアクが出なかったっことがあります。元々アクが出ない板だったのかも知れませんが……)。

●アク止め方法

再度、下塗材〈NGU〉を施工しすれば、アクは止まりす。そのときの下塗材〈NGU〉は、練り水の量を少し多めにしないと塗りにくいです(アクの出た下塗り面が吸水するため)。

ペーストタイプで仕上げる場合は、時間経過と共にアクがきれいに消えていきますので、このまま仕上げ塗りをする人もいます。


3. 下塗り前にアクを止めておく方法

アク止め液を使う方法があります。でも、うまく止められるか保証できかねます。また、ニオイがきついものもあります。

以前、市販のアク止め液を試したことがありましたが、気温が低かったせいか、いつまでもべとべとした状態で、2回塗布しても、完全にアクを止めることができませんでした(下の写真)。また、左官職の方が使用していたはアク止め液は、強力なアク止め効果が見られましたが、ニオイがきつく、そのニオイが消えるまで時間もかかり、お施主さんが生活されている中でのリフォーム施工では使えないと思いました。

以来、私は、下塗材〈NGU〉を再度施工してアクを止めるという方法を採用しています。

4. 鉄サビ

鉄サビは仕上げ面に出てきます。コンクリート面に鉄筋のサビが浮いていることがあります。また、クロスを剥がしたプラスターボード面の釘頭がさびていることがあります。その場合は、マスキングテープの小片をしっかり密着するように貼り付けておくといいでしょう。