コンタックスT2の周辺光量低下問題


T2では場合によって,周辺光量の低下が目立つ場合がある.絞りが開放ないし開放に近い場合に,周辺が少し暗くなる.これは仕方がないことである.T2のゾナーは例えばニコン35Tiあたりと比べると,たしかに周辺光量はやや少な目(注)である.問題は,絞りを絞り込んだ状態(例えばF16)で起こる周辺光量低下だ.絞りF16の絞り優先AEで撮影.コンタックスT2

最初疑ったのは,プログラムAEである.T2ではプログラムAEモードで撮影すると,ビハインドシャッターが絞りを兼ねるようになっている.この時に周辺光量が落ちるのではないかと考えたのだ.

そこで,天気の良い晴れた青空をプログラムAEと絞り優先AEの両方で撮影してみた.ところがその結果は,私の予想を裏切っていた.プログラムAEでは,目立った周辺光量の低下が見られず,逆に絞り16に設定した絞り優先AEでの撮影では,明らかな周辺光量低下が見られたのである.右の実例を見てください.

理屈は今ひとつよく分からないが,T2で明るい被写体を撮影するとき,周辺光量低下を気にするなら,プログラムAEで撮影した方が良いようである.

(注)アサヒカメラ91年3月号の「ニューフェース診断室 コンタックスT2」の測定によると,「開口効率は画面対角線の90%の位置で48%」とある.同じく94年4月号のニコン35Tiの測定では,「画面対角線の90%位置で測定した開口効率は66%とたいへん大きな値」とある.
このように,T2のゾナーはもともと周辺と中央でちょうど1絞り分くらいの光量低下がある.しかしそれは絞り開放の場合であって,絞り込めば周辺光量の低下はそれほど気にならないはずである.ところが,絞りこんだF16のところで顕著に現れるのが,疑問の点なのである.