合い鍵

僕には、もともと少なからず、同棲願望があるのでしょうか、つきあい始めてしばらくすると、部屋の合い鍵を渡したり、また、もらったりするととてもうれしかったりします。新潟にいたときは、僕が独り暮らしをしていたので、当時の恋人には、アパートの合い鍵を渡していました。metoも、付き合い始めて、しばらくしてから、合い鍵を渡してくれました。

しかし、時に、この「合い鍵」はときに、悲しいドラマを演出します。

2年前の9月、僕のわがままで、5年付き合ったmetoと別れてしまいました。そのとき、最後まで返せなかった彼の部屋の合い鍵。「ごめん」というのが精一杯。metoに鍵を渡して、決して振り返らず、家に帰りました。そして、部屋で、どれだけ涙が出るんだろうっていうくらい泣いてしまったのを覚えています。

この部屋の「合い鍵」これは、信頼の証だと思います。いつ部屋に来ても良いよ、って。

今、告白すれば、去年の誕生日も、クリスマスも、今年のバレンタインも、一番欲しかったプレゼントは、metoの家の合い鍵だったっていうこと。きっと、彼は気がついていなかったでしょうね。別れの原因を作ったのは僕。それも、一度縒りを戻して、それでも、気持ちが完全に戻らず、最終的には別れてしまった。きっと、今の僕では比べものにならないくらい、metoは傷ついてしまっていたと思います。だから、僕からは、言えませんでした。確かに、別の人との出会いもあったんだけどね。でも、本心は…。
もう一度やり直したいなんて、虫のよいこと、言えるはずがありません。(苦笑)…これを読んだmetoがびっくりしているのが目に浮かびます(笑)

部屋の「合い鍵」それは、単なる100gにも満たない金属の固まりなんかじゃありません。恋人の「合い鍵」を持たせてもらっている貴方、キーホルダーにぶら下がっているその「合い鍵」は、恋人の愛情そのものなのかもしれませんよ。

そして…

CORAZON

2004/08/10