生活習慣病

かって「成人病」といわれていたのですが、平成8年から「生活習慣病」という言葉に変わりました。内容的にはそんなには変わらないのですが、成人病自体が「生活習慣」に根ざしていることが多いので、この習慣を正常化すればその発症が予防できるという発想があったようです。

さて、生活習慣病とは何があるのでしょうか?

生活習慣

具体例

食習慣

糖尿病・高脂血症・高血圧症・高尿酸血症
肥満・大腸癌など

運動習慣

高脂血症・糖尿病・骨粗鬆症など

喫煙習慣

肺扁平上皮癌・咽頭癌・慢性気管支炎など

もっといろいろあるのですが、忘れてしまいました(笑)生活習慣病とはいえ、ここの遺伝的素因も強い関与があることを忘れては行けません。たとえば、血縁者に糖尿病や高脂血症、高血圧症などの人がいる場合は、同じ遺伝子を持っている可能性が高いわけで、そういう人は、血縁者にいない人に比べていっそうの注意が必要なわけです。

例えば、外国では高血圧に関連する遺伝子を予め検査して、ある程度の予測をたてることも行われているようです。

この中で、最も気を付けなければ行けないのが肥満です。このコーナーの冒頭にも書きましたが、肥満は万病の元であることがわかってきました。特に、内臓肥満は大敵です。肥満にも2種類あって、「洋なし型肥満」(伊集院光タイプ)と「リンゴ型肥満」(上半身肥満)です。前者の様に比較的皮下脂肪が多い(ぶよぶよしていて)ひとはまだ、内臓に蓄積している脂肪は少ないけれど、「リンゴ型肥満」(デブだけど、お腹は堅い、つまり、内臓に脂肪が溜まっている)の人は、お腹の脂肪からこの生活習慣病を促進する物質がたくさんでてしまっています。

いままで体の脂肪組織(脂肪)はエネルギーを蓄積する働きが主だと思われていました。しかし、最近の研究ではそこか、様々なホルモン(TNF-αやレプチンなど)がでて様々な影響を及ぼしていることが明らかになりました。

みなさんもインスリン(インシュリンともいう)を聞いたことがあるでしょうか?インスリンは血中の糖を肝臓や筋肉に取り込む作用が種なのですが、脂肪組織からでるTNF-αはインスリンのこの働きを抑える働きがあります。さらにいろいろな要因が絡んで、インスリンの作用低下から糖尿病が発症するといわれています。

また、インスリンがうまく働いていないということで生体は、それを補うべく過剰のインスリンを分泌します。インスリンは血糖を下げる作用の他、過剰のインスリンは動脈硬化や高血圧を促進させるということがいわれています。つまり、この3大生活習慣病は、根底には過剰のインスリンがでて、生体はそれをうまく使えないという状態になっているのではないか、と考えられています。

それを防ぐためにも、体重の是正が必要ですし、高血圧症・高脂血症・糖尿病のいずれに罹患してもまずは、適正体重に抑えることが大切だといわれています。

適正体重は

身長(m)×身長(m)×22=適正体重(kg)

で、その20%オーバーが肥満といわれています。