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商品ID−書名−著者名−出版社−発行年−初・再−状態−元価格


C−a037−004
愛蔵版 夏の思い出 つげ義春作品集 中央公論社 1988年
初・帯 B 1240円
★つげ義春の自選作品集である。自作解題の「前書き」から巻末の「自分史」
まで総904ページ、厚さ4,5センチの豪華版。収録作品は、「夢の散歩」から貸
本時代の「忍者絶命」まで全29篇。「ねじ式」は未収録のものの、「義男の青春」
など自伝的作品、「リアリズムの宿」など一連の旅もの、「チーコ」「紅い花」「古
本と少女」などガロ発表の代表作、それに本人もすっかり忘れていたという貸
本時代のSF作品、ハードボイルド、白土三平ばりの時代物と他の作品集では読
むことが難しいレアな作品も収録されている。特に貸本時代のものは、タッチも
石森章太郎風や佐籐まさあき風、臣新蔵風だったりと、作家の苦闘時代の試
行錯誤がうかがわれ興味深い。つげ義春という天才の入門書としても研究書と
して手元に置いておきたい。
 個人的には、作品それぞれよりも、この作品を編んだ当時のつげの心境に
関心がある。彼は自分史の最後にこう書いている。「1988年――51歳。自己否
定の傾向はさらに深化し、一人山奥に棲むことを考えたり、乞食になることを
夢想する。宗教に頼れない自分を知る。仕事への意欲もなく、どうしたらよいの
か分からない」と。近年、ますますその評価が高まり、映画化をはじめ存在自
体がトリビュートされまくっている“生ける伝説”の巨匠の作品は、もはやこうし
たアンソロジーでしか読めないのだろうか。
価格
\1,400
C−a037−005
わたしは真悟 楳図かずお 小学館BC 
昭和58年 初 B 全10巻セット 各480円
★楳図先生というと思い浮かぶのは、痩身に常に同じ白地に赤のボーダー長
そでTシャツだ。関川夏央が書いていたが、評論家の津野梅太郎氏もまったく
同じファッションをしているらしい。なんでもこの縞柄Tシャツは60年代に流行し
たそうで、人は若いとき出会い選んだファッションセンスに生涯規定されてしま
うのだそうだ。だからいいお歳だと周囲は思うのだが、当人は、何ら気にせず
若いときのままお気に入りの格好をしてしまうのだ。話は変わるが、マスダの
女友達の“まあたん”から電車の中で楳図先生に会った話を聞いた。なんでも
先生は中央線沿線に住んでいるそうで、彼女は何度も車内で見かけていた。
先生は自らよくマスコミで、「僕を見かけたら、遠慮なく“グワシ”をしてくれよ」
などと言っていたので、いつか先生に直接、“グワシ”をしようと思っていたが、
なかなか恥ずかしくてできなかった。でも、先日、とうとうまた出くわしたので、
恥ずかしかったが勇気を出して思い切って先生に近づいて念願の“グワシ”を
した。そしたら、楳図先生、びっくりしてうろたえたものの、恥ずかしそうに“グワ
シ”を返してくれたと言う。でも顔はすごい真っ赤だったそうだ。この話を聞いて
僕も、よし楳図かずおに会ったら絶対“グワシ”をしてやる!と誓ったが、未だ
なかなか出会えず、赤い縞柄のTシャツを着ている人を見つけては近づいて
確認しているが、先生と“グワシ”の交換はまだ果たせずにいる。
 本書は82年にビックコミックで連載開始された、80年代の楳図ワールドの
代表作。当初は『まことちゃん』的な軽いノリでスタートした内容が、しだいに
サイバーパンクな壮大な展開へ。そしてその世界は最後の大作『14歳』へ続い
ていく。先生は95年以降実質的休筆状態に入ってしまいテレビタレント的にCM
やバラエティなどで姿は見かけるものの、新作はつげ義春状態となってしまっ
た。でもまだまだお元気なのだからぜひとももう一度現役に戻って、“生きてい
る化石”ではなく、最後にもう一花も二花も咲かせてほしいと願って“グワシ!”
