高血圧症

生活習慣病(昔は成人病って呼ばれていました。でも、子供にもいわゆる高血圧症などが見られるので、生活習慣病という名前が一般的になってきました)のなかでも検診などを通じて一般的なのがこの「高血圧症」です。

血圧はまさしく心臓から血液を送り出すときの圧力で収縮期血圧(SBP):上の血圧と拡張期血圧(DBP):下の血圧で表されます。健常とされるのは上が140mmHg以下で、下が90mmHg以下です。(以下140/90mmHgと表記)

昨年、世界保健機構(WHO)と国際高血圧協会(ISH)が治療の基準を出しました。135/85mmHgという厳しい基準を出しました。そのためにいくつかの薬剤を選択しなさいということも謳っているんですが、やはりその前には生活習慣の是正が必要です。

日本人の高血圧の原因はやはり食塩の撮り過ぎは否定できません。一日必要量は5g弱なのですが、この量の食塩は天然の食物に含まれている食塩で十分なのです。つまり、調味料として加えている食塩はすべて過剰の食塩なのです。薄味の関西でも食塩は11g/日、しょっからい食事を好む東北では17g/日の食塩を撮っているといわれています。まずは一日の食塩摂取量を10g/日にするのが好ましいとされています。

次は体重の是正が必要です。日本肥満学会が定める肥満の定義は標準体重の20%以上過体重を肥満と定義づけています。標準体重もいろいろ計算式がありますが、
身長(m)の2乗×22=標準体重(kg)
というのが一般的です。
僕は身長181cmですから、標準体重は
1.81(m)×1.81(m)×22=72.0742kg
約72kgということになります。
肥満の人ははやりその体重の是正は必要なのですが、栄養のバランスを保ちながら摂取するそうカロリー数を減らす必要があるのです。さらに、同時に食塩の摂取を減らすとその効果は相乗的に働きます。

次に運動です。実は急に運動を始めるのは良くないのです。日本国内でも、運動療法をきっちりできる専門医はそんなに多くないのですが、急に運動を始めると、病態の進んでいる高血圧症では逆に、脳・心臓の事故につながってしまいます。比較的罹病期間の短い高血圧症、そうですね、30〜40代の若・壮年の人ならば軽い運動はすぐ始めてもいいと思います。そのことによって欠陥の弾力が回復し、血圧が低下します。もちろん、体重是正の効果も期待できます。

生活習慣病がどうして生活習慣病か?それは、なかなかその是正ができないからです。そのためにどうしても薬物療法を受けざるをえません。ここからは専門の医師に筆を譲らねばいけないのですが、どんな薬も医師の行った用法・用量を遵守し、素人の判断で服薬をやめたり、量を増減したりしてはいけません。

高血圧が持続すると思わぬ臓器障害を生じてしまいます。脳卒中・心筋梗塞・狭心症・腎障害など。早めに医師の診断を受け、一日も早い血圧の是正が必要です。