2020年に定年退職し、晴れて無用人になりました。社会から逸脱して、徒然なるままにボエーっと時を過ごしています。
海外で10年ほど暮らしたことは、日本社会では全く役に立たず(と思っているのは表向きで本当のところは長期の海外経験=日本では忌み嫌われる、というのが実態かな?)、持ち前の個人主義と”海外で磨きのかかった”言いたい放題'で、やたらと周りからの風当たりの強い人生でした。本人はいたってのんきで、出世もず世間体も悪い中、英語での授業とかも喜んで引き受け、好きなことだけ楽しんできましたから、ここまでの人生は「生きててよかった」と思えるものです。若いころから体が丈夫なほうではなかったので、偉い先生方と同じような管理激務に追われていたら、間違いなく定年前に死んでいたと思います。定年を機に、ますます不精な無用の人になり、これからも命ある限り、努力もせず、恨みもせず、褒められもせず、ニュースも見ず、のんべんだらりンと過ごしていきます。 とはいっても、聖人ではないので生きている限り煩悩だけは捨てきれるものではなく、55を過ぎてできた子供と24歳年下の家内にいじめられながら、耐えて草の庵で「心に移り行くよしなしこと」を書き綴っていきます。わたくし同様に暇で煩悩を捨てきれないな方々にお付き合いいただければ幸いです。
2020年度の隠居生活の始まりは大変(とりあえず、大学でのコロナ騒ぎの記録です)
2020年3月に定年退職しましたが、その後も3年ほど学部一年生の授業を担当しておりました。異常な事態は1月末に始まりました。一月中は昨年まで使っていたpptファイルの変更など授業の準備をしておりましたが、2月に入る頃に武漢肺炎騒ぎがはじまり、3月には集会や不要不急の外出の制限が始まるかもしれないという流れから、大学では卒研/修論発表の取りやめ、卒業式の取りやめなど、どんどん状況が悪化しました。3月末には入学式の取りやめや開講時期の変更など4月以降の予定が二転三転し、4月に入ると最終的に対面授業の禁止が通達されて、全ての講義はネット配信方式にすることが決まりました。その結果、pptファイルに音声シグナルを入力したものやZoomによる講義を既存のシステムを用いて受講生に配信することになりました。
開講まで残された期間はわずか2週間でしたが、この要求に対応するのは比較的簡単でした。家にないのは、マイクだけです。アマゾンで2980円のphantom電源付きのUSBコンデンサーマイクを購入して利用しました。思わぬ伏兵は、外を人が通ると、足元の犬が録音中に吠えることでしたW。もう一つの障害は子供です。小学校が閉鎖され子供が自宅待機となった時点では、アフタースクールや学童保育所が対応してくれておりましたが、4月の中頃から子供たちの両親に体調不良の人が増えたために、これらサービスも利用自粛が要求されるようになりました。その結果、仕事中に子供を黙らせたり、子供のお昼ご飯を作るなど雑用が少し増えました(家内は通常通り出勤しています)。
最初はドタバタしましたが、「慣れれば美味しい…..の干物」で、その後は余裕でお仕事していました。……と言うことで、しばらくの間は「無用の人」にはなり切れておりませんでしたが、完全無職状態に慣れるための準備期間として、それなりに楽しく対応していました。
マスコミが煽るので武漢禍を無事生き延びられるかどうかも老人にはわかりませんでしたが、結果的には、タミフルの違法入手で簡単に乗り切れました。客観的にはインフルエンザより感染性は高いが普通の「流行り風邪」ですので、かかっても重篤化する(既往症のない普通の人では確率は低い)もしないも運しだいです。その意味では、さっさと社会活動を再開すれば良いと思うのは私だけではなかったようです。とりあえず、みんな「我が身大事(いわれのない恐怖)で自粛している」と言うのが実情だったのでしょう。為政者や専門家が信用できないので、自分で判断するしかなかったですね。その思考プロセスも以下のログに載せています。
無用者の語源
唐木順三〔1904-1980)は 昭和の一時期に好まれた文芸評論家であるが、今ではその名前を知る若者は少ない。著書『無用者の系譜』では在原業平をはじめとした『都を出て漂泊の旅に出た有名人「用なき人」』たちの生き方を論じている。取り上げられているのは在原業平、一遍上人、永井荷風、西行、芭蕉など、デカダンの徒のにおいがする人物たちである。唐木順三はフランス世紀末のデカダンを単に頽廃と考えてはならず、頽廃において美しく、無頼において倫理的であると考え、その思想が既に9世紀の日本に現れていたと解釈している。
かくいう私は極度の昆虫嫌いであるため、虫が飛び交い体にまとわりつくような恐ろしい田舎旅は御免こうむりたいし倫理観も月並みなので、唐木順三の言う意味でのデカダンな人間には遠く及ばない。普通の意味で『社会的に無用の人間』、まだ生きていることを日々感謝しつつ、欲望と堕落と持病を友として、『頭の中の』 漂泊の旅を楽しんでいるだけである。彼らと私に共通するのは「自由人=やくたたず」であることくらいであろう。
などと、勝手なことを書いて始めたのが、2.3年年前
御用とお急ぎでない人は、以下の二つの部屋を尋ねてみてください。何か感じとれるものがあれば幸いです。正直なところ、過去ログ(定年前までに書いた文章:勝手な独り言)の方が読んでいて面白いです。少なくとも、学生時代からみて、ずいぶん大学の様子も変わっていたので、その辺りを文献に基づいて「つらつらと」述べています。退職後のものは、思いつくままに書いています(それまでのように肩書きを気にするということなく書いていますので、文章も劣悪ですね。AIさんと相談しながら少しづつ改訂していきますので、我慢して読んでください。
煩悩多かりし頃の管理人のお部屋
2020年4月以降の管理人のお部屋