favorite tunes and albums*15
ほんとに久しぶりに、いきなりハートを鷲づかみにされるような出会いだった。 なんだこれは! カ、カッコいいっ! 一曲目のイントロであっさり秒殺された。あとはそのままもう、なされるがまま、ああ、もうどうにでもしてくれ、という全面無条件降伏。気持ちよすぎる・・・。惚れたぜ、おれは! 文句なく美しく、その美しさのゆえに力強い音楽である。このカタチ以外に結晶のしようがなかったんだな、っていうことがスグにわかる。迷いのない仕上がりの説得力だ。 音使いの繊細で新鮮な多様性には、ビートルズの「サージェント・ペパーズ」を彷彿とさせる楽しさがある。相変わらずどの曲も寂しげ、はかなげなのだけれど、暗くはない。むしろすがすがしいのである。 この音楽は、涙でできた宝石のように輝き、冬の恋人たちを吹き過ぎる冷たい風のように、甘く孤独だ。 以前のアルバムも嫌いではなかったのだが、ぼくの受け入れ準備の関係か、それともバンドのほうの進化の問題だったのか、それほどピタッとははまらなかった。しかし、今作はとにかくスゴイ。滅多にない完成度である。多分、厚い壁が一枚、突破されたのだと思う。 というわけで、ぼくのなかではTravis株急騰中なのである。 いやあ、音楽って、ほんとに素晴らしいですね! (25.Dez.03)
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