暗黒は時折

 

 

   
空気が停まった
時間の流れているのは錯覚

あの夢も来やしない
あの思惑も運びやしない

だから刹那を見るしかない
すぐに手元に掴むしかない
準備や支度に
時を貸せない







 

夕暮れざわめく
虫の吐息の頃
紅すぎる太陽と
限界を憎む
将来を忘れる


 









沈殿を食らって
時は必ず先を運ぶ

そういうことがどこか遠くで
取り仕切られてるもののような

取り残されて
後悔されて
ぞっと怯えて
黒になる
   
 

 

黄昏慕情
Photo by Iori


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