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Foo Fighters : There is nothing left to lose

フー・ファイターズは、いわゆるグランジ・ロックのカリスマ的バンドだったニルヴァナのドラマーが始めたバンドだ。

ぼくはグランジにはほとんど興味がなかった。もう20代半ばだったし、ギリギリの場所にいる繊細な若者が発する痛々しいノイズには反応できなかったということなのかな、とも思うが、ぼくにはなんだか重過ぎる感じがして退屈だった。

でも、フー・ファイターズは好みだ。

印象的なギター・リフが全面に出た、明るく乾いた威勢のいい曲に、ささやきから割れるシャウトまで表現の幅のあるパワフルなヴォーカルが乗っている。メロディーもいいし、なにより仕上がりにメリハリが効いているのがよい。

第一印象では、ギターとヴォーカルのノイズっぽい感じがちょっと好きになれなかったのだけれど、それにすべてが塗りつぶされているわけではなくて、飽くまでもポップなセンスに貫かれていることがわかってくると、小気味よいパンチが、ビシビシとツボに命中し始めて、快感になる。

楽しいウキウキした気分になれるのが嬉しくて、最近ヘッドフォン・ステレオでよく聞いている。結構すごいバンドだと思う。

去年出た"One By One"もいいけれど、今一枚選ぶとしたらこのアルバム"There is nothing left to lose"。スカッとします。

(11.Okt.03)


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