母の言葉

TooruがまだICUにいるときに、意識不明の彼を見舞ったあと、実家の母の元に帰りました。東京から関西空港に向かう最終便。関西空港から実家は近いとはいえ、最寄り駅に着いたときは、日付が変わろうとしていました。

僕の報告を聞いた後の母の言葉
「あなたは、これからこういう出来事に耐えなければならない。次は、私だよ。」

思わず言葉を失ってしまいました。残酷で、でも、とても優しい言葉でした。Tooruのことは、僕にとってイレギュラーだったとはいえ、順序から言うと、母の言うのは間違いではありません。

谷村新司の30年くらい前のアルバムに「玄冬期 -花散る日-」という歌があります。その歌に

「出会える人の数よりもなお 別れる人の数が増えてきた いつかは来ると今日という日が いつかは来ると 知っていた。」

という一節があります。

その後、急性期を過ぎ、今、必死に病と闘っているTooruがいます。悲しいけれど、残された時間は限りがあります。母の「あなたが泣いてどうするの!」という言葉に励まされながら、限りのあるTooruとの時間を過ごしていきたいと思います。