春の風は清々しいと思っていたが、この黄砂と花粉にその言葉はお世辞にもほど遠い、、、春の雨のように、、の風情にも欠けるのは多少なりとも最近の脅威国の影響も多少はあるであろう。
Capt.Nから「巨カンパ、、ええぞ。」
「電動のお客さんがフロロ40号を電動をロックして飛ばしたけん、、、、、、、。」
と連絡は頂いてはいたものの、決意が鈍るのは歳のせいにするには、単なる言い訳にすぎない。
そんな卯月も中になって漸く重たすぎる腰を上げたときには、黒潮はかなり接近し、
「ジグ用意せよ!。」
のお言葉に・・・ああ300gかあ、、。と声がでるのでは、少々トレーニング不足の私ではあったのだが。
昔とった杵柄というのもあまり通用しない、、、のではないとは思ったりもするが、馬鹿は治らないものは定説であろう。
ただつれづれなるままに生きる我が身ならば、いくばかりか幸せな事か、、と考え込んでみても所詮は凡夫には悟り得ないのではないか、、、。
単なる生と死を見つめてみてもそれも凡夫、透明で雲の無い汚れも無いない透明な空気もあり得ない。
都会の風はますます心を蝕み、人口わずか2万と少しの小さな町にも悪夢の黄砂は訪れ、時々それが大半を占める。
ああ、何所にサンクチュアリはあり得るのか、この東洋の先進国なのか、、、。
しばしば釣師 というものは外海を目指す。
そこには、新天地があると錯覚しているのかもしれない、野生の本能なのか、はたまた煩悩故であろうか。
敗戦した国にかつてここまで発展した国があったのであろうか。
そして、この国は強大な贅沢の酒池肉林の中にあって、人々の心を蝕む。
そんなどんよりと首を擡げた邪悪な空気の中に、ふと釣師が起き上がる。
聖者でもない、菩薩でもないのに、そんな事を考えても釣り人は釣師がせいぜいであったり、凡夫の不甲斐無さを噛みしめるのである。
故郷の友人は博学であり、人の悟りが解る人なのか、多勢な邪悪にも少々逆らう骨がある。
それを4代前まではそれを「気骨な侍」といったがそれも真実は判らない。
故郷の嘗ては遣唐使船を造船していた先祖達ではあったろうが、今は故郷はただの田舎町、人口はわずか9000程度らしい。
地方の過疎化と都市部とのギャップが同居する我が国に於いて、痛感するも打開策もなくただゴーストタウン化してしまうのか。
釣人の多くも高齢化か、益々大手量産メーカーの電動化、電動推進にもうんざりするが目先の商売は得意であって、次世代への提案は殆ど無いが彼らも霞を喰っては生きられぬ仙人を決して目指さずで答えははっきり、存続であろう。
ますます愚かなことを考えても仕方の無いこと凡夫の悟、、土佐に向う。
土佐の空気は少しばかり軽く、一条家もそれをどこかで吸っていた。
ただ人を切るのが侍の仕事ではなく、侍るのが人生であって、現代にも気骨な男はいるのではないか、、、。
相変わらずの土佐人気質の前には、少しばかりストレスも潰れかけてか怯えてはいるようだ。
目を紅めてのまだ顕在振りは、少し土佐のイヨ(魚)にはやはり歴史を生き抜いた証であろう。
また北上を目指す鰹の季節でもある。
そして、“いごっそう”と“はちきん”の街にやってきたのであるが、これだけ独自であれば都会の歪んだ空気は関係ないかと思ったりもする。
景気は悪いと皆さんはおっしゃっているが、、そこは「おらんくの池」なのであったりする。
4月も中、激流のスポット’六’’に段先生が一激目を落とす。
潮はかなり早く、5ノット前後、水深110mに対して140〜150mでてしまうので射せるのは1回で2回目は170m以上でてしまう。
しかしその一流し目は300gをゴリゴリとしゃくっていた凡夫に、ずしりと重みを加えたみたいだが、、、軽く、ア、ワ、セ、、、。
「のったよ。」と求道者からの一言。
そのままポンピングするもFP5Pはまだ余裕。
FIN‐NOR ORF75からは糸は少し出る。ほんの気持ち、、、。
心は大カンパ狙いだが、凡夫らしい、悟りの甘い考えである。
「なにかね、、、。」
「ブリじゃろう、。」と中野キャプテン。流石にDNA?即答である。
段師範は余裕でFT50をポンピング、、、追加2本目。
次に凡夫兼求道者が、テンテンでYO-YO風ジャーク。
グン、、、 SU30の竿先が入る、、、、、ア、ワ、セ、、、半分向こう合わせにはなっているがバットが入るほどに軽くシャープに、、、。
NEWELL533からは糸もでる気配もなく、SU30グラファイトからも「まだまだ行ける。」と回答をもらう。
丁度FT30でも良い感じであるけれど、ここはSU30の出番であった。
「はい、、ブリね、、、。」
10kgはあるその魚体は少しばかり太り気味はすでに通過した様子。 おそらく子持ち、、、。
