● ”みらい館”のテレビゲーム
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by 寺町電人 Dento Teramachi
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以前、どなたからかいただいた意見に「私も寺町さんと同じく、スーパービジョン8000(以下SV8000)はつまらないと思います」というのがありまして、「え?!」とたじろいた覚えがあります。確かに私はオデッセィのキャラクター達に、事あるごとにSV8000はつまんないと叫ばせていました。が、私自身は全くの逆で、SV8000の魅力に惚れ込んでいる人間です。
私とSV8000との出会いは高校図書館の大掃除でのことでした。といっても実機ではなく、本の整理中に、パソコン誌か何かに掲載されていた紹介記事です。そこには円形コントローラーを装備した不思議なフォルムが写しだされていました。名前はなんだかややこしくてすぐ忘れてしまいましたが、その未来的なフォルムだけは頭にこびりついたのを憶えています。以後、10数年振りになるでしょうか。バンダイ取材で見つけたカタログに興奮し、実機をとあるおもちゃ屋で見つけた時には、興奮が沸点に達しましたっけ(しかし持ち合わせが無く、給料日まで待つという始末)。
SV8000のでプレイできるビデオゲームというのは、オセロなど一部を除いて完成度が低く、お世辞にもおすすめできるものではありません。が、キャラクターの動きのにぶさは、科学センターで実験機に触れている楽しさに近いものがあり、青色に白キャラというSF映画のモニターのような映像表示には、スペーシーな未来コンピュータを夢見ることができます。
それは最近の傾向に沿って言うと、ミッドセンチュリー家具を愛しむの同じ心象なのでは?となるでしょう。60年代のSF電子音楽「スペースエイジ・バチェラーパッドミュージック」に連なる、SF未来科学への憧れと同じワクワク感。いいえ?私の場合はかなり特殊で、そういうおもしろくないソフトを遊ぶのが楽しいんです。いや、ホントですってば。(^^
ただ、ゲームと同じくらいに、SV8000にただよう近未来感というのが大好きなのはまちがいありません。付け加えるなら、同じ近未来感でも、日本的泥臭さが漂う近未来感。今だ地方の展望台やホテルに行くとあるじゃないですか。赤いコイン印字機や案内板、ロビーや館内テレビのレトロモダン機器。ああいう感じにアンテナが立つタイプなのです。その骨頂を昭和45年の大阪万国博のパビリオンとするならば、SV8000はそうですね、まるで「みらい館」か何かから抜け出して来たような、空想未来のテレビゲームに思えてしまうのです。あかぬけない旧バンダイのロゴ、昭和の計算機みたいなテンキーパッドのフォント・・・。
テレビゲームが不思議ですごくてかっこよかった時代のあこがれと、レトロフューチャー感覚はどこか似ている感じがします。大人のテイストですよね。子供にはわかんないという。でも、そんな感覚を、SV8000を一目見たときから感じていた私って、やっぱりヘンなやつでしょうか?
(2002/3/17:REWRITED)
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