スライドロングヒンジの取り付け

準備する物
  • +ドライバー
  • 六角レンチ
  • グリス
  • 純正ジャッキ
  • グラインダー(今回使用したヒンジの場合)
  • 錆止め用の塗料(今回使用したヒンジの場合)
  • 純正ヒンジ(今回使用したヒンジの場合)
  • (必要に応じて)ワッシャー
スライドドアの車両にオーバーフェンダーを取り付ける場合の宿命、スライドロングヒンジの使用。 スライドドアの開閉が重くなったり引っ掛かったり、はたまたドアの沈みこみや最悪の場合はヒンジがポキッ!!なんて話を良く聞き、 商品の品質について最もうるさく言われている部品です。商品のタイプとしては付け根からローラーの部分まで完全に作りこまれた物と、 付け根からヒンジ可動部のみでローラー部は純正部品を流用するタイプがありますが、今回紹介するのは後者です。 オイラは今回で3回目の取り付け作業となりますが、全てこのタイプだったので前者の取り付け方はよく知りません。 ただ、多分どちらのタイプにも共通して言えることは、ネジの締め方一つで微妙に調整が利く(悪く言えばそれだけ取り付けが繊細)ので きちんとした微調整が出せればドアの沈み込みも少なくなり、それなりにきちんと開閉も出来て引っ掛かりも少なくなるので 結果的にヒンジ与えるストレスを軽減→破損する可能性も少なくなると思います。時間は掛かりますが一日掛かりで調整する気持ちで作業した方が良いでしょう♪
事前準備として、スライドレール末端にある画像の部品を+ドライバーで外します。
次にスライドドアの内張りを外します。バンや特装車の場合、画像の部品を+ドライバーで外すだけで内張りは外せます。ワゴンは見たことが無いので判りません。 内張りを外すとスライドヒンジ付け根が2本のボルトで留まっているのが見えるので、六角レンチを使ってスライドドアを半開きの状態でゆっくり緩めます。 ある程度緩めたら、ジャッキの頭にウエスを巻いてスライドドアの下部にあてがい、水平になる位置で固定します。 スライドドアが落ちないよう慎重にボルトを緩めて外し、ヒンジのボディ側を抜きます。ローラー側は事前準備で外した場所から抜きます。
スライドドアはヒンジを外したことで大きく外側に開くことができるので作業し易い位置まで開き、ロングヒンジの付け根を収める加工をします。 画像は既にロングヒンジを収めた状態ですが、この部分の鉄板をグラインダーで切り取ります。切り口のバリは綺麗に落とし、錆止めとして適当な塗料を塗っておきます。 この時点で一度内張りを戻し、鉄板を切ったのと同じ場所を内張りも切り取ります。
ロングヒンジのローラー側は純正を利用します。取り外した純正ヒンジの可動部分がピンで止まっているので、 このピンの頭の片側をグラインダーで削り、ローラー側を外します。画像は加工後の残骸です。 上に見えるのがピンで、ピンの下部を削りました。ピン、スプリング、ヒンジのボディ側は使いません。 ちなみに純正ヒンジは新品を注文しても1?00円だったと思うので、失敗しても大丈夫!!気楽に加工しましょう。
ロングヒンジとローラー部をボルトナットで固定し、ローラー部はグリスアップしてからスライドレールに通します。 スライドドアを元の位置まで戻し、高さを調整しながらヒンジをボルトで固定します。きちんと固定したらゆっくりジャッキを降ろします。 あとは内張りとスライドレール端の部品を戻せば取り付けは完了です。
  ここからが肝心の微調整ですが、調整する場所として、【スライドヒンジの付け根】【ヒンジとローラーを留めているボルトナット】【ストライカー】の3点あります。 自分の車両の状態を良く観察しながら各箇所を調整していきます。画像が無いのでヤヤコシイ説明かも知れません。すみません。

【スライドヒンジの付け根】
スライドドアを開けた状態でドアが極端に沈み込んでいる場合に調整します。一旦ボルトを緩め、ドアをジャッキで持ち上げた状態でボルトを締めなおします。 真横から、真後ろから、よく確認しながら締めましょう。物理的に多少の沈み込みは否めませんが、コツとしては水平より若干高い位置で固定すると良いです。 また、ドアの使用過程でいつの間にかドアが沈んでいる場合があります。ヒンジの強度が弱いせいだと思われがちですが、 ドアの重みは相当のものなので、ヒンジのせいにする前にもう一度この調整をし直しましょう。大体がこの調整で改善されます。

【ヒンジとローラーを留めているボルトナット】
ドアを開閉する時にスライドレールとローラーが噛み込む様な感じがして動かない。もしくは動きが重い。室内から開け難い場合の調整方法。 これが一番危険な状態です。最もヒンジにストレスが掛かっている状態で、このまま使用していると間違いなくヒンジが折れるでしょう。要調整。 純正のローラーをロングヒンジに取り付ける際、きちんとした精度の製品ならヒンジの斜めに削られて加工されている部分にきちんと当てた状態でボルトナットを締めれば問題ないはずですが、 この位置がずれているとスライドレールとローラーの接地面がズレる様です。きちんとヒンジに当てた状態で固定していても直らない場合、 ヒンジとローラー間の斜めに加工されている箇所にワッシャーなどを噛ませて角度を調整します。(画像が無いと判り難いですね^^;) また、この部位も使用過程でずれることが多く、使っているうちにドアの重みを感じてきたら早めにチェックしましょう。 ボルトが緩んでいる場合、開閉の度に斜めに加工されている場所に当たって角度が変わってしまう可能性があります。

【ストライカー】
ドアが閉まる瞬間に大きな音がする。ドアを閉めても跳ね返されて閉まらない。ドアを開ける瞬間に大きな音がする。 ドアを開ける瞬間に引っ掛かり感がある。ドアが開かない。こんな時はストライカーをチェック。 ちょうどスライドヒンジと同じ位の高さにある、ボディ側に付いている突起物がストライカーです。 ドアをゆっくり開閉して観察すると判ると思いますが、このストライカーがドア側の受けと干渉していることが多いです。 まず、明らかにストライカーと受けの高さが違っている場合、ストライカー調整の前にスライドヒンジの付け根の調整をして下さい。 微妙に干渉している場合、ストライカーの上下で干渉している場合はストライカーを固定している上下のネジを外してストライカーの付け根にワッシャーを噛ませ、 ストライカーの向きを上向きor下向きにして逃がします。ストライカーの頭の突起が干渉している場合、上述した要領でストライカーの上下同じ厚みのワッシャーを噛ませ、 上下位置を変えずに頭を前に出す感じで逃がします。もしくは、ストライカーの頭の突起部だけをグラインダーで削り落とします。

注意点
作業のコツ
  • 加工中、スライドドアをジャッキで浮かせておくだけなので非常に不安定です。人の出入りの多い場所での作業は避けましょう。
  • 室内、室外を出入りしながら作業した方が作業性が良いので、スライドドア以外の場所から室内に出入りできる状態にしておいた方が良いです。 スライドドアの窓ガラスが開閉できる場合はここからの作業も可。
  • イージークロージャー付きの車両はイージークロージャーに頼りがちですが、きちんと調整されていない状態ではイージークロージャーへの負担が大きくなってしまうので イージークロージャー無しでも開閉できるくらいに調整するつもりで作業しましょう。
  • ちなみにオイラの車は片手で純正並に簡単に開閉できちゃいますよん♪皆さんも頑張って調整して下さい。