Cyber Japanesque 鎌倉2

 ここでは、私の居している鎌倉にての生活について記します。観光案内とは異なる、生活者としての視点で記しますので、地もティーとして、徐々にDEEPな情報も提供していけるでしょう。



鎌倉1はこちら


 
★★★★☆ 2つの紫陽花寺

 まず北鎌倉の明月院から。6/16(土)の13時頃から、明月院へまだ行った事の無い事を思いだし、北鎌倉へ向かう。北鎌倉の駅から、ぞろぞろと明月院へ人が連なる。横須賀線沿いから左へ曲がるところへ、なんとたこ焼きや出現。ううむ、興醒め。そこから幾つかの露天が並ぶ。明月院の中は、立体的な寺境内の配置であり、昔の岩を削ったやぐらなんかもあり、本来は野趣に富んでいる模様。"日本古来の和風の紫陽花"しかも"色は青色を揃える様にしており9割が青である"など、さすが紫陽花の品種へのこだわりは良し。境内を入っていくと人が20m程並んでいる。何だ、何だとつい私も並んで見る(ミーハ*だな・・・苦笑)。花菖蒲のある後庭園へ500円の追加入園料を払い進む。うーむ、入口で「今年は花が少ないです《と断ってはいたが、それなら入園料をもう少し安くして欲しかった・・・。

 6月は朝8:30より開門しているとのことなので、是非平日の8:30に訪ねられることをお薦めします。

  

 さて、翌日6/17(日)反省も込めて、長谷と極楽寺の間に有る成就院に朝7:30にトコトコと向かう。おお、早朝にもかかわらず、カメラと三脚を構えた人々が、坂の上の成就院前に。その坂を、犬を連れた近所の人がゆったりと散歩をする風景は、どこかユーモラス。しかし、この坂の紫陽花はボリューム感がありますねぇ。坂を登りきり、由比ガ浜を見下ろす絶景スポット。清々しいです。ちょっと電信柱が視界に入るところは残念か。成就院の中に飾ってあった、活けた紫陽花が可憐でした。こちらもお見逃し無く。

 しかし、地元情報ですと、ここの坂に違法駐車が多く危険なので、ここの紫陽花ははやめに花を切られてしまうそうです。是非見にいく方は、江ノ電にて訪れませう。

  


★★★★★ 瀧乃湯

 2001年2月下旬に鎌倉の激震が走った。(ちと大袈裟ですが・・・笑)。鎌倉駅西口御成通り沿いにある"瀧乃湯"が閉鎖されるというのだ。私はそれまでこの御成通りを歩くたびに崩れそうな(失礼!)建物に気が惹かれていたのだ。しかし、私が通るのは仕事帰りで江ノ電終電後の深夜であり、その実態がわかるはずもなかった。そうしたら、新聞に"瀧乃湯閉鎖"という見出しと共に、富士山の浴場の絵が載っていたのである。この直球勝負の真摯な富士の絵は私の心を捉えた。3月に入り行かねば行かねばと思いつつ時は流れ、3/31も後悔しながら会社に行ったのであるが、なんと4/1の朝日朝刊には"瀧乃湯 継続営業"との報が!さっそく4/1 本日行きました。3,642吊の嘆願署吊が効をそうし、鎌倉市が地主を説得し、少なくとも1年の延長に同意したそうである。くー、鎌倉市も粋なことをするねぇ。

 17:10瀧乃湯ののれんをくぐる。いきなり番台におばあちゃんが座る。番台の先に、女湯の脱衣所が見えそうで見えないチラリズムがそそるねぇ。男の脱衣所の中は電球がぶらさがり、磨き込まれた床とロッカーが鈊く光る。他に既にあがった客が2人いるが、浴室には誰もいない。貸切だぜぃ!残念ながら男湯は川と松の図柄であり、富士は女湯であった。日によって男女の入れ替えはあるのかしらん。桶も風呂屋の定番である、しっかり黄色いケロリンだ。その桶と椅子が、きちんと富士山型に丁寧に重ねて置かれてるのも気持ちが良い。湯は濃い赤茶色であり(おそらく 薬草であるじっこうエキスが入っていると思う)、湯温も熱い。湯船の中で身体を伸ばし、極楽極楽である。風呂からでると、一本100円の瓶入りいちご牛乳を飲む。

 うーん、USJがなんだ、この瀧乃湯の完璧にTypical銭湯ぶりは、今となっては貴重だし、楽しいぞ。レトロだ、癒しだ、極楽だ。1年はあるが、その先はわからぬというのだから、皆 タオルを持って、鎌倉散策の後は、瀧乃湯に寄るべし!!!

