映画化されるってだけで、読み始めたんだけど。
最近、珍しく本をハイペースで読んでいたりする。壊れたテレビがそれに拍車をかける。仕事で文字ばかり見ているので、プライベートで文字を追いかけることは少なくなってしまっていたんだけど、第1巻を二日ほどで読み上げ、さっき、半分ほど誇っていた第2巻もあっという間に読んでしまった。そして、今も続きを読みたい衝動に駆られている。
1巻目を買って読み始めたとき、最初の数ページ、読んだ覚えがあった。この本、Satoruが読んでた。本よりも目の前のSatoruにしか関心がなかったあの頃、パラパラと最初の何ページかを目で追っかけたけれど、読んでみようとは思わなかった。
今は、ぽっかりと空いてしまった時間と心。今朝テレビが壊れてしまって、聞こえるのは、窓の外を走る車の音と、冷蔵庫のモーター音だけだ。
巧と豪、巧の弟の青波。巧の家族、友達、野球部の仲間…読んていると、知らず知らずの間に頭の中に映像が浮かぶ。不思議な本だ。そして、登場人物に自分や自分の人間関係を重ねてしまう。野球なんてしたことがないのに。
Tooruだったらなんていうだろう?仕事の演出をしているとき以外はあまり多弁ではなかった。きっと良い本だね、って一言言っただろう。
Satoruは何を感じたんだろう?彼も、この本おもしろいよ、って一言言っただけだった。
僕の心が今、やっと何かを求めているような気がする。
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