●ブタペスト出発
2日間滞在したブタペストを後にして、いざ、リゾート地バラトン湖へ。●Herend
この日の目標は、バラトン湖近くにある、ヘレンド陶器の工場の見学をすることとヘービスという、湖まるごと温泉に行くことだった。できればこの日のうちに クロアチアに入国したかった。
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片側2車線の幹線道路。しかしブタペストから10分も走らないうちに田舎道にかわる。
ブタペストから郊外にでる道は意外にも混雑。朝の通勤ラッシュにひっかかってしまったようだ。高速道路の渋滞を抜けると今度は辺鄙な田舎道でスピードがだ しづらい道になった。天気は上々。むしろ暑いぐらい。1時間ほど走ると、大きな湖がみえた。バラトン湖だ。
ヨットハーバーがあったりして、リゾートっぽい。旧東側とはとても思えないブルジョワな風景が続いた。
ブタペストからバラトン湖にくると、道は南回りと北回りの道に分かれる。Herendに行きたい我々は当然北回りの道へ。湖の北側の方が、 BalatonfuredやTihanyなどリゾート地が多い。ガイドブックによると、Balatonfuredなどは、19世紀の貴族や政治家の避暑、 療養地だったらしい。ヨットハーバーなどのとてもブルジョワっぽい景色がガイドブックには載っていた。
そのBalatonfuredを横目にみながら一路Herendへ。Herendはバラトン湖から少し北に入り込んだ場所にある。こんな辺鄙な場所に行く 人はなかなかいないだろうなあ、というような田舎の一本道だった。
さて、目指すHerendに到着すると、なんだか田舎にこつ然とあらわれたOutlet Molのように近代的な建物と巨大な駐車場があった。大きな観光バスもとまっている。農協ツアーご一行様のような、日本人のおばさま方が数人、駐車場の前 でお互いに写真をとりあっていた。久しぶりにみる、ザ・日本人観光客だあ。さすがブランド店だ。
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Herendのエントランス。突然開けた場所に大きな駐車場と観光バス、団体さんも数組いた。
そして、ブランド大好きのお母ちゃんもわくわくそわそわしながら、またもや「おしっこ」とのたまわうごまちをせかせながら中へとすすんだ。
意外と質素なつくりの工場とショップ。奥には展示館。直営店と喫茶室はアメリカのお金持ちが好きそうなハイソな雰囲気だった。(おいおい、共産圏の心意気 はどうした!?)
高価な買い物をする気がないお父ちゃんとお母ちゃんは、絵はがきやロゴ入りの野球帽(お母ちゃんは旅行のたびに購入するので半ば集めているような状態)を ビジターセンターで購入しようとした。そこで尋ねると、工場見学は意外と入場料が高額だ。しかも時間制なので、いつもながら個人で何の計画性もなく適当に きている我々には、次のツアーの時間までずいぶんと待つことになる。そこで展示館のみ入館することとした。展示館の入り口でチケットを出すと、「またブラ ンド好きの日本人があらわれた」といった顔をされた。(お母ちゃんの深読みしすぎか?)
