成 せ ば な る

「成せばなる、成さねばならぬ」という言葉があります。トライしなければ、何事も達成し得ないっていうことに例えられていますが、これは

「成せばなる  成さねばならぬ  何ごとも  成らぬは人の成さぬなりけり」

という山形藩・第九代藩主「上杉鷹山」の言葉です。僕なりに読み下すと、
「やり遂げようとすれば、何事も達成出来る。しかし、なんともできないのは、『やろうと思わない』意思なのだ。(出来ないのは、やろうと思わないからだ)」
となるのでしょうか?(間違っていたらごめんなさい)

上杉鷹山は、もともとは日向の国(今の宮崎県)の生まれで、山形県の上杉家の跡継ぎのための養子となり、若い頃に藩主となったひとです。その時、上杉藩の財政は、逼迫していました。そこで、彼は、自ら倹約を実践し、また、産業を興し(今の山形の例えば、米沢牛、鯉、紅花、笹野の一刀彫などは、上杉鷹山の仕事だと言われています)、こつこつと努力を重ね、赤字を解消したと言われています。(詳細は、http://www.e-yone.co.jp/yozan/ をご参照下さい。)

先日、うちの部署が企画して、今年度の新人MRのフォローアップ研修を半日行いました。今年度は、他社のMR増員に対抗すべく、うちの会社もここ数年では、珍しいほどの人数を採用しました。東京管轄には、30人。それも、25人が女性でした。

平均点は非常に優秀なひとが多いというのが印象でした。プレゼンテーションをさせても、僕が新人の頃に比べれば、遙かに優秀なのです。でも、何か味がない。よくいう「らしさ」がないのです。マニュアル通りに仕事をこなすのは、非常に上手いのですが、反面、印象が弱いという感想を持ちました。

平均的には良かったのです。そのなかで、思い通りのプレゼンテーションが出来ず、泣き出した新人MRが一人いました。
その日彼女が泣いた理由は、「思うとおりのプレゼンテーションができない。」ということだったのです。本当にそうなら「悔しさをバネにして」となるはずなのですが。

偶然、月曜日にいった勉強会に行った営業所にその泣いた「彼女」がいました。この日の、プレゼンテーションもぼろぼろ。指導しようにも、何をどういえばいいのかわかりません。心配になり、彼女と年齢がそう離れていない先輩に聞くと「やる気が見えない」とぼやいていました。

MRの教育や、営業的な支援をするにしても、やる気のある人に対しては、そんなに難しくないのですが、明らかに、その思いがない人には、何を言っても、甲斐がないものです。

「なさぬはひとの なさぬなりけり」

今年は、これに、悩まされそうです。

2003/01/22