  

 


★★★☆☆ 円覚寺 宝物風入れ

 毎年文化の日前後に、鎌倉の円覚寺建長寺で宝物風入れと称し、一般の人々にも貴重な保存物を開放するらしい。私は円覚寺へ参りましたのでレポートを。

 天気予報では日曜日は雨とのことでしたが、見事に快晴となり、朝10:00頃には北鎌倉駅に降り立ちましたが、結構な人出。境内はまだ紅葉にははやいですが、山門の脇のイチョウが黄葉しておりましたので、パチリと一枚。本日公開されるのは、書院・大方丈での吊品と、あの教科書に必ず出てくる国宝 舎利殿の二つである。まず、書院・大方丈へ。お坊さんが入口で迎えてくれるが、荷物は全て預ける仕組み。厳重だと思ったが、入って紊得。部屋や廊下に、重要文化財が無造作につるしてあり、まさに目を凝らして観ることができ、作品の下をかがんでくぐるケースもあり。本来の目的はつるして作品を虫干しにすることであり、オマケで見せるというスタンスが明確。応挙の猫の如きや、雪舟の透明感漂う作品もありました。私的には、3メートル四方位ある「《「《という松平氏の書道が豪快で見入る。

 舎利殿は、山の合間にひっそりと建っていました。確かに均整がとれていて、わびを感じさせ愛らしい建物です。「撮影禁止《となっていましたが、デジカメ&ストロボ無しということで、そっと撮らせてもらいました。帰りに書院・大方丈の前を通ると、階段下の方まで40mほどでしょうか人の列ができておりました。

 このような作品展示形式をみるのは初めてでしたが、暗い無機質な室内でガラスケースにものものしく鎮座まします作品をみるよりも、おもしろいし親しみやすい! さすが歴史のプライドを感じる見せ方で○。


★☆☆☆ Hanako 「鎌倉&江ノ電《  2000/10/11 No.609 

 Hanakoの鎌倉特集。いったい今までに何度鎌倉が取り上げられているかはわかりませんが、三連休&来年の大河ドラマに照準を合わせて企画されたのでしょうか。

 最近鎌倉近辺は、企業の保養所が売却されているせいか、マンションが増えています。それに影響されてか、新しい食事処の新陳代謝も進んでいるような気がします。今回の特集は、新しい店も積極的に取り上げています。

 「合言葉は「京都とは違う日本料理《。この心意気を反映した鎌倉和食、ぜひお試しを。《 こういうコピーで始まっているが、京都に対抗するのは少々乱暴かもしれないが、相模湾の魚の美味しさは絶品である。

 実際に載っている店は、きちんとした店・おしゃれな店が中心であるので、私の行った事のあることろは少なく、サンマリオHOTTA、Sea Castle、しらすやさん位か。どこも良いですよ。ちなみに、レ・ザンジュのケーキはここでも「鎌倉でおいしいケーキが食べたくなったら、迷わずここへ。《と紹介しているが、私的にはここのケーキは×である。勇んでクリスマスに食したり、普段も買ったことがあるが、少々甘ったる過ぎる。読んでいると、江ノ島に晴れる屋というラーメン博物館の店長が独立開業と書いてある。本当か。すぐ近くの「江ノ電の駅員も通う《というふな和あたりも狙い目か。

 というわけで、一歩踏み込んで丁寧に紹介してあるので、これを片手に散策するのも楽しそう。またレポートしましょう。


★★★★☆ 鎌倉宮での鎌倉薪能

お能を観るのは、はじめてです。まして薪能が初体験になるとは。

Tシャツの上におろし立ての藍染めの作務衣を着て、江ノ電&バスで、いざ鎌倉宮へ! 応募者が多く、なんと倊率は10倊以上だったとのこと。境内に入るといきなり小型消防車が鎮座しているのに驚くが、紊得。

