July in 2006

31日(月)晴

3週間

Tooruが亡くなって早いもので3週間が経ちました。でも、僕にはまだ実感が湧きません。今でも東京に行くと、彼に会えるような気がしてなりません。

一人でいると、彼のことばかり考えてしまってた。

彼は僕と一緒にいること以外、何も望まなかった。僕と一緒にいる時間が珠玉の時間で、いつもにこにこ笑っていた。だから、どこへでも一緒に行きたがった。

気晴らしに旅行に行けば…って言われた。そうだね…でもどこにいても彼のことを考えてしまう。気持ちが晴れるわけない。かえって寂しさが募ってしまう。

僕が東京に行くと、羽田空港の到着ゲートでいつも彼が待っていた。小さな彼でも見つけるは簡単だった。束の間の一緒にいる時間を過ごした後、僕が羽田空港から帰るとき、見送りにきた彼は
「つまんないな」
っていつもつぶやいていた。僕は
「また来るからね」
って言って飛行機に乗った。

海外旅行に行くと、僕に余裕がなくなってよく喧嘩をしてしまった。それでもだまって僕の横にいてくれた。もっと優しくすればよかった。もっとほんと、優しくすればよかった。

もっと、もっと一緒にいたかった。彼を抱きしめたかった。

そんなことをずっとずっと考えてしまっていた。

悲しみの向こうには絶望すら残らず、悲しみに浸ることもできない、そんな時間だけが過ぎていく。それでも、日常は待ってくれず、皮肉にも忙しい仕事が気を紛らわせてくれています。

彼は、僕の笑顔が好きだった。僕も彼の笑顔が大好きだった。二人でいるときは他愛のないことでいつも二人とも笑っていた。彼の笑顔はもう僕の記憶の中でしか再現できない。せめて、僕だけでも、その笑顔を取り戻さないと・・・。

8月12日、彼のふるさとにある彼と、彼の両親のお墓を参りに行ってきます。何度かTooruと一緒に行ったところに、今は彼が待っています。

やっと彼にさよならを言えるのかもしれない。

10日(月)晴

悲しみの向こう

変なもので、悲しみが一定限度を超えると、感情の回路が吹っ飛ぶみたいです。普通に仕事して、普通に帰ってきて。

でも、心は骸(むくろ)。

帰ってきて、Tooruの写真を見ていました。いつも彼は、笑っていました。僕みたいなつまらない奴と、一緒にいるだけで彼は微笑んでいました。

もう、その笑顔を見ることはできません。

今朝、彼は、他界しました。40歳。

この悲しみの向こうに、何があるのでしょう。誰か、それがわかるなら教えてください。

9日(日)曇

悪化

たった2週間なのに、病状は悪化していました。昨日の午後、病院に行ったときには、かなりの高熱に魘され(うなされ)、さらに、リンパ腫の痛みが動く方の左足にも及んでいるようで、かなり辛そうでした。

土曜日なので、主治医に話すことはできなかったのですがモルヒネの導入も含めて、痛みのコントロールは積極的にやってほしい旨の伝言を看護師さんに託しました。

屯用でボルタレン座薬を使用し、熱が少し下がり、痛みも少し和らいだのでしょうか、夕方になってからは、少し落ち着いていましたが。

治る病気じゃないのなら、QOLを優先してほしい、そう思います。

病院に着いたときは、力が入らなかったのですが、僕が帰るときにはしっかり僕の手を握っていました。そして、いつものように、左手を左右に振って
「バイバイ」
って。

Tooru本人が希望を捨てていない、ならば、僕も捨てない。


今、帰ってきました。TVでは、北朝鮮のミサイル発射のことを報道しています。もう末期的な様相の北朝鮮。世も世なら、戦争になってもおかしくないことが起きています。少しは、人間は利口になっているのかもしれません。

8日(土)曇

全日空
「超割」

国内の飛行機業界の競争も熾烈なのですが、昨年から今年にかけてのいろいろなJALのトラブルとその後の対応の不味さのせいで全日空の方が優勢のようです。

Tooruが倒れるなんてことは、まったくの予想外だったのですが、2ヶ月以上前に発売される全日空の「超割」(東京〜大阪)で今日も東京に行ってきます。(片道10000円しないんですよ。)

今年すでに35回目の搭乗になります。たった1泊の、それも東京に行くだけなのですが、僕の荷物も(Tooruは、もっとたくさん。まるで海外旅行に行くような荷物をもってました。)結構な量になっています(汗)。服は、半袖/半ズボンの軽装。でも鞄には着替えとか、PCとか携帯電話(AUです。通話用)とメール用のWILLCOM、通信用のPHS、もちろんMacも。…かなり不経済ですね。それと、退屈しのぎの任天堂DS LITE(今は、スーパーマリオと格闘中)本体だけでなく、充電器とかが嵩張ります。

このAUの携帯とWILLCOMのメール端末は、Tooruとおそろいになってます。今のTooruはメールできる状態ではないのですが。

期待と不安が入り混じりながら、それでも早くTooruのベッドサイドに行きたくて、まるで壊れて止まっているかのような時計を眺めています。

7日(金)曇

星に願いを

2週間ぶりになるのかな?Tooruの顔を見に行ってきます。ここまで、順調な回復をしていますが、久し振りに行くので、期待と不安が入り混じっています。

この前行ったときには、補助呼吸を外して完全に自発呼吸にしていたのですが、少し苦しそうにしていました。呼吸機能は急には戻らないだろうけど、慣れてきているのかな?って思ったり。そうすると、声が出せるようになったり、食事も経管栄養じゃなくて、普通食になっていけるという期待。

