今日は、Tooruが亡くなって3年目。奇跡が起こることを信じていたけれどかれはあっけなく逝ってしまった。
あの年もまだ梅雨明けはまだで、亡くなる2日前、集中治療室に、見舞いに行くと、熱で魘され(うなされ)、意識も朦朧としていた。
そんなTooruをみておれず、看護師に解熱剤の投与を頼んだ。「まだ2時間しか経っていなんだけど・・・・」(本当は4時間あけなくてはいけない)といいながら、解熱剤の追加投与をしてくれた。
30分もしないうちに、薬が効いてきたのだろうか、意識がはっきりしてきて、僕が来ていることにも気がついたようだった。
汗を拭いてあげ、着替えをさせると顔には笑顔も。脳にも障害(脳血栓?)があり、話すことができなかったが、なにかほしいものがあるらしい。
動く方の右手で、何かを指している。
「なんだろう?」伝わらないせいか、Tooruがいらいらしているのもわかる。
「氷」
クラッシュアイスが欲しかったようだ。看護師さんにお願いして、コップに氷を入れてきたもらった。
きっと何の味もしない冷たいだけの氷も彼にとってはこの上ないごちそうだったに違いない。大丈夫かなと思いながら2個の氷をおいしそうに食べていた。
そんな様子を見ていて、アイスクリームを買ってきてあげたら・・なんて思った。少し、迷ったが、そんなものが食べられる状態でないことは火を見るより明らかだった。
食いしん坊でおしゃべりで、そんな彼は、最期、ふたつともできなくなってしまっていた。
今年も暑い夏がやってくる。冷たい氷を口に含む度、Tooruと最後の一日を思い出してしまう。アイスクリーム食べさせてあげればよかったって思う。
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