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鍋とブルース
なぜか鍋にはブルースがよく合う。
この冬の発見である。ウチで鍋をやったとき、なにか音楽をかけようということになって、たまたまターンテーブルに乗っていた、バディ・ガイの「おれは森の中を歩いてた」かなにかをかけたら、これが異様なまでにぴったりだったのである。テーブルの上の鍋からあがる湯気、冷えたビール、舌に火傷しながらなぜかがっついて味わうワイルドな風情に、シカゴ・ブルースの適度な泥臭さ、汗臭さが、テンポといい雰囲気といい、抜群に合っていたのだ。ジャズやロックではこうはいかない。
ちなみに、そのときのメニューは酒かすと味噌にバターの効いた石狩鍋に、マディ・ウォータース、リトル・ウォルターに、有名なオムニバス版の「ドロップ・ダウン・ママ」。キムチ鍋にエルモア・ジェイムスなんていうのも悪くないんじゃないだろうか。ガンガンいけそうだ。(3.02)
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