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The Rolling Stones : Exile On Main Street


邦題は「メイン・ストリートのならず者」っていうんだけど、exileって「ならず者」なのかなあ。どっちかって言うと「流れ者」じゃないの? って思うけど普段はそんなことは気にしてないし、この期に及んではどっちでもいいね。
このアルバム、アナログ盤時代は二枚組だった。手に取るとその二倍の重さに期待が膨らんだものだ。ゴージャス。曲数もやたら多い。でも、今思えば実際聞くときは面倒だった。
ぼくの持ってるストーンズはほとんどアナログなんだけれど、なぜかこのアルバムはCDだ。こちらは一枚に全曲はいってしまう。便利と言えば便利だ。一気にかけっぱなしにできるから、その分たくさん聞いたんじゃないかと思う。
前置きが長くなったが、このアルバムの特徴は、ピアノとホーン・セクション。「ストーンズと巡るアメリカ南部の旅」という趣が楽しい。いろんなタイプの曲がはいっている、とも言えるけれど、「ストーンズのアメリカ」とでも呼ぶべき、音楽的な地方色で統一されている。ジャム・セッションを楽しむようなにぎやかさが、ゆったりしたリラックス・ムードに溶けている。適度なゆるさのゆえに際立つグルーヴ感である。
こういう作品を聞くと、ミック・ジャガーの声、あるいは歌い方の洗練がよくわかるような気がする。ともすれば田舎臭くなりそうな曲が、その泥の部分はそのままに、都会的なかっこよさに仕上がっているからだ。
ほんもののブルースもいいけど、ストーンズもね、と思う理由もそのへんにあるんだろう。 (15.Juni.03)


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