しようと思ったことをする、ただそれだけ

数日前、あるMRの担当先の先生に教えて頂きたいことがあり、同行して貰いました。そのMR、入社6年目なのですが、とても優秀なのです。営業成績も抜群で、センスも良いのです。そんな、彼が珍しく、仕事で悩んでいます。彼が担当する病院にうちの新製品が、まだ採用されないのです。

最近は、世間の風当たりも強く、一昔前のように、接待攻勢も出来なくなっています。いろいろな、仕掛けをして、これまで難局を乗り切った彼なのですが、今回に限っては、打つ手、打つ手がことごとく玉砕しているようです。こうなると、なかなか次の手が出せなくなります。

そんな話を、同行して貰った帰りの車で聞きながら
「ね、○ちゃん、まだやれることあるやろ?それ、全部やってみようよ。仮に上手いこといかんと薬、入れへん(採用されない)かっても、別に今と一緒やん。」
って極々当たり前の話をしました。運転しながら彼は、
「そうですよね。今年中を目処に、もう一回いろいろやってみます。ありがとうございます!」
といって、いつもの目の輝きを取り戻していました。

僕も、20代のころは、失敗を恐れず、「何悩んでるの?ま、やってみよ!」っていつも思って、仕事の上でも、プライベートの上でも、実践していたのですが、やはり失敗することがあったり、他人から、批判されたり、人を傷つけてしまったり、そして、自分が傷ついてしまったりしていくうちに、自分の可能性を狭くしてしまって、出来ることしかやらなくなってしまっている自分がいました。それを経験というのでしょうか?既成概念を捨てて、ってよく言うけど、なかなかこの経験が邪魔をして、捨てることが出来なくなってしまっています。

昨日の谷村のコンサートで、こんなMCがありました。
「NHKの『プロジェクトX』という番組で、ゴビ砂漠にポプラを植樹するボランティアの人たちが紹介されていました。御覧になった人います?…(中略)…どうして、こういうことするんですか?ってインタビューされていたんですが、その方は、「別に理由ははっきりしていなくて、『ただ、したいことをする、したくないことはしない。ただそれだけ』なんですよ。」って笑って答えていました。」(名古屋産業大学がやっているんですね。ネットにも載っています。http://www.nagoya-su.ac.jp/pages/news/now.htm

素敵だな、って思いながら聞いていました。そして、2日前に、後輩に話したこと、自分の今を考えていました。今、仕事では、思ったことやりたいことをのびのびさせていただいてそれなりの評価も貰っています。上述の先生への訪問も、僕が自発的にやりたいと思って実行していることです。でも、プライベートはどうなんだろうって?その日の先生への訪問は、上々の成果を上げました。脳にはたくさんの脳内麻薬が分泌されています。(笑)ここで一気に行くべきです。(笑)

「傷つくことを恐れて、自分のしたいことから逃げていたら、きっと後悔する。うまくいかなくても、いいやん。うまくいかへんかっても、今と何にも変わらへんやん。」って当たり前のことを思いました。…実際は違うんだろうけどね、今度、うまくいかなかったら、もう声を聞きたくても、会いたくても、もう、会えなくなってしまうから。僕が傷つくのと同じ傷を相手も負ってしまうから。…でも、もう動き出しています。

しようと思ったから、ただそれだけ。

2002/10/28