価格
\4,000
C−a037−006
気分はもう戦争 矢作俊彦/大友克洋 双葉社AC(A5判)
重版 B 830円
★大友克洋に関しては説明はいらないだろう。手塚治虫と並ぶ日本マンガ史の
革命的天才。彼が存在しなかったら日本の、いや世界のMANGAは今とは
姿を大きく変えていただろう。それまでのマンガ、劇画とはまったく違った超
リアルな人物描写、そして圧倒的、正確無比の構成力。世界的に今日でも
多くのフォロワーを生み出している。彼の影響力の大きさは測りしれず、彼の
タッチこそが現代のマンガの礎となっているのだ。パリでもスゴイ人気だった。
だが残念なことに彼もまたつげ義春状態? まだまだ老け込む歳ではない。
もっともっと仕事をして欲しい。まあ、彼の方法論の行きつく先はもはや、紙の
マンガではないことも理解できなくもないが。初版は1982年。彼の登場した
「漫画アクション」を囲んで当時、下宿の学生達は驚き沸き立っていたことを
鮮やかに思い出す。すべては彼から始まったのだ。
価格
\400
C−a037−007
[鉄の要塞]を攻略せよ!ノルマンディー上陸作戦 小林源文ほか
 ボムコミックス49 日本出版社 平成7年 初 B下 880円
★大友克洋のフォロワーは数限りなくいるが、その中に小林源文がいる。主に
専門誌(何の?)でコアな戦記物、軍事マンガを描いている作家だが、アメコミ的
擬音を多用し、それなりにリアルな雰囲気を醸し出すことに成功している。本書は、
第二次大戦中、連合軍のフランスのノルマンディー海岸上陸作戦を史実を元に
描いた同傾向の漫画家たちによる連作集。他に、かきざき和美 小林たけし ひ
びきゆうぞう 近藤和久 さいとうかずと 橋本純 砧大蔵が執筆。巻頭に戦車・
キングタイガーのジオラマがカラーグラビアとして載っているし巻末にはイラスト図
解「世紀末の要塞論」なる読み物もある。それにしてもわからない、ある種のマニ
アの世界なのだろうが、マスダにはまったくわからない世界。要するに軍事マニア、
戦争オタクってことなんだろうか。
価格
\300
C−a037−008
狼の砲声 小林源文 大日本絵画 1992年 初・帯 B 880円
★模型雑誌など専門誌を舞台にコアな軍事マンガを発表し続ける小林源文。これ
もまたマンガ表現のひとつだとは思うものの、戦争、いや戦場を舞台にした絵物語
に過ぎないのではとの疑念がわく。絵はうまいと思うが、いかんせん動きがない。
その動かない絵をアメコミ的擬音で大仰に表現している。マニアにはそれでOKな
んだろうが何か物足りない。一度でいいから戦記物などの非日常ではなく、一般
社会を描いた日常的マンガを読んでみたい。谷口ジローのような味わいが出るの
ではないか。※当店には他にも小林の同工異曲の作品集が何冊もあり非常に処
分に困っている。沖縄の爆発自衛官の墓前に供えるしかないのだろか。
価格
\400
C−a037−009
クマのプー太郎 全5巻セット 中川いさみ  小学館
1991年〜95年 重版 B 各980円〜1080円
★ビッグコミックスピリッツ誌で長らく連載を続けている中川いさみの代表作。彼も
一種の天才系の作家だと思うが、スピリッツにはもっとスゴイ天才、吉田戦車が常
駐していることが多いので分が悪いようだ。だが、スピリッツ以外で彼の居場所が
あるかと考えると難しいように思える。絵もうまいしセンスがある。もっと評価されて
もいいと考えるが…。ギャグマンガとしては、今日読み返すと笑えるかどうか疑問だ
が、紛れもない中川いさみワールド。絵本のような丁寧でしっかりした作りに好感。
ファンの方、愛蔵版としてオススメする。5冊セットでこの価格。お買い得です。
価格
\1,500
C−a037−010
宇宙戦艦ヤマト・二冊セット 松本零士 秋田書店 豪華版
 平成4年 初・帯 B 各1100円