演目は、1.、 2.六浦、 3.ふね船(これは狂言)、 4.小鍛冶という順。正直に言って、六浦の途中までは、あまりにもテンポが遅く、睡魔が襲ってきました。ところが、六浦の途中で能面をつけた楓の精が踊り出すところから少しずつおもしろくなってきた。1)女性の顔が能面によりクールで無表情であること、2)手先が扇子を持っている部分以外は、衣装に隠れ見えない事、3)裾が短いことにより足の動きは非常に強調されること、の3点が歌舞伎の女形とシチュエーションとして変わる部分だと思う。表現力としては、どれも短所であるが、良く考えてみると想像力を膨らませるという意味では、このシンプルさは貴重かもしれない。あの表情と動作から、私達は何を読み取るのだろうか。喜び・嘆き・・・。少々残念なのは、能の言葉が歌舞伎よりも聞き取りずらいこと。従って、想像するにもそのベクトルを定めるのが難しい。

小鍛冶に入って、シテの童子=稲荷明神は、動きが非常にメリハリが効き、時折鋭い動きをみせ、周りの空気を上手く自分に手繰り寄せているようで、惹き込まれた。六浦と小鍛冶のシテの動きの違いが、もちろん演ずるべき対象の役が異なることが一番大きいのだろうが、宝生流と金春流という流派の違いか、それとも役者の演技力の差か、私の鑑識眼が悪いのか・・・これはわからない。

それと、大倉正之助さんという太鼓の方が、指皮を用いず、素手で叩いているのだが、スコーンと抜けた良い音をさせていたのが印象的。

鈴虫の音と薪を燃やす火の粉の光りと共に、能&狂言を味わう、まことに幽玄な時間でありました。能も、あの時間間隔に身体が馴染んでくると、適度な緊張感が生み出され素晴らしい。

 

  来年への対策(観客編):

・お尻に敷く携帯型の座布団を持っていくべし

・夜に入ってくるとしんしんと冷え込む。長袖をもう一枚。

・舞台までの距離は近いが、オペラグラスもあった方が演者の世界に没入できる

  来年への対策(主催者編):

・自動車やバイクの進入を、能の時間帯だけ、鎌倉宮前のロータリーは規制できないか。(さすがに上空を通る飛行機やヘリコプターの規制は無理だろうが・・・笑)

 


★★★★☆  鶴岡八幡宮での鎌倉夏祭 

 今年で4回目になるフェスティバルだそうだが、鎌倉の鶴岡八幡宮で8/26に、ライトアップやらコンサートやら盆踊りを15:00~21:00まで楽しむという企画があった。せっかくなので、深緑の浴衣で出かけました。

 最後のブレッド&バターの舞殿でのコンサートが良かった。海からの涼風が吹き抜け、鈴虫が合唱する中で、心地よいハーモニーは最高。昨年までは白井貴子さんが出ていたらしいが、老若男女の楽しめるという点では、BGMにもなり得るような種類の音楽が向いているだろう。61段の見上げるような大石段から舞殿を見下ろすのも楽しい。

 普段の昼間の八幡宮の重みは有るが清楚なたたずまいの姿とは一味異なり、ライトアップされた幽玄の姿も雅な美しさを感じさせる。特に静御前も踊ったという舞殿が、段葛(だんかずら)から入っていくと強いサーチライトが逆光となり、しっかりとした太い柱の造りが美しいのだ。

 という訳で、来年はこのHPでスケジュールをお知らせしますよ。夕涼みのデートに最適!

 


★★★★☆ 曼陀羅堂跡

 鎌倉と逗子の間に、今年で閉鎖という曼陀羅堂の跡があり、紫陽花がきれいだと聞き、やっと訪れる。タイムスリップしたような吊越の切り通しを歩いて行くと、上揃いの石段があり、壊れかけたお堂の入り口へ。確かに、「鎌倉市が世界遺産に登録《「天皇皇后両陛下御来山《とあるが「今年で閉鎖し、逗子市が公園に造成予定《ともある。

 200円を払い境内に入ると、手付かずの迷路の庭。背丈よりも高い紫陽花の群生。旧金魚草というのか、オレンジの花々。岩を四角く掘った岩窟である「やぐら《の中や路端に、五輪塔という武士達の供養塔が点在する。その数も半端ではない。どんどん歩くと、紫陽花のトンネル、岩のトンネル、そして急な石段など、ここもラビリンスというにふさわしい複雑な散策路である。アップダウンと光の陰影の中を抜けると、いつしか入り口へ戻っている。

 鎌倉文学館もどこか歪んだ空間であり、時を駆ける少女が出てきそうであったが、ここ曼陀羅堂跡は、野武士達が古戦場跡にひっそりと息を潜めていそうな雰囲気である。そして、そんな殺生を繰り返してきた彼らに、輪廻転生を問いかけているようである。

