痛風

風が吹くだけで関節などがいたむことからその名がついた「痛風」ですが、本当の呼び方は「高尿酸血症」です。本来、尿には尿酸は排泄されず、尿素となって排泄されるわけですが、ある種の代謝異常で尿中に尿酸が排泄されるわけです。

蛋白質を摂取するとアミノ酸に分解され、吸収されます。このアミノ酸はまさに体の中で様々な働きをするわけです。筋肉を作ったり、内臓の構成成分になったり、また、様々なホルモンの原料になったり・・・ここには書ききれないほどの働きをします。アミノ酸は炭水化物とおなじ炭素・水素・酸素を主たる元素とし、それ以外には窒素を含んでいます。各々の元素は代謝されると炭素は二酸化炭素、酸素と水素は水になって排泄されますが、最後の窒素は生物は排泄に苦労します。そのなかでもプリン体の代謝異常が起きるとこの痛風という病気になってしまいます。

さて、その「高尿酸血症」になってしまう原因ですが、これも良くわかっていません。しかし、遺伝的な素因があるのは間違いないことで血縁者に「高尿酸血症(痛風)」の方がいる人は注意が必要です。特に糖尿病や、高血圧の心配のある人はこれらが合併すると狭心症などの虚血性心疾患や腎炎などになってしまう危険性があります。

基本は食生活の改善が必要です。尿量の確保がまず一番大事です。水分をたくさん飲むのは大切なことですが、アルコールは禁物。特にビールは絶対禁忌。ビールの成分のホップはこのプリン体を多く含み、高尿酸血症の原因になるので絶対だめです。それと蛋白質の摂取はほどほどに。コーヒーの多飲も原因とか。

病院にいくと尿酸の合成を阻害する薬と排泄を促進する薬のどちらか、あるいは両方を出されます。どちらも副作用の少ない良い薬ですが、何よりも確実に効果をあげるためには日頃の食生活の改善と薬が出た場合はまじめに薬を飲むということが大切です。