ロンドンにて
3度目のロンドン。

初めて来たのはおおよそ6年前。仕事を絡めて休暇を貰い、そのときも約1週間ロンドンに滞在しました。

2度目は去年のお正月。ハワイでのんびりしようって、metoと話をしながら旅行会社へ向かったのですが、その料金があまりのも高く、そんなにするんだったら、ヨーロッパに行こうって急遽、目的地変更。それが、前回。

そして、3度目。

「海外なのによく、一人で出かけるね、大丈夫?楽しいの?」といわれます。そんなに英語ができるわけでもなく、度胸があるといえばよく聞こえるけれど、単に無鉄砲なのかもしれません。僕の英語力なんて、書いてある情報はなんとなくわかるものの、Nativeで話されると、よくわからないし、伝えたいことはなんとかというその程度。もちろん僕も、好きな人と出かけ、素晴らしいミュージカルを見たら、その楽しさを分かち合いたいと思うし、美しいものを見たらその感動を共有したいと思うのですが、たまに一人で出かけたくなるのです。

今回のロンドン行き、さして目的があったわけではありません。強いて言えば、ひょっとしたらこんなに休みが取れるのはしばらくやってこないかもしれないという意識がどこかにあったからかもしれません。それは、近いうちに外勤者に戻る可能性があります。今の外勤者は上司にもよるらしいのですが、「休暇などとんでもない。」という雰囲気もあるらしいのです。… 一番の理由は、全日空のマイレージが貯まったからなのですが… そんな不確定な理由から、少し、追われる様な思いをしながらロンドン行きを決定しました。ここ最近、忙しく、ゆっくり準備もできなくて、このサイトの予定表も更新できず「やりたいこと (to do)」は空欄のままだったのですが、ロンドンに向かう機内で考えていた「ミュージカルをたくさんみたい。ロンドン郊外へ出かけたい。」という目的は、達成できそうです。

そして、この旅の最大の目的。

ひとりぼっちの寂しさを楽しむ。

これも十分すぎるほど堪能できました。海外旅行も一人で行くと自分のことだけを考えていればすむわけで、その分、気楽なのですが、旅も半ばになると、「この風景を、metoにも見せてあげたい」とか「今度来るときのために、残りは見ないでおこう」とか余計なことを考えてしまいます。(あんまり得意でない美術館関係はパスできるのはうれしいのですが)おいしいものがないといわれるロンドンでの食事なのですが一人で食べるそれはもっと味気なく、ほとんどファーストフードですませてしまいっています。

ついついmetoと一緒にいると、その状態が当たり前になってしまって優しくすることを忘れてしまってしまいます。稽古が忙しいのでしょうか、日本時間の深夜に電話を掛けてもなかなかつながりません。僕がが帰国すると、5月の舞台までもうすぐ。metoの疲労は心身共に極限に達してしまっている、そんな様子が、電話の声から伝わってきます。帰国したら真っ先に、metoを優しくHUGして伸びた無精ひげを押しつけ、焼き肉でも食べに連れて行きましょう。

そんなことをつれづれに思っているロンドンでの一夜。

2002年4月28日ロンドンにて CORAZON