1992年 沖積舎 定価1500円 装釘/藤林省三

装画/江口寿史「ストップ!! ひばりくん!」より(集英社提供)

ウッドストックの憂鬱/私の魔法陣の彼方へ/おお偉大なる数学よ!/

ポポポポニアに御用心/αの麒麟、ωの犀/QはQ日のQ/犀の卵をめぐつて/

結婚まで一〇〇〇マイル?/日本空爆 1991/火星人的憂愁/あるまじろん/

ペルモスペニア通信/琺瑯者気質/ぶたぶたこぶた 1992

ボクに出口ヲ!と荻原裕幸は叫ぶ。「新しさ」や「軽さ」「逸脱」や

「異星人」や「他者」や「外部」やつるつるの「琺瑯者」・・・・

出口ばかりでてきた世界には出口がないからだ。

『あるまじろん』はきっとあなたを

別の歩き方へ誘ってくれるだろう。 ───瀬尾育生

 

プテラノドンが例へば第二象限に棲むなら街も楽しいだらう
(結婚+ナルシシズム)の解答を出されて犀の一日である
恋人と棲むよろこびもかなしみもぽぽぽぽぽぽとしか思はれず
ビジネスマンの疲労とわれの倦怠とαの麒麟を詰めて電車は
OLの行動原理はほのぼのと(アンデルセン+吉田戦車)だ
どのやうな花か憶えてゐませんが今の気分はジギタリスです
戦争が(どの戦争が?)終つたら紫陽花を見にゆくつもりです
木星のビスケット(何?)が懐かしい記憶の壜に残つてゐます
鬯鬯鬯鬯と不思議なものを街路にて感じつづけてゐる春である
春の日はぶたぶたこぶたわれは今ぶたぶたこぶた睡るしかない

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