ヘービス(温泉池)

早朝の温泉池。逆光だけどその美しさがわかってもらえるかしら。

●ヘービスの朝

前日くたくたに疲れていたのに、朝になると温泉池の興奮で全員早起きした。
特にごまち。大興奮である。
朝食の後、温泉池をさがしにホテルの周囲を歩いてみることに。
なんと!前日の夜は暗くてわからなかったが、本当にホテルのすぐ後ろに温泉池はあったのだ!

温泉池はまだ朝はやすぎて開園していないようだ。
池のまわりを完全に柵がしてあって、池にはいるのに入浴料がいるらしい。
その柵の外からとった写真が上の写真。
逆光だが、かなり美しい池の姿に期待も深まる。ベンチシートがたくさん並べられていて、ガイドブックでみたとおりのへんてこな建物もみえた。池の最も深いあたりにそのへんてこな建物が建っているらしい。

温泉池の周囲はきれいな花壇ももうけられていてちょっとした公園の様子だ。小さい川が流れていて、(というよりどぶのようだが)、そこから湯気がたっている。そっと触ってみるとあたたかい。池にめだかがたくさん泳いでいた。

ホテルからの最寄りの入り口。他に正面からの大きな入り口もある。
料金表はブタペストの温泉と同じデポジット方式。
池から流れていると思われる小川からは湯気がたちのぼっているのがみえる。

どこにこんなにたくさんの人たちが泊まっていたのかと思うほど、たくさんの人たちが浮き袋を持って集まってきていた。みんな開園を待っている。長期滞在で温泉療法をしてゆったり過ごしているようだ。

●温泉池

いったんホテルに戻りチェックアウトをし、車を午後までとめさせてもらえるようにお願いをして、いざ、温泉池へ!

まず、入り口で料金をはらい、やはり更衣室が離れるのは怖いのでキャビンを予約。浮き輪とタオルは中で借りられるとのこと。

お父ちゃんが浮き輪とタオルのレンタルの料金を払っている間、口をあけて巨大なぷーるにみいっているごまち。キャビンは遠くて、渡り廊下のような通路をずっと先にいったところだった。
右の写真はその通路だが、左側に少しみえる部分が男女にわかれた更衣室。



中にはいると、公園の中のまさに池。まだ朝早かったので、人がまばらだったものの、ぞくぞくと集まってきている様子であっという間にいっぱいになってきた。
キャビンのある場所を教えてもらってどんどん奥まで歩いていくと体格のいいおばさんがキャビンの案内をしてくれた。このおばちゃんは、ごまちをとても気に入ってくれたみたいで、その後も何度もごまちに声をかけてくれたりした。
今度のキャビンは日本でいえば海の家の更衣室のような場所。木でできていて、隙間だらけだったしおせじにも立派な建物とはいえない。人も一人はいればいっぱいになってしまう。3人一緒は無理だったのでお母ちゃんとごまち、お父ちゃんに分かれて順番に着替えをすませ、いざ温泉池へ。

レンタルした浮き輪はまさにタイヤのゴムチューブのようなもので、それにつかまりややぬめった階段をおりて行く。意外に水温が低い。日本で真夏にプールにはいればあたたかく感じることもあるが、その程度の水温。決して温泉とよべるようなほかほかしたものではない。
蓮の花がいたるところにさいていて、花の間を泳ぐのは気持ちがいいのだが、根っこが足にあたると気持ち悪い。
かなり深いらしく足は全然たたないので、最初なれるまではかなり恐怖感があった。なにしろ、ごまちが一緒である。
ごまちはおとなしくゴムチューブにつかまって神妙にしている。そのごまちの体とごまちのゴムチューブを力をこめてつかみながら少しずつ前にすすむ。こつさえつかめばなかなかおもしろい。
だんだんなれてきて、池の中央にむかってすすむ。池の真ん中でのんびりぷかぷかしながら周囲の景色をながめていると、なんだか不思議な気分になる。日本であくせく仕事していたことや、つまらないことでいらいらしていたことがちっぽけに思える。お釈迦さまもこんな蓮の池で悟りをひらいたのかしら。などと馬鹿なことを考えたりして。。。