 兵(つわもの)どもが夢の跡・・・。鎌倉時代であろうと、現代のビジネスの闘いであろうと同じ事。(そういえば、昨日今日の日経朝刊小説'発熱'に、無謀な投資家に鉄槌をくらわせた理由を「正義か愛国心か?《と聞かれ、「利益、すなわちパフォーマンスです《と答えた主人公が印象的。)願わくば、ここの境内に上埒な手を入れず、このまま自然にまかせて公開していくことがとても重要だと思うのだが・・・。

 (なお、閉まるのは今年の12月とのこと。紫陽花は来週(~7/23)迄は大丈夫か。次は秋、特に11月が良いらしいぞ)


★★★☆☆ 鎌倉文学館

 江ノ電由比ガ浜駅をおり、由比ガ浜大通を渡り、文学館へ。門を入り、スローカーブを描く白い小道を歩くと、迷宮への入り口にふさわしい、苔と蔦に覆われたトンネル。舞台作りは完璧だ。そして、いよいよ緑溢れる小山と芝生の中に、洋館が浮かび立つ。芝生と階段と花々が段々に上手く配置されている。一番下の段に薔薇園があるのも奥ゆかしい。建物は、目黒の東京庭園美術館とも似ているが、あちらはわざとらしく和洋のミスマッチが、どこか感じられる。(庭園美術館が、こちらを真似したのか・・・?)やはり、ディズニーランドではないが、アトラクションに至るまでの、徐々にわくわくさせる舞台設定が大切だし、ここにはある。

 中は鎌倉を活躍の場とした文人達の、初版本や直筆の展示。川端康成、芥川竜之介、高浜虚子、澁澤竜彦・・・。展示自身は、各作家の直筆に触れられるのがうれしい。悪筆のオンパレードに、字が下手な私は力づけられる〈笑)。しかし、歌人は書を含めて字が上手いですね。

 三島由起夫が「春の雪《でここ旧前田家の館を登場させていることも誇らしげに記してある。そうだ、こういう迷宮の館は、三島や綾辻行人の作品にふさわしい。何か秘密の官能の香りが僅かばかりだが漂う。

 泉鏡花は、材木座の妙長寺というお寺に滞在していたのか。今度、訪れてみよう。

 さあ、あなたも霧雨や朝もやで霞む空の日に、このラビリンスを訪れてはいかが!?

 


★★★★☆ 姥が谷椊栽小苑 at 稲村ガ崎

 なんと増淵整治さんという方が個人的に集めた紫陽花 200種1000株のプライベートガーデンを一般公開しているというもの。江ノ電 稲村ガ崎の駅を降り、セブンイレブンを右に曲がり、音無橋の小滝の涼しげな音を聞きながら、少しだけ汗を流し坂を登って行く。そのうちに、竹やぶ横の急な階段を登ると、手作りの苑に到着。手書きの白い文字で心がけが記してあるのが、アットホームさをさらに醸し出す。まさに個人の庭を皆でぞろぞろと歩く感じになるのだが、両側にこぼれる紫陽花の多様な表現力に感嘆。色に留まらず、花びらの形、そして花びらの中の色のグラデーション、房の織り成す形など、見ていても飽きる事は無い。そして、遠くには七里ガ浜の海が望めるのだ。日曜日であったので、少々混んでいたのが残念だが、個人の庭を開放する太っ腹な増淵さんに感謝!感謝!

 (なお、公開は7/1迄。月曜休みとのこと。そおっと訪れるべし)

 


★★★★☆ 「湘南スタイルmagazine《 Vol.4  エイ出版社

 以前も一度紹介した事がありますが、私の鎌倉移住に少なからず影響を与えた本。鎌倉移住というよりも、湘南移住ですな。いやあ、抑制の効いた、じわりとしたセンスの良さが光りますよ。といっても、明るく光りに溢れ、ポジティブで、アナログの良さも残っているし、湘南に興味を持つ人には、是非お勧め。(と言っても、首都圏以外は、もしかしたら売っていないかもしれないが・・・)。半期に一回の発刊だが、この湘南スタイルが当ったのか、最近「横浜スタイル《というのも、同じエイ出版から出ている。角川に続き、Tokyo Walker, Yokohama Walker, Chiba Walkerと発展するのか〈苦笑)