反面、もし悪くなっていたら…という不安。

今度こそ、退屈しているだろうから、左手だけで遊べる何かを買っていこうかなって思ってます。

今日は七夕。大阪では見ることのできない天の川での一年に一度のデートをしている彦星と織姫にTooruの回復をお願いしています。

6日(木)曇

酷く疲れて…

夕方から、京都で講演会。今週は火曜日の金沢強行軍が堪えていたらしく、久し振りに体は疲れています。年だな〜なんて思いながら、先月から今月の出来事を思い返していました。

Tooruと初めて会ったのは、今から10年前の6月。僕が京都にいたころ、当時まだそんなに普及していなかったネットで知り合い、彼が京都に遊びにきたのが始まりでした。

そのころはやっていた槇原敬之の「どうしようもない天使が…」っていう歌のようでした。僕の一目惚れ。彼とひとつになり、彼が僕の中で果てたとき、思わず告白してしまいました。彼もOKを出してくれました。

暑かったので果物屋さんで買ってきたスイカ。大きめにカットして出しました。黙々と食べる彼。あっと言う間に食べてしまったので、好きなのかな?なんて思っていたのですが、後々聞くと、スイカは大嫌いだったらしい…いきなり、でかいスイカが出てきて、びっくりしたでしょうね。(そういえば、甘いスイカにたくさん、塩をかけていました)

土曜日、東京に行っています。

5日(水)雨模様

寝坊せず

当たり前ですが、寝坊することなく9時には会社に帰ってきました。先に駅についていた上司は「寝坊した?」って思ってたみたいですが、朝は子供の頃から強いのです。

週の半ばの水曜日は、何かと疲れます。いつもより、1時間半早起きしただけなのですが、リズムが狂ってしまっていました。

恐らく梅雨も末期なのでしょう。台風とともに、雨が強くなってきたようです。台風が北に抜けると、梅雨前線も一緒に北上して、梅雨明けというパターンもあるのですが、異常気象の昨今、理屈通りにいくでしょうか?

週末は2週間ぶりに上京します。もともと5月のうちに上京するつもりで飛行機を取っていた(全日空の超割ってやつで)のですが、ここにきて天気が心配になっています。

4日(火)晴

金沢にて

無事、説明会を終えて今、ホテルに帰ってきました。明日は、朝一番のThunderbirdで大阪に帰るので、4時30分過ぎには起きなくちゃいけません…起きられるかな?ってその前に、眠れるかな?(苦笑)

珍しく一緒に金沢に着いてきた上司と一緒にお寿司を食べて今は駅前のホテルにいます。夏の今だけど、北陸のお寿司はおいしいですね。万十貝という貝とか、サザエの壷焼も美味しかったなぁ〜。

食欲は戻ってしまって、体重も戻ってしまってます(苦笑)でも、一人だと、あまり食べたいという気持ちにもなれず、適当に済ましてしまうこともあるのですが。

さて、寝付けるかどうかわからないけど、布団に向かうとします。

3日(月)曇

練習と本番

土曜日に講演会の製品紹介を行ってきた入社三年目の後輩。もともと東京で営業(MR)をやっていたのですが、ちょっと心を壊してしまって(今、多いうつ病)、学術に入ってきました。彼が優秀なことはよく知っていて、ついつい期待も大きくなるのですが、あまり負荷もかけられません。しかし…

今朝、土曜日の手応えを聞いたところ
「練習よりは、上出来でした。」
との答え。

それに対して、僕は
「ということは、まだまだ練習をすれば、うまくなったということだね。つまり、練習不足だということ。」

ちょっと厳しかったかなと思いながら、甘えを許してはいけないと思っています。練習でMaxを求めなければ、本番で最高の結果を残すことはできないということです。

彼が自分のプレゼンテーションを冷静に分析することができるようになったら、一人前なのでしょう。

明日は、いよいよ僕の番。金沢のある病院での癌性疼痛を緩和する麻薬の製品紹介です。

2日(日)雨

門司港レトロ

日記とは関係ないのですが、先々月、GWに行った、北九州は門司港での写真です。

谷村新司の少し前のアルバムに、日本各地の情景を歌ったアルバムがあって、それに「門司港レトロ」という曲があります。歌のイメージと街の印象…ぴったりでしたね。特に写真のような時間帯。観光客がそろそろ帰り始めていて、そこには釣りをしにきている人。

大正や昭和の空気を感じる街でした。

歴史には疎い僕なのですが、壇ノ浦の合戦などの歴史の舞台になったところですし、対岸の下関にも船で数十分。一日じゃ遊びきれないところでした。

次は、同じアルバムに歌われていた尾道に行ってみたいなって思ってます。

1日(土)
降ったりやんだり

年を取ると
親ってかわいい

夕方から仕事だったのですが、昼間、母と待ち合わせて、前から約束をしていたルイヴィトンの財布…去年、ロンドンに行ったときに買ってきてあげたのですが、パチンコに夢中になっている間に掏られて(すられて)しまったらしい…を買いにいきました。

財布を買った後、相合い傘でお昼ご飯を食べに。心斎橋にある日本航空系列のホテルの中華料理を食べてきました。夜だと結構な値段がするのですが、ランチだとなんとか大丈夫かなあって感じです。

何があってもいつもニコニコ笑っているおかん。そんな彼女のこと、とてもかわいく思えます。そして、彼女の今の笑顔を支えているこれまでの人生を少し考えたりしています。