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『陰陽珠玉』 / 陰陽座
2006年 / KING Records

日本の現在進行形ヘヴィメタルバンド。自らを「妖怪ヘヴィメタル(バンド)」と称す。

1999年大阪で結成。
平安装束のようなステージ衣装を身に纏い、伝統的なヘヴイ・メタルの型を踏襲し
 “陰と陽”を並立させるコンセプチュアルな立ち位置を持つ。
特筆すべきは、男女のツイン・ヴォーカル、古語をベースとした歌詞、
そして日本の伝承文化を背景とした世界観、多様性、彼ら以外には成し得ない
革新牲を待った個性溢れる楽曲群と表現しきれない。

楽曲のヴァリエーションも豊かで、ポップなものからハードなものまで多種多様。
そのいずれもがキャッチーな趣向牲を備えているのは興味深く、まさに妖怪変化である。

・・・と、難い説明はこのくらいにして、特異なイデタチであるが故、
なかなか手を出しにくい部分は否めないであろうが、
“聴いて戦け、見て嗤え”と一喝!!したいところだ。


昨今成熟しきったバンド(各楽器演奏)技術のハードルは高く、
誰しも迷走しつつ細分化されながらも”わかりやすい”方向に流れている
現在のシーンであるが、彼らは結成時点からHM/HRの形態をとりながら
繊細なセンスを感じ取ろうとする積極的で果敢に真正面から
挑む姿勢には胸を熱くさせられる。
多様性とはよく耳にするものの、彼らにこそふさわしい言葉であると私は確信する。

リーダーである”瞬火”(Ba)は明快且つ奥深いバンドの
コンセプトを構築し殆どの作詞・作曲を手がけ、
それをプロデュースする文字通りの司令塔的存在であり、
アートワークのデザインまで手がけるという面も持つ。
そしてツイン・ヴォーカルを誇る陰陽座のもう一人のリード・ヴォーカル
でもあり、見る者を圧倒する唯一無二のうねりを放つ個性的なベーシストは
我らが愛媛県出身である。

またツインギターで圧巻のプレーを披露する瞬火の実弟”招鬼”、
高速リード”狩姦”も愛媛出身。

”黒猫”(Vo)の歌唱力、唄だけに留まらない表現力は
底知れぬパワーと魅力を兼ね備えており、
”斗羅”(Ds)のリズムは多種多様な楽曲を表現するに重要なファクター、
確かな技術と想像力で展開される。


御託を並べてもこのバンドに対する想いを、
熱い魂を伝えるには到底及ばないので、まさに
“聴いて戦け、見て嗤え” そして自ら感じてもらいたい。

さて、ようやく今回紹介するアルバムであるけども、ベスト盤(2枚組)である。
陰陽・・・相反するものの共存を巧く2枚に分けられ、
初めて陰陽座に触れる人もそうでない人にも存分に陰陽座を
楽しめる、陰陽座の魅力のイッパイ詰った内容であります。


まずはご一聴を☆