展示館の中はどうということがない、Herendの作品がずらっとならんでいるだけ。うーん。陶器のすばらしさはお母ちゃんにはよくわからないからなあ。 ただ、皇妃エリザベートやメキシコのマキシミリアン皇帝など、オーストリア皇室の有名人に使用されていた陶器が展示されている部屋は結構みごたえがあっ た。それぞれの個人の模様がきまっていて、どの食器にもその模様がほどこされているそうだ。エリザベートの使っていたのはかなり東洋的な模様で、日本人の 好みからはほど遠いものだった。しかし、オリエントな雰囲気を楽しみたいヨーロッパの高貴な人々には、こんな模様がうけたのだろうなあ。。。なんだか九谷焼のような模様だった。
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左がエリザベートが使っていたもの。右がマクシミリアンが使っていたもの。
ちなみに館内写真は撮り放題。
実際、Herend陶器はもともと日本人の好みにはあまりあっていないと思う。だからもっとヨーロッパヨーロッパしたマイセンやロイヤルコペンハーゲンに 比べて日本での紹介が遅れたのだと思う。しかし、そういった誰もが知っているブランドではなくて、「私はみんなとはちょっと違うのよ」という雰囲気をかもしだしたい人が購入するブランドがHerendだと思う。(と考えるのもお母ちゃんの深読みのし過ぎだろうか?)お母ちゃんが初めてHerendというメー カーを知ったのは、おばあちゃんが購読していた家庭画報の中のグラビアで、海外通といわれるハイソな人たちのお宅拝見などのページを読んでだった思う。よ く知られたブランドではなくて、ちょっと個性的で繊細で、とてもかっこよくみえたのだ。
ただ、最近では近所のカルフールでもウエッジウッドなどのブランド安売りコーナーの隣で見かけるようになったので、がっかりである。ビジターセンターで再び日本人ご一行様とすれ違ったが、彼らは明らかに日本のお金持ちのマダムたちだった。中には明らかなシロガネーゼ風のお友達どおしの人たちもいたし、お母さんと娘のペアの人たちもいた。みんな海外ブランドのお買い物に夢中に なるタイプにみえる。そして彼らの中に男性の姿は一人もみなかった。今ごろはご主人方は汗水たらして働いておられるのだろうなあ。。。と涙ぐましく思っ た。うちは共働きだからそのあたりの感情は少し複雑。そんな贅沢を許してくれるご主人と結婚した女の魅力には脱帽するが、「私はちゃんと自分の足でたって いるのよ」と胸をはりたい気分でもある。しかし、やっぱりちょっぴりうらやましい。
そんなこんなで、ブランドや贅沢に対する複雑な感情があるので、ここまで来ておいて実際には購入する気はさらさらなかった。しかーし、である。併設の ショップでの値段をみて心が大きく動かされてしまった。日本でのおおよその値段を知っているばかりに、半額以下の値段についつい物色を初めてしまった。ここまできたのだから、と自分とお父ちゃんにいいわけしながら、もう、目は血走ってきてしまった。
ショップの売り子さんたちは、他には誰もお客さんがいなかったにもかかわらず、明らかにお金のなさそうな我々家族には目もくれずにおしゃべりをし続けてい る。ごまちが走りまわるのはかなり迷惑だったらしく、逆にちょっと相手をして遊んでくれたりした。
ずいぶんと迷った挙げ句、日本人受けのする(そして私も大好きな)ヨーロッパの薔薇シリーズではなく、もっと東洋っぽいインドの竹シリーズの最も凝っ た模様のカップ&ソーサーを選ぶことにした。お父ちゃんが、「日本で買うより安いのなら、どうせだからもう2ペア買ったら?」と言ってくれたので、またさんざん迷ったのち、東洋風の鳥の模様のものを2ペア購入することとした。一つはロスチャイルド模様で、もう一つはハンガリーの国鳥といわれる鳥の模様だっ た。(それがなんと言う名前の鳥なのかは不明。説明してもらったがその鳥の名前の単語は知らなかった。雷鳥に似た鳥だ。お母ちゃんは富山出身なので富山県 の鳥である雷鳥には思い入れがあり、購入をきめた。)さて、ほくほくしながら、それでも結構高額になった金額の支払いをすませ、「旅行中だろうから丁寧に包みますね」と いわれつつ、日本では考えられないような雑なラッピング(模造紙をまきつけただけ。)を横目でみながら、Tax refundの書類をそろえてもらった。このTax refundと雑なラッピングで後に苦労することになる。。。
予想外に時間のかかったHerend滞在に、お父ちゃんからぶつぶつ言われながらHerendを後にし、再びBalaton湖畔の道へもどった。その道がこのあたりの幹線道路になる。(といっても県道程度の広さの田舎道だけどね。)
時刻は午後3時ごろだろうか。すっかり食べ損ねてしまった遅めのお昼ご飯をどうしようか、といいながらのどかな田舎道を走った。ほんとうにのどかすぎて、レストランの一件もみあたらない。ここからずっと湖畔の道を南下することになる。Balaton湖は水面がきらきらしてとてもきれいだった。湖に突き出た半島の先にTihanyという、小さな町があるらしい。特徴的な2つの塔をもつ教会のあるその町は、リゾートの町としてちょっとした観光地であるらしい。
いいかげんお腹がすいて仕方のなかった我々は、本線からちょっと寄り道して行ってみることにした。