みんなが楽しんで作品をつくる。
おもしろがって作品をつくる。
それを集めて、大きな絵を描く。

木村太亮アートワークショップ

楽描(らくがき)
「音楽」は「音」を「楽しむ」と書きます。
ところが、絵を描く事は一般的に「図工」という言葉で表されています。
「図工」とは、制作前に「設計図」を持ち、「加工」していく。
つまり、「答」のある制作を意味しています。
木村のワークショップでは、「答」を用意していません。
「答」があるとするならば「楽しんで描く」ということが達成できるか、否か?ということだけです。

木村太亮の主催するアートワークショップ「楽描」は、
参加者一人一人が、皆それぞれ楽しんだ作品を作り、
それを集大成して大きな壁画に仕上げるワークショップです。


楽描ワークショップの特徴と進行
このワークショップでは、木村独自のオリジナリカラーパターンを「手」でちぎってもらうことから始めます。
ハサミやカッターなどの道具は、参加者は使用しません。
参加者には「手」という道具にこだわってもらいます。
また、最初から「○○をつくる」という完成形あるいは仕上がりを想定しません。
ちぎったモノから「何を作るか」を考えて行く作業を繰り返してもらいます。
下描きも禁止です。
さらに何か資料を見ながらの作業も禁止です。
さらにマンガ、キャラクターなど具体的な「仕上がり」があるものは、モチーフにすることを禁止にしています。


スタッフは、参加者の相談に乗り、個人個人の作品作りをアシストします。
(スタッフはカッター、接着剤などの道具を参加者にインタビューしながら、参加者に代わり使用します。これは、不用意なけがや無駄使いを防ぐためです)
「仕上がり」を想定する事や「下描き」をすることは、すなわち「答」を作ってしまう事になります。
そこからはずれてしまえば、すなわち「失敗」に結びつきます。
「絵を描く」ことを仕事としているならばいざ知らず、
「楽しみたい」「面白がりたい」事を目的とする描画に「答」は必要ないと思います。
スタッフは、参加者が「楽しむ事」「面白がる事」を考えて、サポートします。


参加者が楽しんだ作品、面白がった作品には、かならずどこか良い所があります。
「楽しんだ」「面白かった」エネルギーに満ち溢れたモノができます。
ワークショップは、ここで終了ではなく、それらの作品を大きな画面の中に配置する事へ続いて行きます。
(この作業は、木村が担当します)
レイアウトが終わった後は、スタッフが画面に固定をします。
(場合によっては、スタッフの指示のもと参加者にも手伝ってもらいます)
固定が終わった後、掲示して、講評します。
スタッフがMCになりますが、参加者からも意見を聞く事になります。
この講評では、「良い所を見つけ褒める」ということに重きを置きます。


パーツとしての一つ一つの作品、あるいは集合体と化した作品。
いずれにせよ、エネルギーの固まりと言って良い作品になる事は間違いありません。
また、短時間にとても大きな作品ができることも、このワークショップの特徴のひとつです。

ワークショップのコンセプトに関して 木村太亮のワークショップのブラインドコンセプトは、
「次の世代に繋げる」という事と「命の大切さ」をメインに考えています。
これは、木村が環境問題に興味がある事、その関係の仕事が多く、特に動物画を得意とする事が主な要因です。
僕らは地球という小さな星に住んでいます。地球には人間だけでなく、数多くの命が共存しています。
ところが現在、共存する命も、地球という小さな星も危機に瀕しています。


だからと言って、声高に「地球を守ろう!」とか「環境保護だ!」と訴えても、
どれだけの子どもが理解してくれるでしょうか?
それよりも今為すべき事は、次の世代に地球を支える子どもたちに、
共存する生き物や地球を好きになってもらう事が肝要だと思うのです。
まず、「好きになってもらう」
そこから始まる興味や好奇心が大切です。 その好奇心や興味は新たなキッカケを生んでくれるものと信じます。


「好きなもの」が危機に瀕していたら、助けたい!救いたい!という明確な目標にしてくれるでしょう。
木村のワークショップは、たくさんの知識を与えるものではありません。
できることは「小さな種を植えるだけ」なのです。


ワークショップのテーマに関して

ワークショップ中の制作に関しては「答」はありませんが、
制作するにあたり、全体の「テーマ」は必要だと考えています。
ただし、これも「具体的なモノ」ではなく、できるかぎり曖昧に大きく拡げたモノが望ましいと思われます。
また、「テーマ」の名称に関しても参加者が誰でも理解できる分かりやすい語句を使う事をお勧めします。
例を挙げれば、上記コンセプトも鑑みて、
「うみのいきもの」「むかしのいきもの」「もりのいきもの」などがお勧めです。
逆に「エコロジー」とか「わが町・・・」とか「リサイクル・・・」とかの言葉は
時宜を得ているようでいて、子どもたちには正しく理解されていない事が多いと思います。
重ねて言いますが、木村のワークショップは、知識を教える事を目的としません。
むしろ幼稚園児にも理解できる言葉を選び、全世代を対象にした方が賢明であると思います。


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