今、日本経済は未曾有のデフレ・スパイラルのまっただ中。企業は、生き残りを賭け、業務の効率化の名の下に、大幅人員削減。（つまり、人件費の削減が目的）そのためリストラに遭遇してしまった方々も気の毒だと思うのですが、仕事の量は変わらないまま、人員だけを削減されてしまった部門に残っている方々もかなり悲惨であるのも間違いないのです。うちの会社も例外ではなく、目に見えるリストラはされないものの、定年退職などの自然減には、明らかな人員補充は行っていません。おまけに、仕事は、能力があり、てきぱきとこなす人に集中してしまう傾向があります。

電話の友達も同じような環境でした。７月はほとんど休みなし。８月も、最初あったお盆休みも、ほとんどなしで、友人の結婚式のために帰省はするもののほとんどカレンダー通りだということでした。電話のかかってきた金曜も午前０時まで仕事、その週の土曜も日曜も仕事だと言っていました。彼の健康を心配しながら、
「最近どうなの？男、出来た？」
と聞くと、
「そんなの、出来るわけないじゃん。休みの日くらいは、好きな人と一緒にいたいけど、どうしても仕事が入ってしまうし、待たせてると思うとかわいそうだし、自分自身も集中して仕事が出来ない。」
って言っていました。そして
「仕事が恋人さ！　」
と苦笑いをしていました。

彼の健康を願うと、「頑張って」とは、とても言えませんでした。久しぶりだった所為もあり、僕も積もる話もありました。彼も、まだまだ話をしたそうな感じでした。しかし、明日も仕事がある彼の健康を思うと、そんな彼の話を遮り、
「もう遅いから、今日は寝ようね。」
と言うしか僕にはできませんでした。

「恋も仕事も出来る男がっかっこいい」って思います。だからこそ、きっと今も仕事をしている彼の身体と心を癒してくれる素敵な恋人が現れることを心から祈っています。