電脳短歌イエローページ
1998年2月から「電脳短歌イエローページ」という短歌関連のウェブリンク集を運営している。加藤治郎、穂村弘とはじめたエスツー・プロジェクトの企画の柱のひとつである。現在、大幅なリニューアルのための準備中で、完了すれば掲載件数は約250件となる予定だ。短歌人口が100万人という話を聞くと、掲載ウェブが250件というのはいかにも淋しい数字に思えるが、知られているリンク集の中で、これが最大規模であるのはまちがいない。

「電脳短歌イエローページ」のURL
http://www.imagenet.co.jp/~ss/yp/

開設以来すでに二年を過ぎているが、非商用のリンク集という、ほぼ何の見返りもないウェブの運営のためのモチベーションを維持するのは、かなりつらいものがあった。掲載については、丁寧かつ慎重に制作者たちとコミュニケーションをしながら進めていて、好意的に接してくれる人ももちろんいたが、なかにはわがままな注文やクレームを出す人もいて、それが集中すると、しばらくパソコンのモニターを見る気にもなれない日が続いたりした。

ネット上の短歌が盛んになればいい。それが自分たちの活動の枠組みをどこかで必ず広げてくれることになるから。念じるようにそう呟きながら、ほんとにそうなるかどうかわからない目標に向かって細々と継続して来た。けれど、どうもこの半年くらいの間に、ネット上の動きに異変が出はじめているように感じる。動きがかなり激しくなっているのだ。掲載についての問いあわせメールなども、以前に比べて格段に増えている。ほんとの意味でのネット短歌の時代が来るまで、あとわずかかも知れない。

ちなみに、短歌関連のウェブリンク集には、電脳短歌イエローページ以外にもさまざまなものがある。どのような経緯でできたものでも、ネット上での短歌を盛んにしてくれればいいと思って、電脳短歌イエローページから情報をまとめて引き写したりする行為にも完全に眼をつぶっているが、良質だなと感じられるリンク集が、小林信也さんの運営するものただひとつであるというのがとても淋しい。ネット短歌の時代を支えるための基盤は、まだ整っているとは言い難い状態かも知れない。

「小林信也の短歌のページ」およびリンク集のURL
http://homepage1.nifty.com/kobayss/
http://homepage1.nifty.com/kobayss/lk.htm