-その5-
「ガッガッガッガッ」...マーラーの第六冒頭です。
凄まじい音です。
弦バスの松ヤニが飛び散ります。
このころのDecca録音はとにかくパワフルです。
例えば1本しかないマイクの所に「オレの音を拾え!!」と全演奏者が突っ込んでくるような迫力があります。
8人乗りのエレベーターに20人乗せています。
ブザーが鳴ってもお構いなしです。
そう言ったパワフル感、躍動感を、よくこの小さな箱が再現します。
きっとスピーカーユニットのスピードでしょう。
しかし曲が進むと、ちょっと気になる点もでてきました。
中音から低音にかけてのふくよかな弦楽器のサウンドが弱い。
音域的にはヴィオラ〜チェロあたり。
こういう音はスピードだの何だのではさすがにカバーできない部分でしょうか。
例えば30畳の部屋にウエストレイクの巨大スピーカーを入れれば全てが可能なのかも知れません。
もう一つ、オケの全体的広がり感。
これもタンノイの大型スピーカーなどの感覚はちょっと無理かな?
しかし、だからこそ私の6畳間では何にポイントを置くかを決めておく必要がありそうです。
とにかく今回、私が一番何とかしたかったのは低音のスピード感、(部屋のせいもあるが)低音のゆるみ感。
よし、今回はそこに集中しよう。
そして気になる点はこれからのバージョン・アップで克服だ!!
そう考えた時、BM15Aは消えました。
安い方のアンプ内蔵しない方のBM15。
そう思ったら早いもの。
もう一度マーラーをかけてもらいます。
ローテルのパワーアンプで駆動されているのは頭の隅においてあります。
パワーを入れれば、こういう音がでるのだ。
社長さんに結論を。
「15Aは凄くいい音がするけど、今後のオーディオの楽しみをとっておくためにも15にします。
で、次はパワーアンプですね。」
今回のスピーカー交換ははっきり言って「グレードダウン」。
その知名度、格、価格、すべてに於いて。
でも自分なりの音を求める世界...楽しいものです。
(2004.05.13記)