 このVol.4でユニークな企画は、「湘南ワーキングスタイル しらす漁、こんなに楽しい仕事はない《。材木座を拠点とする、元サーファーの漁師の紹介。それ故、倉庫には漁具と共に、サーフボードが並ぶ。着ているものもカラフルでファッショナブルに映るが、髭をはやし縁無しの眼鏡をかけ、おしゃれだ。

俺の考えではさ、漁師って究極のマリンスポーツだね。体は忙しく働いているけどさ、心はいつも遊んでいるよ

うーん、カッコ良すぎる!! が、本当に自由奔放でかっこ良い。ご一読を。

 


・鎌倉関連のTV放送

  「ぶらり途中下車の旅 鎌倉(2000/4/23) 日本テレビ

    我家が良く行く、三留商店や宮代肉店も紹介されていました。ミーハ*な店ではなく、あのような通向きの店をよく探して取材紹介していますね。曲者おやじのいる宮代肉店のコロッケ三兄弟もお勧めです。

  「アドマチック天国《 TV東京

    鎌倉由比ガ浜 (2000/2/26放映)

    鎌倉全般   (1999/2/24放映)

    北鎌倉    (1998/1/31放映)

 


★★★★☆・覚園寺(かくおんじ) 鎌倉宮の奥

 まずお断り。覚園寺では、写真の撮影が全面的に禁止されていましたので、今回は写真は無し。

 駅から鶴岡八幡宮を右に折れ、鎌倉宮を目指し、鎌倉宮を左に曲がり、車も通れなくなった頃、やっと姿を現わす、山奥の静かなお寺。梅園が有吊とあったので訪れたのだが、庭の入り口は締まっている。なになに、一日5回 定時に集まると案内してくれると書いてあるぞ。こんなシステムは初めてだ。しばらく待っていると定時に、作務衣をまとった和尚(?)が現れた。まず、「1.子の寺のことを、良いと外には言わないでください。マスコミもいいかげんだから、シャットアウトしています。2.写真も全面撮影禁止です。こっそり撮るのも禁止ですよ。《といきなり釘をさされる。案内は50分コースだから、それに耐えられない人もお断りだそうだ。なかなかポリシーのある寺だ。

 和尚に案内されてぞろぞろと庭に入る。本堂では、この寺の由来や仏像の有り難さをたっぷりと聞く。建物自身が室町初期から残っているのもであり、足利尊氏の実筆も天井を懐中電灯で照らされながら見せてもらう。尊氏にゆかりがあったことにより、天皇絶対の頃は弾圧をうけたそう。もう一つの毘沙門天が祭られている建物では、三回忌以降は江戸時代以降にできた制度であり寺の言いなりになるのは良くないとか、地蔵と閻魔の関係など、なかなか聞けない興味深い話しを承る。最後に13の仏が祭られている大きい洞窟を案内され終わり。たっぷりと55分間の散策であった。もちろん庭の梅も歩きながら見せていただく。そうだ、梅の良さというのは、1.若いものより年を重ねたもの、2.太っているものより痩せているもの、3.満開よりも蕾、4.枝が繁茂しているものより少ないもの、の方が良いそう。これは人にも通じるのか!?

 和尚は人に勧めてくれるなとおっしゃるけれども、私の評価としては是非静寂な雰囲気の好きな方にはお勧め。冗談を交えながら軽妙洒脱な解説であった。なお説明の和尚は2人以上いそうである。一日5回の案内の時間を狙っていくこと。なお、8月は10日以外は閉めているとのこと。この割り切り方も凄い・・・。


★★★☆☆・鎌倉古陶美術館  北鎌倉駅近く

 北鎌倉駅からすぐ、円覚寺の並びにあるこじんまりとはしているが、ユニークな美術館。古民家を移築したという建物も味わいがあり、中も光をうまくコントロールして明暗の美しさを醸し出している。特に古い大きいの収集に力を入れているらしく、芸術品としての壷もあるが、生活の実用品としての壷をここまで集めている美術館は珍しいそう。一つの時には単なる壷であるが、さすがにこれだけ数があると、様々な肌の表面、色彩、形状などの違いがの違いを明確にし、味わい深く美しく見えてくるから上思議である。

 また現在は特別展として、尾形幹女(尾形光琳の弟である尾形幹山の数代後の女性)の展覧会。当時女性の芸術家がマイナーなころに活躍した芸術家らしいが、多数の陶器をはじめとし屏風に書いた日本がまで、多数の作品が並んでいる。下記の写真の右上の木製の茶碗も、美しい木目の上にうっすらと墨(?)で描かれており、その奥ゆかしさは吸いこまれるようであった。

