ALICE 再び
今朝、朝寝坊しながらFM放送を聞いていると、ALICEが再結成されると報じていた。
あれは僕が17歳。高校2年生の時だった。日曜日の朝だったと思う。
うちの母が
「ALICE、解散するっていうてたで」
とのたまう。
「嘘やろ〜。この前のコンサートでは、絶対解散せーへん、って谷村、いうとったでぇ。」
と僕が、切り返す。そうしたら、スポーツ新聞を勝ち誇ったように僕に手渡す母。
「ほら!」

そこには今年の秋のコンサートを最後にALICEとしての活動を終わることを小さく報じていた。

その年は瞬く間のなく終わっていった。6月、そのころまだオンラインではコンサートのチケットを販売しておらず、12時間並んで解散コンサートのチケットを手に入れた。9月にはそのコンサートが終わっていった。・・・11月、まさに谷村ら三人だけで行われた当時の後楽園球場でのコンサートを最後に、僕たちのALICEは終わった。

僕はどちらかといえば堀内より谷村の音楽が肌にあった。堀内は今のような演歌歌手ではなく、解散直後はカリフォルニアの乾いた音を志向していた。谷村はどうだろう、今よりもっとどろどろした男と女の感情を歌っていたような気がする。まだまだケツの青かった僕には理解できていなかったかと思う。

大学の頃は年に1枚か2枚出されるアルバムなどを買ってはいたが、そのころはクラシック音楽の方に耳は向き、また谷村の音楽を聴きだしたのは社会人になってからであろう。そのころから谷村の音楽は「旅」「夢」などがキーワードになり始めていた。

初めて真剣に恋もした。
社会人になってわかり始めた世の中がそこにあった。
夜も眠れないほどの悩んだのこともあった。
そして自分一人ではどうしようもない現実にも幾度となく遭遇した。

それでも立ち向かう男の姿を谷村の音楽を通して感じていたのだろう。

CORAZON・・・スペイン語で「こころ」という意味。この言葉も谷村に教えられた。

僕の青春が帰ってくる。

今日は久しぶりにギターの弦でも張り替えよう。
そして、大好きなALICEを歌ってみよう。
「あなたは、稲妻のように、私の心を引き裂いた」 冬の稲妻
「最後の言葉だ、ありがとう」夢去りし街角

「悩み続けた日々が、まるで嘘のように」遠くで汽笛を聞きながら