うねりは2m位か、、時々ロッドにうねりの衝撃と魚の引き、、糸は気持ちほど出る。
この日はブリ4本と帰りがてらのトロールでカツオを20本ほど釣り、土佐の海はまだ死んではいないのであろう。
ダブルヒット9kgと10kg
翌々日、故郷から助っ人が参上する。
小さな島国の友人は、おそらくネイティブな安芸の国人。
いごっそう師範は、仕事の都合かはたまた最近凝っている居合で刀の振りすぎか不参加。
いやはや幕末製の真剣は少しこの現代には似合わない、土佐のいごっそうのなせる技であったりする。
本日の主役は661TUNAp.これに尽きる。
求道者TUNApオリジナルに安芸の新型TUNAp-KVG仕様、キャプテンのTUNAp職漁仕様の3本メインにジギングタックル、リールは凡夫のSealine900H-SmooTH仕様と安芸国守Sealine20-2Speed、、Capのダイワの骨董電動リール。
Capt,.は Sports Fishingに精通するが、効率を考え職の時は職に徹する。これがプロの考えで遊魚はやはり手巻きで勝負する。
これからのこの地域におけるCaptの試みは職漁師の高齢化に一石を投じるかも、、知れない、、、。
が高齢化釣人対策のほうが今のところ優勢だ。(頑張ってここで勝負してください。Xシリーズ)
電気仕掛けのTV番組には、策略的な意図は見えすぎるアンテナである。(少し古い)
(しかしその後Captは職漁用に日本製の900Hを見つけて購入したらしい。)
スタイルは"Stand up”が真骨頂、誰がつけたか所謂D社のカタログにも記載のスタンディング?ではない。
この違いはやった人で無ければあまり分からないかもしれない。しかし、トライして欲しいと思うのだが選べる船も決してこの国には多くは無い。
Stand up StyleはCapt.との一体化が必要で、これなくしての連携プレー無では、力を発揮できない。なかなかこのスタイルの出来る船頭は日本には少ないのはまだまだスポーツフィッシング後進国なのかもしれない。
D、Sはもう少し勉強して欲しいところであろうが彼らにそんな余裕がある筈もなく日々売上であったりするものである、、かもしれない。
どこまでも続く太平洋と黒潮の中にポツリと船。
キハダにターゲットを絞り出陣。
弾が無ければ勝負にはならない。
ベイトはソウダガツオ=メジカ、、だが本日の宗田はなかなか厳しく、時間は刻々と過ぎ去り
「このままメジカ釣りで終わったりして、、。」のCapt 何とも怖いお言葉であるが、、、、。
廻りの船は、明らかにメジカ船の職漁ではあるが しかし本日は、プロも少々苦戦中といったところか。
メジカの1/3はすでに「かんこ」の中で御臨終、、使い道は無い、、、せいぜいホゴ(カサゴ)釣りの餌程度。
釣っては死に、釣っては死にで、生存率は50%程度となんと確率の低いことか。
しびれをきらしたCapt.Nが「もう行くか!。」とのお言葉に、答えは「ハイ」しか選択肢は無い。
またまたおらんくの池の航海になり、しばらく揺れるが’六’あたりで激揺れ、、3mはあろうかこのうねり。
流石に立ってはおれないほどに船はロール&アップダウン。(今日は釣りになるのだろうか)
“六” を過ぎた頃、船のロールは僅かに沈静化、風もそう無い。
一流し目〜
それは、「おおっ、、、キレタ、、、。 」のCapt.の一声で始まった。
私がもたもたとゴリラ1/0を結節していると、、。
「あっ、、、切れた、」と士が言う、やはりライブベイトでのPEはナイロンのそれより難しい。
メジカは一気に高速で魚雷のように突っ込んでサミングが悪いと油断した隙にバックラッシュの災難に悩まされる。
そんな時に限ってヤツが咥えて走り、行き場のなくなってタングルしたラインは、あっさりとブレイクする。
凡夫は、 もたもたとメジカを上掛けして投入、、、なんと50m程度を送り込んだとたんにスプールは今までのメジカの回転とは違う加速。(これはかなり心地よい興奮であり、特に速度が変わる瞬間とクラッチオンのタイミングの計らいは、なかなか面白いものがある。)
サミング甘く、バックラッシュ気味を慌ててフォロー。
クラッチイン。
ナイロンはグーンと伸びている。
100m以上でたラインはクラッチを入れてから数秒延びて竿がまだ曲がりきらない。
ナイロンが伸びてから竿先から元にテンションが掛かり大きく1度きりのアワセ。
"Fish on!" 「ノッたよ、、。」
今日の群れはフレッシュなのか、まったくスレた様子は無い。
パリパリとナイロンが弾けるようにしてラインが出て行く、絃を弾く様な音。
Sealineのラインの出もいい感じである。
ドラグは9kgでこの手の釣りでは決して強くはないが、締めすぎのブレイクは避けたい。
150m程度出たラインは鈍角から垂直に移動。 キハダのパターンである。