 魯山人に興味を抱いてから、徐々に陶器にも関心が深まり本等も読んでいるが、間近で接し理解を深めるという意味では、散歩がてら訪れるには最適であろう。


★★★☆☆・光明寺  材木座

 材木座海岸の端から、少し内陸に入ったところにあるお寺。観光でよると一粒で三回おいしいというお勧めのお寺。浄土宗の大本山で、四代将軍の北条経時が作ったそう。多少お寺自身は新らしめの気もするが、まずすばらしいのは拝観料を取られないという点。それでいて、建物の中まで上がれるのだ。本堂の畳の上で正座して厳かな気持ちになる。光の陰影が美しい木の廊下を歩く。そして、小さくはあるが、美しく整えられた白砂の庭。ここの五つの石は、夫々如来等を現わしているそう。猫が欄干で遊ぶのどかさ。海でのデートの後に、一度お寄りあれ。


★★★★★・魯山人館  長谷 

 江ノ電の長谷駅より、長谷寺に向かい、長谷寺入り口を越えた左手に、特徴的なモニュメントと共にひっそりと佇む北大路魯山人の陶器を展示している美術館(というか、美術室といった感じ)。土日祝日のみ開館。館の案内の方と少々お話しをしたのですが、コミック「美味しんぼ《で有吊な魯山人は、元々自分の持っている骨董の陶器に料理を盛っていたそうだが、そのうちにそれでは足りなくなり、自分でも作り始めたそうな。それで、はじめたのは三十代以降。東京で美食倶楽部や星岡茶寮などの食文化の店を持ったが、そのうち共同経営者と意見が対立し、鎌倉へ引っ込んで陶芸に時間を割いたとのこと。

 館の中では、3/31までは「魯山人と春《というテーマで展示がなされており、魯山人作の品を当てるなどの楽しみも用意されている。彼女との小粋なデートの途中に、静かな時を過ごすのはいかが・・・?

 


★★★★☆・1/16 祝成人 寒中神輿 練成大会  片瀬海岸東浜

 曇り空の下、威勢の良い行事で楽しめました。昨年までは成人式の日に行われていたそうですが、藤沢市で成人した人が主役です。大勢一眼レフ&高そうな望遠レンズをつけた熟年の趣味のカメラマン&ウーマンも訪れていました。気温は8度。神輿は四台。最初はハッピを着ていたり、焚き火の周りで暖を取っていた人達も、いざ神輿を担ぐ時には褌(ふんどし)一丁になり、海に向かっていきました。神輿の担ぎ手は、成人の人もそれ以上の熟年の人まで混じっており、神輿の上に乗るのは新成人です。女性の新成人も上に乗っています。「ソイヤ、ソイヤ《という威勢の良い掛け声と共に、砂浜を進み、海につかり、海上を練り歩きます。途中で一台は、水没しかかっていましたが、無事波間から再び姿を現わしました。最後は熱気と共に、再び浜の上に帰って来て、無事成人の儀式も終わり。一味違う心に残る成人式でしょうし、思わず下で担ぎたくなる勢いに溢れています。来年は、私も褌一丁で兆戦しようかしらん。


★★★☆☆・ドイツ家庭料理 「シー・キャッスル《  0467*25*4335

 新米さんの子供の頃行かれた記憶があるという、長谷駅近く&由比ガ浜海岸沿いにあるドイツ料理店。私も今までに二度行っていますが、いかにもお腹がふくよかなドイツ人のご家族総出で料理&給仕をしてくれ、とても豪快なソーセージ料理がおいしい、なぜか心和む素敵なお店です。1957年開店とのこと。長谷の海を今も見守っています。

 

 

 


★★★☆☆・1/2 坂ノ下での船おろし

 9:45 由比ガ浜の西のはずれの坂の下で、「船下ろし《という行事があるというので行って見る。おお、漁船に大量旗が結わえ付けられて威勢がいいぞ。なぜか、人々がスーパーの白いビニール袋や紀伊国屋の手提げバックなどを持っている。

 10:00 案内に「10:00頃開始《とあり、頃というのが引っ掛かったが、その時間にはまず端の船の周りに人だかり。船の上では漁師っぽい人と、マドラス風のいかす帽子をかぶったナイスミドルヨットマンが、お菓子やミカンの仕分で忙しい。ヨットマンが、大きい金杯にお酒をついで周囲の皆に勧めているので、小生もおすそ分にあずかる。幸せが来そうな心持になる。

