●アーケードゲーム

サーカスの”ぱちもの”(1977?)
 (c)??/30sec./63.6KB シーソーで弾んで風船を割るエキシディ社の名作ゲーム(右参照)を、どこかのメーカーがコピーしたもの。コイン投入音も聴きどころ。

サーカス(1977)
 (c)EXIDY/1min./130KB こちらが本物のサーカス。ジャンプの音と着地ミス音がニセものに比べて上品です。比べてみましょう。

ブロック崩し(1976?)
 (c)??/46sec./97KB アタリ社が発売したブレイクアウトは日本に輸入され多くのコピー品が出回りましたがこれもそのひとつ。このソリッドな音がたまらない人もいるはず!でも、ツボはむしろ最後の「呼び出しアナウンス」?
ゲームサウンドの歴史について
〜アーケードゲームから電子ゲームまで〜

 ゲームに音がないなんて、クリープを入れないコーヒーのようなものですが、なんと1958年に生まれた世界初のテレビゲームは、すでにゲームサウンドを奏でる機構がついていたようです(詳しくはテレビゲームの歴史をどうぞ)。
操作ボタンを押すと同時に金属製のノッカーを「ガチッ!」と響かせるからくりですが、電子音で無いにしろ、これはもう立派なゲームサウンドだと言えるでしょう。

さて、おそらく業務用アーケードマシンで最初にサウンドを奏でたのは、PONG(ATARI/1972年)だと思われます(←※まちがい。実は、世界初の電子アーケードゲーム「コンピュータースペース」がすでにサウンドを出していました)。ボールをラケットで打つとその名のとおり「ポン、ポン」と効果音が出ました。
その後のBREAKOUT(日本名:ブロック崩し)なども、同じく「ピッ」「ポッ」という音のみでした。

効果音だけではなくゲームミュージックとなると、音の回路が複雑になることから、大分と後の1977年頃のCIRCUS(EXIDY/1977年)になります。

家庭用テレビゲームで最初にサウンドを奏でたのは、同じくアタリの家庭用PONG(1975年)でしょう。これも本家と同じく「ポコ」「ポッ」という効果音のみでした。本格的なゲームミュージックとなるとアタリVCS(77年)以降の、マイコン仕様のテレビゲームの登場を待つことになります。

サウンドの動作原理自身はたいへん簡単です。スピーカーに電圧をかけてやればブーという音が出ますので、これを回路で時間や電圧の大きさを変えてやります。宇宙船に弾が当たったかを判断する回路があるならば、同じタイミングで信号を音を発生させる回路に送ってやります。
マイコン仕様もそれ以前も、出力の原理は同じなのですが、プログラム制御ができるようになれば、ブザー音をタイミング良くオン/オフにすることがかんたんに出来るようになります。ド、レ、ミという音階をあらかじめプログラムで作っておき、譜面からゲームミュージックをつくることが出来るようになるのです。

アタリVCSの頃は、効果音機能をプログラムによって音楽に流用しているのでちょっと苦しいものがありましたが、スーパービジョン8000(バンダイ/1980年)やインテレビジョン(MATTELLE/1980年。日本でも82年にバンダイから発売)あたりから、シンセサイザー専用のLSI・通称PSGを搭載し、UFOやモンスターの豊かな効果音を出すことができるようになりました。

ファミコン(任天堂/1983)はPSGチップは高いと、独自仕様の音源チップを使っていましたが、87年のセガマスターシステムでFM音源を採用する頃までは、このようなPSGチップが家庭用ゲーム/パソコンの音源として長く使われていました。

アーケードゲームでは、ゲームごとにハードの仕様を変えたり、家庭用ゲーム以上に制作費をつぎ込めることから、早くから表現力豊かなFM音源チップや生音を再生できるPCM音源チップを搭載してきました。 レコードにもなった87年のアウトラン(セガ)では、8声のFM音源チップと、贅沢にも5声のPCM音源(ドラム音)を搭載しています。

電子ゲームについても少し触れておきましょう。電子ゲームの場合には、スピーカーにあたるブザーを震わせて音を出します。音階はその震わすタイミングによって表現しています。その手順はLSIチップにプログラムされています。音質うんぬんは、基本的にブザーを震わすだけなので、本体内にあるから少しリバーブがかかるといった程度で、どれも大差ありませんでした。

ところで、電子ゲームはコストを下げるために、1つのLSIに映像から音から操作入出力まですべてを制御させています。ですので、よく見ると音が出ると同時に、画面がコンマ何秒消えたりします。並列動作ができないわけですね。このため、ひっきりになしに流れるBGMなどは負担が大きすぎて敬遠されました。後半は大分と改良されてきましたが、長い曲のたいていは、オープニングやゲームオーバーなどにまとめて演奏されていました。


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