ごまちと一緒に交代で写真をとりました。
カメラ、ビデオは一応貴重品なのでキャビンにいれて鍵をかけていたのですが、撮影の時だけ外にだしました。

池のなかからの景色を撮りたかったなあ。。。


中央にある建物を探検しようといったん岸にあがり浮き輪を持ってぺたぺた歩く。岸にあがると寒い寒い。中で泳いでいるうちはまだいいのだが、池の水温が低いため、濡れたからだで外を歩くとかなり寒く感じるのだ。中央の建物はスパの様子で、エステをうけたり温泉療法の人がメディカルチェックをうける場所のようだった。建物内のいくつかの場所はややあたたかくて、一カ所人口密度のやけに高い場所は塩化ビニールで外の空気を遮断して温泉池に入れる場所だった。なんだか湿気がこもっていてあまり気持ちよくはないのだが、やはり寒さでつらい人たちは必然的にここに集まってきてしまうのだろう。
観光用の絵はがきには、真冬の雪が降っている中温泉池につかっている人の写真があったが、この空気を遮断した場所ならば、真冬でもひょっとすると入れるのかもしれない。

お父ちゃんとお母ちゃんが寒いということはごまちはもっと寒く感じているはず。お母ちゃんはタオルを一枚だけ持参していたので、それをごまちにかぶせて歩き回っていたが、そのあたたかそうな場所でもう一度お湯の中にはいることにした。
ちょっと震えながらもごまちも巨大なぷーるにうきうきしていたので大喜びのはずだった。
しかし、である。
なぜか黙っているなあ、と思っていたら、2度目に温泉池にはいったときにごまちは、『おしっこ』といいはじめてしまったのである。
このとき、我々家族は寒くて仕方なかったので、もう一度沖にあがることは誰もがつらく感じていた。
というのはいいわけである。
お母ちゃんは日本語が周囲の人に通じないのをいいことに、『そのまましてしまいなさい』とぼそっと言ってしまった。ごまちは困った顔をして、『おしっこ、おしっこ』とゴムチューブにつかまりながらばたばたしている。困ったなあ、と思い、やはり教育上よくないことだし、沖にあがってトイレを探すか、としぶしぶ思い始めたころ、突然ごまちは『あっ』と言って黙ってしまった。
すでに粗相が終わってしまったのだろう、ごまちは泣きそうな顔をしてゴムチューブにつかまっていた。今後のためとごまちの自尊心を守るために、そして怠惰な親の自分自身の言い訳のために、ごまちに言い聞かせた。『プールの中でおしっこしてしまったらだめなのよ。だけど、ここは池だからいいのよ。』ごまちが池で泳ぐことは日本ではあり得ないだろう。
    
せり出した場所ではのんびり軽食を食べながら日光浴を楽しむ人たちがいた。
キャビンからみた池。みんなゆったりのんびりしている。


さて、そろそろ時間が心配になってきて、最後に中央から温泉池を泳いで横断することにした。
これが意外にたいへんだった。
けっこう距離があるのだ。しかも全然足がたたない。
といっても途中までは緊張したが、特に問題なく泳ぎきり、キャビンへもどった。
先の太ったおばちゃんがしきりにごまちが寒いのではないかと心配してくれていた。

やはり池だけあって藻や砂で体が汚れていたので、シャワーを浴びて(このシャワーがまた寒かった)、着替えて、十分満足して池を後にした。
今度はデポジットの払い戻しはあまりなかった。
3時間ぐらい滞在していたと思う。

帰り際に子供連れの人をみかけた。この池で初めて子供連れの人をみたのでほっとした。
3時間の滞在中他に一人も子供をみなかったからだ。ひょっとしてハンガリーでは温泉に子供を連れてくる人はあまりいないのかしら、と不安になっていたところだったのだ。
(とはいえ、子供用のゴムチューブがあったのだから、子供禁止だはないのだろうが。)
日本では子供を連れて行けない場所はないほど子供連れが幅をきかせているが、外国では子供を連れて行ってはいけない場所が多いので、結構気を使う。。。


温泉池の前の散歩道と池の地図。
真ん中に建物があってそこへ桟橋のような通路がついている。
真ん中の建物が温泉療法の建物。




とっても楽しかったが、やはり泳ぐと体力を使う。我々はこころなしかぐったりして温泉池を後にした。ホテルに停めてあった車に乗り込み、いざ、今日こそハンガリーを出国するぞー。



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