そして円を描いて浮上してくる。
20kg前後の若魚である。
活きてのたうつその魚は活きた黄色を纏う。
色素細胞はまだ活性化している。
ライブベイトの釣りは、
ベイトのハリ掛けの手際良さ
静かに投入後のスピード調整(このときベイトによってある程度メカニカルブレーキ調整する。ソウダやオオサバの時とマイワシでは強さがかなり異なる。特にイカは魚の走りとは異なるのでメカニカルブレーキは緩めにしてサミングで調整する。)
サミング、ベイトの方向をイレギュラーに替える
誘い
所謂リアクションバイトの誘発
フックアップのタイミング
やり取り
ランディング
の一連の動作となり、ベイトに合わせて針をサイズ調整する。
すぐに絶命してしまうソウダガツオは、背掛けや下顎からの通しには向かないばかりか鼻掛けではすぐに外れたり、これまたさらに小さいフックが必要となる。
掛けれる場所はただ一つ。上顎の硬いところにある。
そんな小さな針での強引なファイトで口切れを興し、ランディングでしばしばフックアウトしてしまう。 たかが2、30kgと言うが案外とフックアップのタイミング悪く呑まれたり、掛りの浅い場合は容易に口切れを興すのでそれはそれで説明できない微妙なコツがいる。
釣果に差が出るのは全ての工程でのミスの相乗であるのは、この釣りの面白さである。
Capt,Nはアジ釣りの16〜を使う。これで60kgくらいまでのキハダを通常狙う。
システムの組なおしや、段取りに追われている両氏の合間に二流し目。
相変わらず大洋に放たれた小さな魚雷は一気に直進、、、。
100m以上でたところでバイト。
サミングする親指に神経は集中。
(あっ、、離した、、、、クラッチを入れステイ、、、、バイト、、、フリーラン、、、、約50m)
150m以上出たところでクラッチオン、、、、。
こんな絶好調はあり得るのか、、余裕のファイトでチリチリと心地よいナイロンの弾音。
一期に回収、、、。
ラインは底に向って下へ、下へ、、、。
10分後くるくるとやはり回る。
それからは
、暫しミノーやジグミノ-、ジグと凡夫がやっている間に安芸氏と土佐勤皇党はガンガンとイヨを上げる。
ここからは快進撃でコンスタントに20kg代を上げる。
「いかん、、、弾が無い。」
もはや、撃つ弾が無い。
「もう4時か、、そろそろ帰るか、、、。」とCapt,
そう言うと、進路を丘にとり、3時間の上り潮を進みだす。
船上にて20時間。いいショートトリップである。
疲れはあるものの、こんな疲れなら何度でも良い。
本日の成果は236kg程度、バラしたり、ランディングの失敗の7本を入れれば400kg以上になる計算である。
Capt,Nはまずまずの微笑のうちに梶を切る。
釣れないからいいともいう釣師の言葉を良く耳にするが、やはり釣れないよりは釣れたほうが良いのであると思う。
様々な経験から釣れない時があってこその釣れる時であるが、たかが釣り、されど釣り。
釣れない思い出よりも、あのときあの魚に出会ったというほうが何時でも脳裏には優勢であることは、誰でも同じであろう。
多くの釣り人は魚と出会った思い出を語るときには、眼は活きていて、逆では死んでいる。
道求者にはまだ三つの頃の瀬戸内での小船でのハオコゼが忘れなれ無く、キュウセンやキスがまだ片隅で泳いでいる。
多くの釣り師が健全で幸せなでいられるのはその大洋が誰にでも平等で自然体であるからであろう。
それを失いつつある我が国の現状は、どの釣り雑誌にも記載されていない、、、三文紙ならば当然であるが。
理由はおそらく"売れないから”であろう。
また求道がある限り、ひとは求め続けて、行き着く場所も分からずその日を迎えるのか。
レギュラーサイズと共にこの日は弾切れで
11本ほど。
二〇〇八年五月
安芸の国の剥げ山団地にてささやかな食事。
水温20℃程度ならキハダは少し脂の乗ってネギトロに
画像の刺身は頭の部分、3日目の熟成途中。
今回のタックル:
Rod:MOON 661-TUNAP Turugi Conventional
Line:YAMATOYO BIGI80Lb
Reel:DAIWA Sealine900H(Maide in Japan)
Hook:Golilla1/0
Rod:661-TUNAP-KVG(ケブラー)
Reel:Sealine20-2speed+Smooooth Drag
Hook:Golilla1/0
Rod:661-TUNAP-Commercial(職漁仕様)
Rod:510-FP5P Samurai Jigging
Reel:FIN-NOR OFR75
ROD:MOON 601-SU30 Katana Jigging
Reel:NEWELL533-5.5 Tune