favorite tunes and albums*16


Aretha Franklin : Lady Soul


アレサ・フランクリン・・・名前はよく聞いていたし、雑誌の記事や小説でも何度か目にしたことはあったが、ぼくが初めて彼女を見たのは、映画「ブルース・ブラザーズ」だった。

それから彼女の曲を意識して聞くようになってみると、さすがに大物というべきか、いつどこで耳にしたのか、聞いたことのある曲がたくさんあって、そうか、これがアレサだったのか、そうか、こういう音楽をリズム・アンド・ブルースというのか、ソウル・ミュージックってのはこれのことだったのか、という具合に、やっとたどりついたぜ、という感慨を、その都度味わったものだ。

日本のポップスだろうが洋楽ロックだろうが、おおよそポップ・ミュージックが好きなひとなら、アレサ・フランクリンを聞いて気に入らないひとはいないんじゃないかと思う。

知らないひとがパッと聞いても、まずは、お、いいねえ、そして繰り返し聞いても飽きず、ますますよさが沁みてくるはずだ。で、欲張りなひとは、ほかのアルバムを聞いてみる。それもやっぱりいい。そして、このジャンルでほかのアーティストを探してみたくなる。で、試してみる。でも、アレサに匹敵するような絶妙の歌手にはなかなか出会えない。というわけで、やっぱ彼女は特別なのね、と確信が深まり、ありがたさが増し、しまいには後光が差してくるのだ。

そして名盤「レディ・ソウル」。タイトルからしてズバリ彼女そのもの。いかしてる。このひとの声は、かわいらしく、なおかつパンチが効いているのがいい。ゆったりしたバラードも、ベタつくことなく、イヤらしくウェットになることなく、キレがいい。クールでキュートで、文句のつけようがないほどに、歌がうまいのである。

ああ、これを知らぬまま人生を送るなんて、まったくもって、惜しいですぜ。

(8.mai.04)


back to index