大東流合気柔術 幸道会

幸道会は、中興の祖、武田惣角源正義師より直伝された堀川幸道先生が、昭和25年9月20日オホーツク海沿岸の地、湧別に於いて会を創設され半世紀余りの年月を経過しました。  以降、堀川先生は、大東流合気柔術の興隆伝承のために長い間に渉って普及指導に尽力されたのであります。  その功績が認められ、武道家最高の名人位の称号が贈られ、さらに教育功労者としての名誉ある叙勲に浴されました。  我が国の長い歴史と伝統のもとに培われてきた合気柔術を修練する私どもが、今日なお学び続けることが出来ますことは、ひとえに恩師堀川幸道先生の賜であります。  時代が変わり、人が変わろうとも、武道を修める人、これを指導する人もその本質を悟り、末永くこの道を歩み続けることのできる武道家になりたいものであります。  武道を学び続けると云うことは、誠に厳しく忍耐と努力が必要であります。 己の心を修め、おごることなく修練を重ね、人格形成に向かって今後も修行を続け、やがて次の時代を担う青少年に継承して、幸道会の前進に寄与したいと願うものであります。

堀川幸道先生の言葉

柔(やわら)は一千数百年来伝承された日本独特の体技で、その基礎となるのは「柔らの理」である。「柔らの理」とは相手の力を用いて攻撃してくる場合に順応して動作し、相手の力を利用して勝ちを制する理合をいう。とくに合気の術は、手・足・肩・胸などの五体の総てに術があり、相手の力を利用したり、相手の力を抜いて逆をとり、機に応じ態が現れ、千変万化、自由自在に相手を屈服させる術で、相手の出様によって応変即妙の処置に出る術である。

幸道会の技について

幸道会の技法に於いて特筆すべき点は、大東流合気柔術の柔術的側面のみならず、それをより深化させた精緻な技法として、堀川幸道先生より伝えられた合気の技にあると言えましょう。 900年余りの歴史ある大東流合気柔術が、野戦上での甲冑組み討ちの技から城内などでの殿中技へ、時代の変遷と共にその中心技術を変化させてきたと云うことはよく知られている事柄です。幸道会の技は、その時代の要請に添いながら会津藩秘伝といわれる御式内の系統を色濃く反映している技と云うことが出来ると思います。 我々幸道会は、その中心的技術概念<合気>に彩られた歴史的遺産である秘伝的大系を研鑽し、後世に伝承してゆく事を旨としております。