トリアージ 太陽はまた昇ってきた そしてそこに 君がいてくれれば Missing Missing Missing どこに行ってもその張り紙でいっぱいの 現実が真実を語っている 負傷し 疲弊し 安寧を求め 再会を祈っても 一度は憎んだその土地で 永遠に憎むかに思えた人々の 傷を見て 脈を取る ガーゼを当てる 突然愛する人を失った心は 空虚と焦燥 怒りと無力で 永遠の意味を失う 一瞬のその土の蠢きで 埋まらない心に当てるガーゼはない ただ脈を取り 心に寄り添う でも聞こえるのは 「何故だ 何故だ 何故だ」 そんな叫びの中でも この臭いに耐えかねる悲しい嗅覚がある 人が死ぬということは 美しくはないんだよ 救いなのは温かいことだったけれど それはからだを早く腐らせた 協定の中でしか動くことができないから 軍隊が着いたら 私は手を引くのさ でもそれまでは 一度は憎んだその土地で 永遠に憎むかに思えた人々の 傷を見て 脈を取って ガーゼを当てて ときには 当てることのできないガーゼを 黒いカードに持ち替えて 太陽はまたしても昇ってくる そしてそこに 君がいてくれれば 奪われた涙と 憎しみの方向を 今度こそ違いを越えて理解しあえるか 人類につきつけられたこの戦場で |
Photo by Noi