CFW8とIR(赤外線) 漏れについて

CFW8は、フィルター枠位置の検出の為に一組のIR(赤外線)の発光素子/受光素子が使われており、反射突起物を使い、自動位置調整される仕組みとなっています。しかしながら、 最近、複数のユーザーより、CFW-8によって、不均一なバックグラウンドのレベルのばらつきが現れ、調整(キャリブレーション)しても、この不均一なバックグランドのレベル差を除去できないという話が出ています。 クリアフィルターと未使用のフィルターポジションのフィルターから漏れた出たIR(赤外線)が、カメラのCCDチップに規定以上に漏れてきて、これが、不均一なバックグランドの画像を作り出しているのではないかとの理屈です。このテストの目的は、はたして内部で発光しているIR(赤外線)LEDの赤外光がCFW-8を通過してきているか否かというと言う物です。

結論から先に言うと、CFW-8のカメラ側でもIR(赤外線)漏れが検出されました。しかし、この目視による赤外線漏れが、どれくらいの量、カメラのフィルターの切り替えの時にカメラのチップ(シャッターが閉じられているのを回避して)によって検出され、はたして、実際に影響を受けているのかは、測る方法がなく、はっきりとはしていません。

IR(赤外線)検出方法

ソニーのデジタルHandycamsのナイトショットモード(カメラ内部の赤外線カットフィルターを外して撮影を行うモード)をを使い、よりわかり易く赤外線を検出するようにしました。

設定


フィルターの配置

ビデオカメラ側からフィルターを見る
フィルターホイールは、SBIG社製 スタンダード(Standard)TYPE 2 R, G, B, C フィルターとSchuler 10nm Hαフィルターが空きのフィルター枠に装着されています。
CFW-8をST10から外し、ST-10の代わりにソニーのTRV110e デジタルビデオカメラにフィルターを経由して、IR(赤外線)漏れをナイトショットモードで、記録しました。フィルターは、Maxim DL/CCDを使って切り替えました。この画像は、2個のカメラ前面にある赤外線のランプをテストの為に切った状態で撮影しました。


結果

フィルターホイール背面からの画像
最初に、真っ暗闇の状態で撮影しました。よって、これらの画像は、CFW-8から漏れてきたIR(赤外線)の画像です。Handycamのナイトショットモード2を使ってありますが、ナイトショットモード1でも十分にわかります。これらのナイトショット・モードの仕様について調べてみましたが、資料が見当たらず、実際にこれがどれくらいのレベルであるかは、不明です。

フィルターホイールの端(周り)からの漏れ

クリアフィルター
この画像は、フィルターホイール背面の端から検出されるIR(赤外線)の漏れの画像です。 この光影は、すべてのフィルター切り替え中にも起こります。
クリアフィルターは、IRコートされていないので、IR(赤外線)を通過します。これは、何も装着されていない空のフィルター枠の位置と同様な結果となると思われます。

ここをクリックして動画(ビデオ)を見る。(wmv形式 934kb) スピーカーからフィルターを切り替える音声が聞えます。



正面より

フィルターホイールの正面パネルを外した状態では、かなりの量のIR(赤外線)がCFW-8内部に漏れているのが分かります。しかし、光路からは、よく遮蔽されいます。ただし、クリアフィルターか、空きのフィルターの位置では、漏れ光が検出されます。

目視による確認では、フィルターホイールの回転が止まるまで、カメラのシャッターは閉じています。もし、このIR(赤外線)が検出されるという事は、シャッターは閉じていると言う事です。IR発光素子とその光路通過の間にある中央のバッフルで何らかの改善があるかもしれません。 また、どれくらいの量のIR(赤外線)漏れが、丸いフィルター枠とCFW-8のケースの壁の間から漏れているのかは、不明であり、どれほどの影響があるのかも不明です。もし影響があるとするなら、フィルターを外す事によって、いくらかの画像の改善があるのではないかと、私は思っております。

最後に、フィルターの交換後、いくらかばかりの人達が、このような問題が出ています。私自身、いろいろな手動、自動のフィルター、クリア、空きのフィルター位置の組合せで、試しております。

全てのフィルターの切り替え時には、クリアフィルターから他の切り替えクリアフィルターが動く前に IR(赤外線)受光素子が発光します。

C->Rフィルターの切り替えは、空きのフィルター枠を通過して、さらにクリアフィルター位置を経由して「赤(R)」フィルター位置に動いています。

B->Rのフィルターの切り替えは、クリアフィルターと空きのフィルター枠を通過して、(少なくとも)ここでRのイメージに問題を引き起こしています。これは、私としては、想像していなかった事です。

Adam Block氏は、BGRBGRの順番を使っています。最大にフィルター位置が動く時は、R->Bで、Gを経由します。クリアフィルターと空きフィルター枠位置は、通過しません。影響を受ける画像としては、「 C 」を撮影した後の最初の「 B 」画像という事になります。これは、クリアフィルターが最初の「 B 」の位置に移動する際にIR LEDが点灯します。この事は、Adams Block氏と私の目視による確認と合致します。

さて、最大の問題です・・・STカメラのシャッターは、このIR(赤外線)の漏れを検出できるのでしょうか? もしそうなら、何か対処方法はあるのでしょうか? 前述のバッフルは、何らかの改善策になるかもしれませんが、または、CFW-8内部に LEDの光が漏れない様にカバーして、フィルターの回転に影響がでない様に フィルターに漏れ光を抑える事が、可能かと言う事です。
上記の解析報告は、完全な物ではありませんが、少なくともIR(赤外線)が CFW-8から、検出できるレベルで漏れているという事は十分わかると思います。

もし、間違いの指摘や、コメントなどありましたら、ご連絡下さい。

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