・ミーティングの報告を掲載しました。
・さいたま市教育委員会、埼玉県教育委員会から後援を頂きました。
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 第20回国連軍縮会議inさいたまが、2008年8月27日から29日、さいたま市で開かれた。国連軍縮部および国連軍縮部及び国連アジア太平洋平和軍縮センターの共催で、日本政府およびさいたま市が実施にあたった。軍縮や平和問題に関するフォーラムとして貴重な機会であった。1989年から、毎年、続けられており、対話と交流の場となっている。

 この会議の翌日、ESDさいたまの協力で準備された市民主催によるミーティングがもたれた。ESD(持続可能な開発のための教育)は、地球規模の課題にたいして、地域からあらゆる面で、よりよい世界にしていくために、地域のたとえば人権の課題にとりみは、不可分であるという。
 ミーティングは、浅川実行委員長によって進行され、まず、このミーティングの経緯について述べた後、会議を一部傍聴した3名の岸中学生から「海外の飢餓に苦しむ子どもたちのことを、ボランティア活動で知ったので、もっと学んで、何かできたらよいと思う」という発言があった。
 ミーティングは、第1部:現状と未来への展望、第2部:軍縮・平和教育の役割と市民参加の役割から構成された。

 第1部は、高原氏から軍縮の歴史について、現在、世界の軍事費は増え続けており、大変な資源の浪費が行われ、しかも冷戦期からの過剰殺戮状態は終わっていない。もはや戦争は違法である上に、多数の国々にとって政策手段として完全に割の合わないものになっている。にもかかわらず仮想敵を求めて脅威論が言い立てられている、と指摘された。また、対人地雷廃の実現にみるように、市民が関与して国際条約をつくり、国家の軍備を規制する試みは、追求する価値がある、と話された。2人目として、外務省の森野氏は、外交というのは、人間関係よりも複雑で、国家は国益を求めるものだが、普遍的な原理で、世界は動いているのも事実である。日本政府は核廃絶にむけてたゆまぬ努力をしていると説明された。3人目として、メリ・ジョイス(ピースボート)はピースボートの発足の経緯を踏まえ、国連安全保障理事会のよびかけでおこなわれている武力紛争予防のためのグローバルパートナーシップについて、NGOの関与が重要だと述べた。

 第2部では、藤田氏が、ユネスコ学習権宣言の意義を押さえ、平和は人びとの行動の努力によってなるということから、人びとが意識をたかめることが重要であるとした。次に、竹内氏は、戦後の平和教育の歴史をふりかえり、平和教育にはとても大きな蓄積があるが、より包括的な展開が必要であるとした。また、法律へのリテラシーとして日本国憲法をより積極的にいかすという提案もあった。最後に、生徒ともに参加した金子教諭は、この夏参加したカンボジアへのスタディツアーで、教師になった原点を思い起こしたと語り、学校の多忙化のなかで、生徒とともにあることが基盤であると述べた。

 世界は、軍縮にむかっているのは、事実であるが、それが一般にはわかりにくい。国際安全保障に関することは、外交官や専門家によるのではなく、ハーグ平和アピールは、平和は市民の手でと主張している。市民の参加が重要である。国連軍縮会議で、平和自治体会議が、ヒロシマ・ナガサキ議定書を採択し、2015年までに核を廃絶するという具体的な計画を示した。そのような自治体の計画は、明快で、平和のために市民としての動きもつくれるとよい。


■概 要

日 時:8月30日(土)午後1時から5時

場 所:浦和コミュニティセンター第14集会室(浦和駅東口前パルコ10階)
スケジュール

 13:00 - 13:05 浅川 和也(東海学園大学)
 13:05 - 13:10 さいたま市立岸中学生

第1部:<世界的課題と展望>

 13:10 - 13:25 高原 孝生(明治学院大学)
 13:40 - 13:55 森野 泰成(外務省軍備管理軍縮課長)
 14:10 - 14:25 メリ・ジョイス(ピースボート)

休憩  14:25 - 14:40

第2部:<平和(軍縮)教育と市民参加の役割>
 14:40 - 14:55 藤田 秀雄(元立正大学)
 15:10 - 15:25 竹内 久顕(東京女子大学)
 15:25 - 15:40 金子 玲子(さいたま市立岸中学校,
        世界に目を向けよう-今,私たちにできること-)

休憩 15:55 - 16:10

全体討論(補足およびフロアから) 16:10 - 16:40



主催・共催:軍縮さいたま市民ミーティング実行委員会
      持続可能な開発のための教育の10年さいたま

後   援:さいたま市教育委員会、埼玉県教育委員会

参加費:無料

問合せ・申込み:実行委員会事務局
 e-mail:info-lab@cyber.email.ne.jp
 Fax:049-233-0402


■呼びかけ

 さいたま市で開かれる「第20回国連軍縮会議inさいたま」を受けて、平和の文化の実現にむけて、地域での集まりを持ちます。

 毎年、自治体持ちまわりでこのような軍縮の国際会議がなされています。

 持続的な未来にむけて、世界的な課題とともに、地域からの市民のはたらきが重要です。

 まちづくりや福祉、環境、人権などさまざまな関心をもつ皆さんにとともに学びあいたいと思います。

 また、国連「持続可能な開発のための教育の10年」の活動のひとつとして実施します。



プロフィール

高原孝生 (Takao Takahara)/明治学院大学国際学部教員
              明治学院大学国際平和研究所(PRIME)所員
 国際政治学者、平和研究の立場から核兵器を中心とする軍縮問題を専攻。米コーネル大学とメリーランド大学で研究員を歴任。パグウオッシュ会議日本事務局メンバー。NPO法人ピースデポ理事、日本平和学会理事。

メリ・ジョイス(Meri Joyce)/ピースボート
 メルボルン大学で国際関係・アジア学を専攻し、在学中に京都大学に留学。
2006年よりピースボートで「武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ」(GPPAC)の運営に参画。GPPACとしての紛争予防教育や平和教育のプロジェクトにも携わっている。
共訳書に『大量破壊兵器廃絶のための60の提言』(岩波書店, 2007)。

藤田秀雄 (Hideo Fujita)/元立正大学教員
 東京大空襲の経験や戦時中の教育、マス・メディア批判から平和学習研究へ。
大学卒業後、53年より大学群馬県島村に住み、サークル活動をおこなう。59年より42年間立正大学専任教員。日本学術会議平和研究連絡委員会委員。現在、第五福竜丸平和協会副会長、平和の文化をきずく会代表。横須賀市の平和運動にも参加している。

竹内久顕 (Hisaaki Takeuchi)/東京女子大学教員
 これまでの平和教育の理論と実践の蓄積を継承しつつ発展的に転換するために、「平和教育学」の構築に取り組んでいる。日本平和学会理事(平和教育分科会責任者)、平和教育学研究会世話人。論文「平和教育をつくり直す」(『平和
学を学ぶ人のために』世界思想社、近刊)他。

金子玲子 (Reiko Kaneko)/さいたま市立岸中学校教諭・世界に目を向けよう-今,私たちにできること
 16年前、ネパールの子どもたちの状況についての視察をきっかけに、開発途上国の実状を知る授業づくりをはじめた。学外では「世界に目を向けよう〜今、私たちにできること〜」を卒業生らとともに、地域でおこなっている。


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