諏訪田製作所の爪切り

　実家にとても使いやすい爪切りがある。ニッパーのような形で、手の爪も足の爪でも、さくさくと思い通りのラインに切りそろえることができて、切り口も毛羽立たず、とても使いやすい爪切りだ。

　一人暮らしをしたときに似たような爪切りを買ったこともあったのだが、どうも感じが違う。恋い焦がれるソレが、新潟県の諏訪田製作所というところの製品だと知ったのは、つい最近のことだ。さっそくWebで検索し、オークションで一番ベーシックなヘアライン仕上げのクラシックというモデルを手に入れてみた。

　 久しぶりに手にしたのだが、超精密な工業製品の様な仕上がりに、思わず手に汗したと言っても大げさではない。試しに爪を切ってみたが、パキッパキッと心地よい音とともに、寸分の狂いもなく爪がカットされていく。切り口は非常になめらかで、ヤスリがけなど全く不要だ。妻はストッキングに引っかかると言っていつも丹念にヤスリがけしていたが、使わせてみると「スゴイ」を連発あと、「信じられない」とまじまじと眺めていた。

　素材は「ハイカーボンステンレス鋼 SUS440」というのが使われていて、諏訪田製作所の解説によると、「高級カスタムナイフ用のステンレス鋼材。炭素が多く含まれていて硬く、刃の消耗が少ない。」ということだ。私が手に入れたクラシックの他、鏡面仕上げのミラー。さらに磨きをかけて専用ケースが付けられたスーパーミラー。女性向けの小柄なレディー。つや消し黒塗装のブラックの5種類がラインアップされている。

　久しぶりに職人芸を見せつけられた逸品だ。クラシックなら通販サイトで4,000円台で購入でき、刃研ぎ・調整・バネ等の部品交換などのアフターサービスもするとのこと。爪切り一つに数千円というのは高い気がするかもしれないが、満足感は最高である。

• 諏訪田製作所
  http://www.suwada.co.jp/

2001/06/16