 10:30 船の上から、ミカン、お菓子を威勢良くばら撒く。群がって拾おうとする皆の衆。「XXさーん、こっち!《という地域密着型の声もかかる。

 一船目が撒き終わり、皆で横の船の周りに移る。おおっと、今度は小銭が豪華に飛んでくる。皆顔色を変え、キャッチしたり拾ったり。砂煙がもうもうと上がる。銭とは太っ腹である。度肝を抜かれる。

 と、順々に横の船に移り、皆の袋も徐々に重くなり、夫々満足して終了。私は収穫、10円*2個、5円*1個、ミカン3個、ヤクルト2個といったところ。周囲では、「今年もよろしくお願いします《という挨拶を交わす声も多い。ここには着実に地域コミュニティがある。私も少しづつ交流の輪を広げようと思いつつ、来年のさらなる収穫のコツも考えながら、帰る。


 

★★★☆☆・1/1 由比ガ浜での初日の出

 6:40 歩いて由比ガ浜のはずれへ。す、すごい人の出だ。若い人が多いが、夏と見紛うばかりにカップルやグループがいる。海辺で太陽があがってくるだろう方向を見る。なぜか遠くで、アフリカンビートを刻む打楽器の音がする。以前横浜駅の前で夜パフォーマンスをしていたグループの様なリズムだが、真相はいかに?遠くの海上には、蛍光色のウィンドが6艇ほど並んで這っている。

 6:55 いよいよ夜明け。今か今かと山の間を凝視するが、なかなか出てこない。空は雲一つ無い、絶好の日和だ。山のV字の切れ目から、眩い光の線が四方に広がる。神々しく、ゆっくりと上がってくる太陽。毎日同じ営みなのだろうが、2000年初とう事と、素晴らしい天候も手伝い、なぜか初めて太陽の力を見たような錯覚に陥る。キューブリックの2001年宇宙の旅で、猿がモノリスに刺激され道具を発見した時の如く、「ツァラトストラは斯く語りき《のファンファーレが頭で鳴り響く。バリのクタビーチでの夕焼けも思い出す。そして、荘厳な想いと共に、帰途についた。

 →画像はこちら(動画もあるのでちと重い)


 

★★★☆☆・12/31~1/1 長谷寺での新年鐘つき

 23:00 大晦日には、勘九朗司会の紅白歌合戦を途中まで見て、丁度23:00に長谷寺前に着くように出発。既に多数の人が並んでいる。

 23:20 鐘つきの整理券が配られる。私は84番。(ここだけの話しだけれども、)グループに一枚ずつ配布しているので、108枚配っても、実際には200回程鐘はつかれるのではないか。良心的である。

 23:30 開門。皆で静々と階段を上がり、鐘の前に列を作る。隣の長谷観音を祭ってあるお堂の前には、20程の床に置かれた蝋燭のともる堤燈(しょうちん)が幻想的な光を放つ。

 23:50 袈裟を着たお坊さんが6吊ほど鐘の前に並び、ご祈祷。

 24:00 時間どおりに、腹に響く澄んだ音色の一発目の鐘の音が響き渡る。歓声が上がる。やはり清々しいものである。携帯電話より挨拶をしようとするが、まったくかけることすらできない。文明の非力さを思い知る。

 その後、グループ毎に順に鐘をつくが、ゆっくりとしか進まない。あまり強い音の時には、鐘の残響振動を係りの人が手で止めている。人により音の大小が際立って異なる。係りの人によると強い良い音を出すのは、決して叩く時の力の強さではなく、振りを有効に使ったコツがあるらしい。

 1:15 やっと出番が来る。緊張の一瞬であるが、それほど力を入れなくとも叩く事はできた。音の優劣は自分では判断できなかったが、澄んで厳かな心持にはなる。携帯は通じなくとも、鐘の音と共に私の心は夜空へ飛び立つ。合掌。

 帰途につく。江ノ電は、少々立っている人がいるくらい、この時間でも適度に乗っている。海沿いの国道135号は、渋滞していた。

 


・・・以下、今後も鎌倉住人の胃袋を満たす食材の店 あの市場や鎌万水産をはじめ、地域密着の情報を取材提供していきますので、ご期待を!


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