★説明はいらないだろう。アニメ化され映画も大ヒットしたSF、戦争マンガの巨匠・
松本零士の代表作のひとつ、その原作本である。主題歌やストーリーは誰でも知
っているが、テロップに松本零士が原作・設定などと記されてあるものの、肝心の
原作マンガは店主は読んだことなく、てっきりキャラクター設定だけしたものと思
い、それが存在していることも知らなかった。元々は74年〜75年にかけて月刊漫
画誌「冒険王」に連載されたもので、戦艦大和をリフォームして地球を救うため惑
星イスカンダルをめざす設定はこのとき既に完成されていたことがわかるが、アニ
メ版に比べ非常にあっさりとした筋立てとシンプルな展開にちょっととまどう。これ
が松本の持ち味と言えばそれまでて゜、個人的には、「男おいどん」などの私小説
ならぬ私マンガの方が馴染み深い。でもこの作家の、今読んでも古くさいようで新
しく、斬新のようでどこかレトロな感覚は全然変わっていない。日々アップデートを
余儀なくさせられる漫画界にあってこれはこれでスゴイことだと思う。マイペースを
貫き続けたら時代が追いついてきたということか。※2巻目に帯の破れ有り。
価格
\1,400
C−a037−011
3歳児くん1.2巻セットで いがらしみきお スコラ 1990年
 初 B 各1300円
★大ヒット作『ぼのぼの』で知られるいがらしみきおは一種の天才だと思うが、好不
調の波が大きい人で、近年はあまりそのマンガを見かけなくなった(ようだ)。たま
に鳴り物入りで連載が始まっても何かイタくて読み通せない。正直なところ、彼の
マンガは面白いのか、もうよくわからない。わからないというのはつまらないという
意味ではなく、そもそもギャグマンガにおける“面白い”という定義がなんだかよく
わからなくなったということだ。昔読んだときはスゴク面白かった記憶があるのに、
今読み返してみると全然笑えないことがよくある。あるいは当時はつまらなかった
はずなのに今読むとすごく面白いということもある。いがらしみきおという作家、ギ
ャグ作家だと捉えるとほとんど笑えない。でもそうした“括り”を外して、ただの
“作品”として読んだ場合、これはこれでなかなか面白いと感じる。ハマルとたま
らないかもしれない。そんな不思議感覚がいがらしワールドなんだと思うが、最近
はまたそれとは別な傾向に彼は向かおうとしているのかも。3歳児とはこんなもの
なのか子供をもったことがないので実感はないが、本書は「クレヨンしんちゃん」の
裏もの、静的しんちゃんのように読みとれる。1巻目の表紙に破れ有。
価格
\700
C−a037−012
道徳の時間 辛酸なめ子 三才ブックス 2003年 初・帯
B 1000円
★当今話題の人気漫画家辛酸なめ子である。いかにもガロから出て
きた絵柄とそのペンネームにちょっと最初はひいてしまう。彼女は武
蔵美のグラフィックデザイン科卒業だそうだが、絵はヘタウマどころか
あきらかに電波系だし、公衆便所の落書きのようでもある。内容もホ
ントいっちゃってる危ない感じがする。が、読み込むと、きちんとオチ
を落としているし死ぬ前のねこじるや山田花子のように破綻もしてい
ない。そこで考えた。これは、初期のデビッド・ボウィーがジギー・スタ
ーダストと扮したような営業用別人格ではないのか。この世に本当に
辛酸ナメ子と言うペンネームを名乗れる漫画家は知る限りサイバラし
かいないはずだし、実際、彼女の漫画からはどこからもサイバラほど
の凄みと開き直った覚悟は伝わってこない。あくまでも軽やかだ。一
言で言うと育ちはいいがヘンな趣味のお嬢さんと言う感じ。。それでも
マンガは? 僕マスダは面白いと思う。ヘンだけどなかなかよくできて
いる。ともかく何がヘンだかもう僕はよくわからなくなったよ。
価格
\500

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