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lightと言われると、ローリング・ストーンズの"Let It Bleed" 二曲目の、"Love In Vain"を連想する。これはブルースで、歌詞も典型的なのだけれど、恋人の乗った列車が行ってしまうのをさみしく見送りながら、その列車に灯る灯りを見て、The blue light was my baby, and the red light was my mind,と歌う。どうってことない素朴な歌詞なのだが、赤と青の灯りの残像が目に浮かぶようで、忘れがたい。 それから、Hank Williams の"I saw the light"。 このシンガー・ソング・ライターを、ぼくはもともと知っていたわけじゃないし、今も知っているとは言えないのだが、名ヴォーカリストMatt Johnson 率いる"The The"が、このHankの曲ばかりカヴァーしたアルバムを出していて、そこで、この曲が演奏されているのだ。このアルバムのなかでは一番印象に残った曲だ。あてもなくよるべなく人生に疲れてさまよっていると、神に出会って救われる、というゴスペル的内容の歌である。つまり「光」を見てしまうわけ。それを、歯をむきだして噛みつきそうな勢い、エフェクターでグワングワンに歪めた声でマットが歌っている。こういう、ブルースの臭いのするシンプルなエイト・ビートを、力強い声で聴かされると、ぼくは弱いのだ。だから、誰かにすすめても、ただ、それだけじゃないの、と言われてしまうことも多いのだけれど、これはこれでいいのです。 同名の曲が、Todd Rundgrenにもある。この人は有名ですよね。ぼくはどうもこの"I saw the light"が一番いいんじゃないかと思っている。歌詞はロマンチックで、恋人同士がお互い相手の目のなかに光を見てしまう、という恋愛初期のドキドキ感描写。いいですねえ。こっちはもうすごい、文句なしの名曲。アレンジにも凝った、いわゆるソフト・ロックの極み。 どっちも好きです。ぼくは。全然違うんだけど。神も恋人もたいせつです。(Mai02)
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