本当はね…

2003年、雨ばかり続いた冷夏の後、秋は、いつもより早く訪れそうな気配です。上司が総替えという人事異動、これからのうちの会社の命運を左右する大規模臨床試験の発表と、いつもの9月より慌ただしく時間が過ぎていっています。

過去、新入社員の時の配属を含めると、ここ東京は4回目の赴任地、4度人事異動の発令を受けたこととなります。特に、京都からここ東京に来た6年間前は10年間の営業職から学術職へ、職種も変わったということもあり、今から思えば、かなり大変だった様な気もします。

当然、住んでいる土地が変われば、その環境に順応することがまず大変だったりします。東京は、そういう意味でも大変でした。人の多さは大阪の比ではありません。こてこての大阪人は、何となく人情の薄い様な気がする(大阪に比べてなんですが)、東京の生活は、寂しかったりします。毎日の食事は、未だにストレスだったりします。でも、時に転勤は、環境を大きく変えることができたりします。仕事は勿論なんですが、殊更プライベートの点へも大きな影響を及ぼします。つまり、「距離」がいろいろなものに変化を与えてくれます。

だから、本当はね…転勤して、環境を変えたかったかもしれない。

仕事の点でも、いろいろ思うところがあり、地方の(学術なら札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡に行く可能性があります)学術へ転勤の希望を出していました。もうすぐ6年東京で学術の仕事をすることになりますが、今のモチベーションを持ちながら、どこでも仕事をする自信もついてきました。

それと、もう一つ。

転勤して、東京から離れたら、膠着した自分の気持ちに何か変化があるかもしれない。東京に来て好きになってしまった人への思いに変化があるかもしれないって、漠然と思っていました。
さらには、 知らない街へ行って、知らない人に囲まれて、そしたら寂しくなって、その寂しさが、僕に新しく恋をする勇気を与えてくれるかもしれないって思っていました。

去年、失った恋がトラウマになっている訳ではないのでしょう。それよりも、年齢的なものが大きいのでしょうね。20代の頃の様に、傷つくことなんて、全く考えず、まっすぐな気持ちを、相手にぶつけることが、できない今の自分に気がついています。

Profileに書いてあるとおり、ときめきたいっていう気持ち、失っている訳ではありません。ただ、今は、自分の心が傷つかない様に、シールドをかけてしまっていることに気がついています。

「煮詰まってる」そう思います。「ひとりになろう、そのために、旅に出よう。」そう思います。

2003年9月7日

CORAZON