第1回
「デジカメの画素数の話」
最近はデジカメの普及率も上がって、デジカメを購入しようとする人や、実際に使っている人もたくさんいると思います。
 デジカメを使うに当たって、重要な性能に「画素数」がありますが、この「画素数」実際に普段使う上でどれくらいあれば良いのでしょうか?

 では、その画素数って何でしょう。 画素数とは、表示されているピクセル総数のことで、一般に、記録ピクセル数の縦と横の積で求められます。
 例えば、デジカメで一般的に用意されている、記録サイズに1600×1200ピクセルというのがありますが、これを画素数にすると、まさに1600×1200の1920000となり、約200万画素となります。
 デジカメでよく言われている画素数とは、こういう意味です。

 さて、この画素数、多ければ多いほど良いう話を良く聞くと思います。でもこれって、本当なのでしょうか?
 たしかに画素数が多いと、それだけ細かいところの描写を忠実に再現することが出来ると言われています。(実際はそこまで単純ではないのですけど・・・)
 ただし、画素数が多いと、次のようなデメリットもあります。 まず、画素数が大きくなればなるほど、画像ファイルサイズが大きくなります。 それは、デジカメの処理速度に大きく影響し、1枚1枚の撮影間隔が長くなり、テンポの良い撮影は難しくなります。
 当然、容量の大きなメディアが必要にもなりますし、保存するために必要な、HDも大容量の物が必要になります。

 殆どの方は、デジカメの画像はHPの掲載用だと思いますし、印刷する人も、殆どがL判程度の大きさだと思います。 HP掲載用の場合、殆どのパソコンの表示能力が、1024×768ピクセルなので、これより大きくなることはまれだと思います。 ですから、これ以降は大は小をかねると言うことで、L判の印刷する場合に絞ります。

 では、L判サイズの写真を綺麗に印刷するには、どれくらいの画素数が必要でしょう。その前にデジカメの画素数に相当するようなものが、プリンタにもあります。 プリンタには解像度というものがあり、プリンタがどれくらい描写の細かい印刷が可能かを示すものです。それを示すのが「dpi」という単位があります。
 これは、「ドット・パー・インチ」の略で、「1インチ(2.54cm)あたりのドット(点)数」という意味です。
 例えば、300dpiというのは、1インチあたり、300ドットの点を印刷することが出来るという意味です。もちろん、dpiが多ければ多いほど、描写の細かい表現が可能と言うことになります。

 ここからは実際に、L判に必要な画素数を考えてみましょう。
 私の経験や、インターネット、書籍等を総合して述べますと、250〜350dpi程度あれば、綺麗な印刷が出来ると思います。 また、350dpi以上値を大きくしても、ぱっと人が見た場合殆ど区別がつかないと思います。(逆に考えれば、350を超えるような場合は、余程意識的にやらない以外は必要は無いと思います)
 ここでは、具体的に250dpiとします。

 L判サイズをインチに変換すると、以下のようになります。

 12.7cm × 8.9cm が標準的なL判サイズになると思います。
 それぞれの数字を、2.54で割り、インチサイズになおします。

 12.7/2.54 = 5.0 インチ
  8.9/2.54 = 3.5 インチ

 となります。

 印刷する時の印刷解像度を250dpiとした時に、必要な画像ピクセルサイズを求めてみます。

 5.0 インチ * 250 dpi = 1250 ピクセル
 3.5 インチ * 250 dpi =  875 ピクセル

 となり、1250ピクセル * 875ピクセル = 1093750ピクセルとなります。
 つまり、L判で綺麗に印刷するのに必要な画素数は、約110画素以上となることが分かります。 これらのことから、殆どの用途の場合に、200万画素程度で記録しておけば十分なことが分かると思います。

 十分大容量なメディアや、処理速度の早いデジカメ、処理能力の高いパソコンを持っている人は、そのデジカメの最高性能の画素数で撮っても良いと思います。
 しかし、そこまで恵まれた環境の人はまだまだ少ないと思います。メディア容量や撮影テンポを考えた場合、200万画素程度で撮影するのも十分アリだと私は思います。
 実際に私がHPに掲載している写真も、150万画素程度で撮影を行っています。また、その画像データで、印刷やフォトカードも作っています。(最高画素数は600万画素ですが、殆ど使用したことがありません)


 現在、デジカメを使用している人の中で、メディア容量が足りないとか、撮影テンポが悪いという人は、今一度、自分がどの程度の画素数で記録されているのか確認してみて下さい。 そして、300万画素以上であるようなら、一度それ以下の画素数で記録してみることをお勧めします。
 自分が想像した以上に使えるかもしれませんよ。o(^_^)o