ツァラトストラは逝く



あなたは恋を終える時
もう二度と
あんな風には人を愛せないと思う



J.Wのピアノの
3分05秒からの10秒のフレーズが
何よりも好きなことを
わかってくれるのはあの人しかいないとか



他の人には通じない
二人にしか解からないジョークがあったことを思い出しては
それを他の誰かにも使うべきか否かで
心を暖める




どうして終わったのか分からずに
何を忘れれば健全に前へ進めるのか
とにかく色々なヒーリングに手を出して
何?
”大いなる自己”?



行きつけのbarのママに言われる
”より良く忘れるには2年が必要よ”
許すことの学びとか
アカシック・レコードの存在とか
必要な経験だったとか




でも4年経つのに
忘れられないことがある
あの人の声も指も
受肉へと導いた唇も忘れたのに



いつでも どんな時でも
手を延ばせば共有できた出来事
おなかをこわした時にかかってきた電話を
トイレの中で受けたこととか




分かち合えた時に記憶を這わせ
今 independenceする
あなたはあなたになって
またいつか
落ちる恋を思う




今度は
何もかも投げ出せはしないかもしれない
”信じることが愛じゃない”なんて
したり顔して云うかもしれない



親だって
子を信じられない日々を背負い
御託を並べ続けることを
やめられなくなる




引きずり込まれているようで
そうでない覚醒
これが本物の孤独かと
確信する本能がある



眠れないのは何故か
愛するのは何故かと考えるのに似たり
本物の孤独とは
本物の人間になるということに擬似たり



孤独でなければ
生きるということに
値しはしないのだ
なんてニーチェ張りに




それでもまた陽は昇る
あなたが望まなくとも
またあの波が来ようとも
無神を誓った救いなき日々でも




分かち合えた時に記憶を這わせ
今 independenceする
あなたはあなたになって
またいつか
落ちる恋を思う



 

 

 

 

Picture by Syaraku


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